そして東北地方唯一の政令指定都市である。人口は約110万人弱。都市圏人口は150万以上の大都市である。
仙台市旗
伊達家家紋の一つで、伊達家始祖伊達朝宗が源頼朝より賜った竪三引両紋を元に仙の字にアレンジされている。
概要
仙台の地名の由来は、現在の太白区向山にある大満寺の虚空蔵堂に安置されている千体仏(せんたいぶつ)がせんだいの名の原点で、伊達家以前にこの地を治めていた国分氏が千体→千代と名付け、その後伊達政宗が岩出山からこの地に本拠を移した際に、中国・唐の時代の詩人韓コウ(広羽)の漢詩「同題仙遊観」の中の「仙臺初見五城楼」から採ったとされている。
同題仙遊観 同じく仙遊観に題す
仙臺初見五城楼 仙台 初めて見る 五城楼(ごじょうろう)
風物凄凄宿雨収 風物 凄凄(せいせい)として 宿雨(しゅくう) 収まる
山色遥連秦樹晩 山色(さんしょく) 遥かに連なる 秦樹(しんじゅ)の晩(くれ)
砧声近報漢宮秋 砧声(ちんせい) 近く報ず 漢宮(かんきゅう)の秋
疎松影落空壇浄 疎松(そしょう) 影落ちて空壇(くうだん)浄(きよ)く
細草春香小洞幽 細草(さいそう) 春香ぐわしくして 小洞(しょうどう)幽(かす)かなり
何用別尋方外去 何ぞ用いん 別に方外(ほうがい)を尋ねて去るを
人間亦自有丹丘 人間(じんかん) 亦(ま)た自(おのずか)ら 丹丘(たんきゅう)有り
ちなみに仙臺(仙台)とは仙人の住む台地の事を指し、五城楼の五城も昔は仙台を指す言葉として用いられたらしく、今も仙台東照宮隣の五城中学校などにその名が用いられている(余録:都市の名前を古代中国の地名・文献などを元に採用したのは、織田信長が稲葉山から改名した岐阜と伊達政宗改名の仙台の2都市だけである)。
江戸時代の仙台はまだ東北地方の中心都市といえる規模ではなかったが、明治時代になって仙台城二の丸に陸軍第二師団司令部と歩兵第三旅団司令部、今は春に花見客で賑わう榴岡公園の場所に歩兵第四連隊司令部が置かれたり(戦災を免れた兵舎が現在は仙台市歴史民俗資料館となっている)、旧制二高や東北帝国大学の設置などにより東北地方の中心都市として成長してゆく事となる。
1889(明治22)年市制施行。その後長町(現太白区)、原ノ町(現宮城野区)、南小泉(現若林区)などを編入合併し、その後も合併を繰り返し、1987(昭和62)年に宮城郡宮城町(現青葉区宮城地区)や1988(昭和63)年泉市(現:泉区)、名取郡秋保町(現太白区秋保町地区)と合併し、翌1989(平成元)年に東北地方で初めての政令指定都市となる。
詳細
- 面積:約786k㎡
- 人口:1,095,730人(推計人口、2022年3月1日)
- 人口順位:12位
- 現市長:郡和子(2017年8月22日~)(前任者の奥山恵美子に続いて女性。女性政令市市長は、奥山恵美子が全国で初であった)
東北唯一の大都市であり、都心部には数十本の高層ビルが林立し、国内最大級のペデストリアンデッキを持った広大な仙台駅、南北と東西に伸びた2本の地下鉄、副都心の長町、泉中央地区、そしてそれらを結ぶ都市高速もあるなど、十分大都会の風格を示している。また、広い通りには無数の街路樹が植えられており、これが後述する「杜の都 仙台」と呼ばれる所以である。その一方で、郊外化を防ぐために、コンパクトシティ構想に基づいた都市計画を行っているため、都心部は広島市ほど広くはない。それでも並みの中核市よりは遥かに広大で、中心業務地区(CBD)の面積は札幌市に比肩する。
平成中期に一度大きな地震があり、その影響もあって人口100万人を突破してからは伸び悩んだ時期もあったが、高速道路網の整備やそれに伴う高速バス路線の設置などで、東北一円から買い物客らが仙台に集まる現象が起きた。特に東日本大震災後は、東北が一丸となった結果、更に仙台への一極集中が始まっており、都市圏人口は160万近くに及ぶなど急激に人口増加が起きている。
旧帝大の東北大学を擁する学都としても名高い。また、ジャズ、ロックなど音楽イベントを多く実施しており、「楽都」の一面も持つ。
スポーツも盛んだったが、プロ野球チームを持っていなかった(ジプシーロッテ?…何のことでしょう)ため、楽天の新規参入に伴い、ほぼ満場一致で仙台への誘致が決定し、市民球団として根付いている。
行政区と区名の由来
- 青葉区-青葉城及び城のある場所の青葉山から
- 宮城野区-万葉集の歌枕にも詠われた、宮城野の名から
- 若林区-若林城という政宗公晩年の隠居城の名前から
- 太白区-太白区区域のちょうど中間辺りにある太白山という山の名から
- 泉区-合併前の旧泉市からそのまま
単独市だった泉区を除いた4つの区名は政令都市発足前に区名公募が行われ、その際、決定時の区名には東西南北や中央といった方位は用いないとしていた事により現在の区名となった。
仙台市に本拠地があるプロスポーツチーム
- Jリーグ・ベガルタ仙台-ユアテックスタジアム仙台(泉区)
- プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルス-楽天モバイルパーク宮城(宮城野区)
- Bリーグ・仙台89ERS-仙台市体育館(太白区)
杜の都「仙台」
仙台といえば、「伊達65万石の城下町」と並んで盛んに用いられる文句が、「杜の都」仙台である。これはそのまんま森の都という意味であり、江戸時代から市街地に植林が勧められ、明治には既に「森に囲まれた街」という評価がなされていた。明治時代の当初は「森の都」という名前で観光PRに用いられた文言であったとされ、大正時代に「杜の都」という名称も用いられた。
戦後、米軍の空襲によって焼け野原になった後、紆余曲折あってようやく市街地は復興に向かっていく。とりわけ、仙台市では1948年に「杜の都条例」として、市街地開発に緑地の保全と育成を盛り込んだことにより、現在見られるような街路樹に囲まれた都市に発展した。
なお、昭和末期には市の西側に位置する奥羽山脈西麓の秋保や作並といった町を吸収している。ここは昭和より仙台市民の奥座敷として親しまれてきた温泉地であり、国定公園にも含まれる風光明媚な渓流地帯となっている。
食文化
仙台には色々と特徴的な食文化がある。代表的な名物としては以下のものがある。
- 牛タン
戦後、GHQ統治下の日本において遊郭の一角で営業していた焼き鳥店「太助」に遡る。高度経済成長期に伴い、出張組が仙台の繁華街で牛たん料理に舌鼓を打って、半ばステロタイプ的な宣伝によって、後に地元にも名物としてPRするようになった(いわば、札幌ラーメン、大阪のお好み焼きや博多明太子と同じ理由)。なお、肉はアメリカ産が主流であったが、BSE騒動などがあって、仙台牛を使う高級店や豪州産を使う店も増えたとか。 - 冷やし中華
どんな料理かは説明不要だろうが、仙台では年中供されているのが特徴。発祥の一つとされるが、神田神保町説もあり真偽は不明。昭和前期、戦前に生まれたとされ、仙台七夕の観光客を見込み、夏場に売れ行きの落ちるラーメン類を売るために龍亭によって編み出されたらしい。 - 笹かま
明治時代にヒラメが大漁だったため、すり身にして保存したのが始まりとされている。後に一番町の蒲鉾店が伊達家の家紋に因み「笹かまぼこ」と命名してから他に広まっていった。なお、笹かま自体は仙台市名物とはいうが、実際作っているのは水産業が盛んな気仙沼や塩竈、石巻である。 - ずんだ
仙台名物の一つで、枝豆をすりつぶして作った甘味類。ずんだ餅のほか、団子や、他の和菓子のあんこにしたりする。独特の風味があるため、好き嫌いが分かれる。 - づけ丼
仙台4大グルメと銘打って近年売り込み中の丼。白身魚をメインとしているが、とどのつまり海鮮丼である。 - 辛味噌ラーメン
辛口の仙台味噌を使った味噌ラーメンで「味よし」の人気を受け、即席麺メーカーがカップ麺に採用したりしたことで名が広まった。味噌味に定評のあるヤマダイの凄麺シリーズでもお馴染み。 - 菓子
「萩の月」が有名だが、ほかにも「支倉焼き」「白松がモナカ」など数多くの和洋菓子がある。
関連動画
関連商品
関連項目
- 宮城県
- 日本の市町村の一覧
- 政令指定都市
- 伊達政宗
- 奥山恵美子
- 仙台市地下鉄
- 日和山(仙台市)
- 宮城球場
- 仙台うみの杜水族館
- 仙台市八木山動物公園
- 宮城教育大学
- 東北大学
- 東北学院大学
- 東北福祉大学
- 仙台城
- 宮城縣護國神社
- イービーンズ
- 仙台プレイランドエフワンR
- 荒木飛呂彦 『ジョジョの奇妙な冒険』の杜王町のモデル
- ハイキュー!!
- Wake Up, Girls!
- ニコニコ大会議2009-2010
- Apple Store
- ヨドバシカメラ
関連サイト
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