概要
春の御室桜(おむろざくら)や、国宝に指定されている阿弥陀三尊像・薬師如来坐像などで知られる。
京都市左京区御室にある、真言宗御室派の総本山仁和寺が宇多天皇により創建されたのは仁和4年(888)の事である。御室には「皇室の住居」の意味があり、皇室出身者が代々住職を務めた。京都三大門のひとつ「二王門」をくぐると、境内には国宝「金堂」はじめ、「五重塔」「観音堂」などの重要文化財がズラリと並ぶ。皇室とゆかりが深いことから、「仁和寺御殿」といわれる御所風の建築物が特徴である。
御室桜は遅咲きの桜として江戸時代から親しまれ、江戸時代の著名な儒学者・貝原益軒が記した京都の名所案内「京城勝覧(けいじょうしょうらん)」にも『八重桜が美しく、吉野の桜に勝るとも劣らない』と紹介されている。その美しさから、大正13年(1924年)に国の名勝に指定されている。また、仁和寺は古都京都の文化財のひとつとして、1994年に清水寺や平等院などと共に世界文化遺産に認定されている。
2018年1月から3月にかけて東京国立博物館で「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」が開催され、本尊を含む仏像約70体や弘法大師空海ゆかりの書「三十帖冊子」が公開された。また、一般非公開の観音堂が再現されたことでも話題になった。
桜や国宝だけではなく、じっくりと仁和寺を堪能したい場合は一日お遍路コースもある。仁和寺の裏側にある成就山の山道にはお堂が点在し、四国八十八ヶ所の写しである札所を約2時間ですべて巡ることができる。手軽にお遍路体験ができて京都市内の眺望も良い御室四国八十八ヶ所は、1年を通して楽しむことができる。近年の台風で被害を受けており、2020年より7か年計画で整備事業の「OMURO88プロジェクト」が開催された。このプロジェクトの一環として、88カ所の各堂を88人のイラストレーターによって擬人化した『御室ムスメ』が誕生した。
「ニコニコネット超会議2020夏」では、仁和寺の法師が徒歩巡礼をする生放送が開催された。
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関連項目
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