今際の国のアリス(いまわのくにのありす)とは、小学館『週刊少年サンデー』に掲載されている、麻生羽呂の漫画である。
すとぉりぃ
18歳の平々凡々な高校生・有栖良平(ありすりょうへい、あだ名は「アリス」)は、自身の面白みのない人生に嫌気を感じ、「どこか違う所へ行きたい」と日々思っていた。ある日、友人の苅部大吉(かるべだいきち)と勢川張太(せがわちょうた)と共に深夜にふらついていたところ、真夜中に上がる巨大な花火を目撃する。その瞬間、アリスらは荒廃した東京のようなところに飛ばされ、日頃願っていた「どこか違うところ」へ本当に来てしまった。
しかし、その世界は楽園からは程遠い、人間の命と心をゴミクズのように扱う凄惨な「げぇむ」の支配する世界、「今際の国」であった。
さまりぃ
2010年より『週刊少年サンデー超』(現:週刊少年サンデーS)で連載されたサバイバルサスペンス漫画。「げぇむおぉばぁ」「るうる」などの重要な言葉の奇妙なひらがな表記、ひたすらに悪趣味な内容の「げぇむ」、そして「びざ」の期限が切れると問答無用で殺されるという理不尽極まりない世界において、アリスら「ぷれいやぁ」が必死に生き延びようともがく話である。ゲームで軽々しく命が失われていくという点で、『GANTZ』や『カイジ』のような雰囲気を醸し出す作品でもある。
とはいえ、登場人物たちのかつての世界では考えることもなかった生きている意味を、今際の国で改めて考える所は本作の見どころでもある。作者の麻生羽呂は本作以降に手掛ける作品でも、登場人物たちが生きる意味を考えたり感じたりする場面を多く出している。
作品名は『不思議の国のアリス』のもじりで、それになぞらえてか「げぇむ」終了ごとに配られるトランプの札が作中のキーアイテムとなる。また、アリス(有栖良平)やウサギ(宇佐木柚葉)、チシヤ(苣屋駿太郎)、ボーシヤ(弾間剛)などの元ネタに由来するあだ名の人物も登場する。もっとも、そんな重要そうな人物でも案外にコロっと死んでしまうのだが。
当初『週刊少年サンデーS』で連載している本編の他に、『週刊少年サンデー』で不定期に特別編を掲載するという形だったが、2015年4月から『週刊少年サンデー』へ移籍して月1での連載に変更。2016年に最終3話を3号連続掲載で完結した。さらに2015年9月からはスピンオフとして『月刊サンデーGX』で『今際の路のアリス』として連載開始(原作:麻生羽呂 作画:黒田高祥)。今際の国の京都に入国した佐野紀奈ともう1人のアリス、小島亜里朱の物語となる。
『アニサンプロジェクト』として単行本12~14巻の限定版にOVAとして作品初期の話がアニメ化されて収録。2015年秋からのアニサン劇場での放送でもOVAが放送された。さらに2020年にNetflixで実写ドラマが放送される。主演は山崎賢人、土屋太鳳。
今まで雑誌に掲載されてきた分は小学館のwebサイト「クラブサンデー」でも公開されており、第1話と最新話は無料購読できる(それ以外は有料、およびスマホ専用)。また、ニコニコ静画の出張版「クラブサンデーぷらす」でも公開されている。
きゃらくたぁ
ここに出ているのは主要人物の一部である。原作の登場時に得意げぇむのジャンルも同時に書かれている。
有栖良平(アリス) 本作主人公の高校生。日々特に目標もなくダラダラと生きている。深夜、友人と外を歩いていたら花火のようなものを見て、直後に今際の国に降り立った。今際の国からの出国、この国の謎を知るために、友人・仲間らと共にげぇむに参加していく。
苅部大吉(カルベ) アリスの小学校時代の同級生。腕力に優れていて大人びている。高校を中退して将来の夢のためバーの経営をしている。アリスのことは小学校時代のエピソードから、観察力や洞察力の高さに一目置いている。
勢川張太(チョータ) アリスの高校の友人。不良で普段からヘラヘラしているムードメーカーだが義理堅い。
紫吹小織(シブキ) アリスたちが今際の国に来たその日に参加したげぇむで出会った女性。アリス達よりも先にこの国に来ており、今際の国に関する情報を教え、以降アリス達と同行している。
宇佐木柚葉(ウサギ) アリス達が2度目のげぇむに参加した時に出会った女子高生。元居た世界ではクライマーとしても活動していたこともあり、機動力に自信がある。
苣屋駿太郎(チシヤ) アリス達が2度目のげぇむに参加した時に出会った男性。自他の命に関心がないが、驚異的な頭脳戦の強さを誇る。カルベにはビーチという場所が存在することを教えており、アリス達の次の目的地となった。
きぃわぁど
今際の国
この話の舞台。アリスたちは夜中に花火を見た直後、この国で目を覚ました。廃墟の東京23区となっており、外側は森になっている。毎晩「げぇむ」とよばれるイベントが開催されて、多くの人間が参加している。
なぜこの国に来たのか、どうしたらこの国から出て元の世界に戻ることができるのかは不明。
げぇむ
今際の国で毎晩開催されるイベント。会場はなぜか電気が通っており、遠くからもげぇむ会場はよくわかる。げぇむでは命がけのゲームが開催され、クリアできないと命を落とす上、げぇむ中のケガが原因で死ぬ可能性もある。げぇむにはマークと数値が設定されており、ジャンル・難易度の目安として機能しているが、開催されるげぇむの具体的な内容を事前に知ることはできない。
参加したくないイベントだが、滞在者は「びざ」の都合定期的に参加することが求められている。
びざ
今際の国の滞在資格。げぇむに勝つことでげぇむの難易度と同じ数だけ滞在期間が延びる。びざの残り日数が0の時に翌日の0時を迎えると、空から放たれたレーザー光線に殺されて今際の国から強制退去させられる。
初日は持っていない状態で今際の国に来ており、夜になって明るい場所に来て知らずにげぇむ会場でげぇむに参加することになり、先にこの国に来ていた滞在者からびざなどの存在を知ることになる。
げぇむ
作中に登場するげぇむの一部を紹介する。げぇむは(マーク)の(数字) (ゲーム名)という形でジャンル・難易度の表示が出て、ルール説明も行われる。ジャンルはくらぶ(♣)は運動・頭脳両方が求められるバランス型、すぺぇど(♠)は運動能力重視の肉体型、(♦)は知識・知能が求められる知識型、はぁと(♥)は心理的に追い詰める残忍なげぇむとなる心理型となっている。
げぇむには時間制限が設定されており、時間切れで会場が爆破されるなどげぇむ参加者全員が死ぬようになっている。また、参加者同士での対決形式になっていて、一定数は必ず死ぬこととなるものもある。
くらぶのさん
神社でおみくじを引き、おみくじで出た問題の回答の数字を答える。不正解の場合、数字の差の数の火矢が遠くから飛んでくる。難易度はおみくじの運勢次第。1人ずつおみくじを引いて回答し、終えるたびに次の参加者がおみくじを引ける。全員が回答を終えればげぇむくりあ。
ただのクイズのように見えるが、「なぜおみくじに問題を書いてでげぇむを行うのか」という疑問を解決しなければげぇむくりあすることは困難になっている。
すぺぇどのご
マンションの通路でげぇむ参加者対おにの鬼ごっこを行う。おにの守る部屋にあるじんちにたっちできれば、残った参加者は全員げぇむくりあ。
げぇむである以上ただの鬼ごっこではなく、おには多数のげぇむ参加者に勝てるそれ相応の準備をして待ち受けている。
だいやのよん
扉で仕切られた2つの部屋の片方は電球、もう片方は3つのすいっちがあり、電球はどのすいっちで電球がつくのかを答え、正解ならげぇむくりあ。回答権は1回。ただし電球がある部屋に人がいる状態ですいっちの操作はできず、扉を開けた状態でのすいっちの操作は1度しかできない。
有名な論理クイズなので、知っているなら回答は難しくない。
はぁとのに
1人で5両編成の電車の最後尾に乗り、げぇむスタート。ガスマスクと5分間分の酸素が入っている3つのボンベが渡され、先頭車両で5分経過すればげぇむくりあ。
車両は入ると5分間閉じ込められ、さらにそのうち1つは毒ガスで満たされ、入ると5分後に完全に毒ガスが抜ける車両になっている。外見からでは毒ガスの入った車両かどうかはわからずボンベは3つしかないため、次の車両はボンベを使うべきかどうかを考えながら進むこととなる。
このげぇむには制限時間はない。なのでびざが続く限り参加し続けられるが、なぜそのような仕様になっているのかを知ると場合によっては絶望することとなる。
むうびぃ
こみっく
ぐっず
しぃおぉるそぅ
りんく
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