仮面ライダーG3とは、特撮ドラマ『仮面ライダーアギト』等に登場する仮面ライダーである。
ここでは同系統である仮面ライダーG3-X並びにG3マイルドについても記述する。
ちなみにこれら三種を総称して「G3システム」という。
概要
仮面ライダーG3『GENERATION-3』
スペック | |
身長 | 192cm |
体重 | 150kg |
パンチ力 | 約1t |
キック力 | 約3t |
ジャンプ力 | ひと跳び10m |
走力 | 100mを約10秒 |
防御力 | 硬度8 |
かつて現れた人間の敵「未確認生命体」に対抗するため、警視庁に所属する小沢澄子が設計・開発した特殊強化装甲服。人間の味方として戦った未確認生命体第4号をモデルに、G1・G2の試作機を経て製作された。
G3システムのプロトタイプであり、「第3世代型強化外骨格および強化外筋システム」というやたらと長い名称を持つ。装着員は限定されており、他者が装着するには調整が必要である。
スーツの重量は100Kg以上あり、その動作を補助するため動力源として背中にバッテリーパックを装備している。そのため活動時間には上限があり、ベルトバックルの目盛りが少なくなるとまともに動けなくなる。アンノウンの攻撃でベルトを破壊された場合も活動時間が短縮されてしまう。
アギトやギルスのような超人的な能力は持たないために目立った活躍は少なく、歴代最弱のライダーと呼ばれた。とはいえアンノウンに襲われる一般人を身を呈して守ったり、アギトが到着するまでの時間稼ぎを行う等、決してやられ役ではない。時にはアギトと協力してアンノウンにトドメを刺した事もあった。
シリーズ初の完全装着型のライダーで、外部から変身者の人体へ影響(改造・超能力など)を及ぼしていない。また、上記の設定ゆえに以降のシリーズと違い瞬時に変身するわけではなく専用のトレーラー内で各パーツを装着するというスタイルである。
各部パーツ
- バリアントプロテクター
胸部に設置された、特殊ジュラルミン合金を幾重にも重ねた超合金製の盾。装着員の胸部を防護する。
- コンバーターラング
パワージェネレーターが内蔵されており、常人の10倍以上の力を発揮する。
- ゼロミッション・フューエルバッテリー
G3を動かす電気エネルギーを蓄積する無公害の燃料電池。
- アームズアタッチメントポイント
右手部分。G3と各種武器を接続する電極となっており、G3本体から電力を供給して武器を動かす。
- Gバックル
ベルト部分。エネルギー残量を示すランプが表示されており、1分を切ると激しく点滅し始める。両側にはエネルギー量の調節が出来るエナジーボリュームがあり、一時的に出力を上げる事が出来る。この部分を損傷するとエネルギーが一気に減少してしまう、いわばG3の急所。
- PLSS
パワーレッグサスペンションシステムの略。電子制御により、大腿部からつま先にかけて脚力を大幅に増強する。でもライダーキックは出来ない。
- G-COM
左腕部に装備された電子端末。警視庁のライブラリーにアクセスし、情報検索を行う。また電子警察手帳としても使える。
- MDSS
G3の赤い両目で、マルチダイレクトスコープシステムの略。広視覚、望遠、暗視、電子顕微鏡といった多機能を備えており、5km先の物体まで視認可能。
- オプティクスサーチャー
額部分に埋め込まれた光学式マーキング装置。右耳部分にスイッチがあり、対象物に向けて照射するとマーキングされ、GPS機能によって位置の特定を可能にする。
- インフォロッド
角部分。Gトレーラーからの指令や警察無線の傍受に使用される。
- HDVC
映像記録をGトレーラーに転送する装置。戦闘中の映像がそのまま送られてくるため、的確な指令を出す一助となる。序盤ではアンノウンの姿が映らない不具合があったが、いつの間にか改善されている。
劇中の活躍
G3システム開発者兼警視庁未確認生命体対策班班長の小沢澄子をリーダーとし、氷川誠、尾室隆弘の計3名で構成される「G3ユニット」の中核を成す存在として運用される。第1話の時点で既に最終テストの段階となっており、すぐにでも実戦投入が可能だった。
しかし、未確認生命体の対策として製作された本システムは、未確認生命体以上の能力を持った存在である「アンノウン」 には力不足で、特に初実戦の相手であるジャガーロード達には手も足も出なかった。未確認生命体には効果抜群の神経断裂弾が通用せず、初陣はアギトに助けられる形で終わった。そのため即座に改良が施され、のちにトータスロード テストゥード・テレストリスを撃破するなどの活躍を見せるが、結局のところそれでもアンノウンを相手にするには力不足であり苦戦を続けていった。
その後、仮面ライダーギルスとの交戦で破壊されてしまい、後継機のG3-Xへとその出番を譲る。
のちに終盤に修理され、対アギト用に再編成された「G3ユニット」でG3-Xと共に運用される。
仮面ライダーG3-X『GENERATION-3 eXtension』
スペック | |
身長 | 192cm |
体重 | 176kg |
パンチ力 | 約2.5t |
キック力 | 約7.5t |
ジャンプ力 | ひと跳び20m |
走力 | 100mを約8秒 |
防御力 | 硬度10 |
第23話「資格ある者」より登場。
G3を強化・改良して開発された新型スーツ。基本スペックの強化に加え装着員に理想的な動作を促すAIが搭載されており、戦闘能力が飛躍的に上がった……はずだったのだが、装着員がAIと同調できない場合はAIが主導権を奪い、最悪の場合は暴走させるといった欠点があった。暴走した際はアギトのグランドフォームと互角に戦う戦闘力を発揮した。その後この問題は城北大学教授・高村光介の開発した制御チップの導入により解消された(つまりこれ以降のG3-Xは想定の力を100%発揮できていないことになる)。G3にはなかった「オートフィット機能」が追加されたことにより装着者が幅広くなっており、氷川や北條の他にも、AIと同調できる翔一が装着したことがある。
左上腕部にGK-06、右大腿部にGM-01、左大腿部にガードアクセラーを携行するためのハードポイントが付いている。さらに背部のバッテリーパックの下にはGX-05用の予備弾倉を2つ装備し、いかなる事態にも対応出来るように工夫されている。
戦闘能力はG3から飛躍的に向上し、GXランチャーの破壊力はアギトのライダーキックに匹敵する30tにも及ぶ。そのおかげで低級のロードなら自力で倒せるようになった。しかし登場したのが黒幕が姿を現し始めた物語後半であったためやはり苦戦が多く、アギトやエクシードギルスのサポートに回ることがほとんど。
と思いきや、最終回では最強クラスのエルロード二体相手に数分間粘り、GK-06とガードアクセラーの二刀流で攻撃を受け止める等といった驚異的な力を発揮したり、劇場版では暴走したG4を倒す活躍を「氷川誠」として(ここ重要)見せ付ける。
劇中の活躍
北條透が提案した「V-1システム」と対立した本機は、合同演習の最中V-1をAIが敵と認識、これを破壊してしまう。
この件で自らの力不足を痛感した氷川は、自分の代わりに津上翔一を装着者にする。彼の手でスティングレイロード ポタモトリゴン・ククルスを撃破する。
その後小沢が師である高村教授から「完璧すぎるがゆえ人が扱うものではない」という指摘を受けると共にAIの性能を落とす制御チップを与えられ、それを装着したことで暴走がなくなり、スティングレイロード ポタモトリゴン・カッシスを撃破した氷川が正装着者になる(高村教授いわく「人間のもの」となった)。 その後は破壊されたG3に代わり、「G3ユニット」の中核を成す。また、仮面ライダーアギトと共同戦線を張るなどで多くのアンノウンを倒していく。
終盤、アギトを人類の敵と見なした上層部が「G3ユニット」を再編成。北條が装着し、尾室のG3と共にアギトを妨害する。しかしすぐに小沢が権限を取り戻し、装着者が氷川に戻ると、アギト・ギルスと共に最終決戦へと向かう。
最終決戦では、仮面ライダーエクシードギルスとのコンビネーションで風のエルを撃破している。
劇場版では陸上自衛隊に使用された仮面ライダーG4と交戦。死をも恐れぬ水城史朗とG3-Xよりも高性能なG4の前に苦戦するも、最終的に辛くも勝利した。
G3マイルド『G3-MILD』
スペック | |
身長 | 185cm |
体重 | 125kg |
パンチ力 | 約1t |
キック力 | 約2t |
ジャンプ力 | ひと跳び5m |
走力 | 100mを約13.5秒 |
G3システムの量産型として開発されたスーツのテストタイプ。「第三世代型対未確認生命体戦闘用強化外筋及び外骨格 簡易生産化試験版」という、オリジナル以上になっがい名称を持つ。
外見は仮面ライダーG3に酷似しているが、胸部がG3-Xに近い形状になっている他、G3のカラーリングに比べると、頭部などに白が多く配置されている。
誰にでも扱えるスーツを目的に製作されており、劇中で登場した募集要項には「経験・所属・資格は一切問いません」とあることから本当に誰でもよかったようだ。なお、正装着者は「G3ユニット」のメンバー・尾室隆弘となった。
そういった経緯からか、その身体能力は「アギト」劇中どころか歴代ライダーでも最低クラスである。特にジャンプ力に関しては全ライダー中最下位。
武器は劇中一切使用していないため不明であるが、G3と同型のガードチェイサーに乗っていたため、GM-01~GA-04までの武器は使用できると考えられる。
装備のスペックとして特筆すべき点は、オートフィット機能で前述の通り多少の体格差があっても誰でも装着できる上、バッテリー規格などは他のG3システムと同様であるということ。
生産性は不明だが汎用性の面では量産品としての課題はクリアしてると言える。
なお、下記の通り結果がまったく残せなかったため(もしくはG4事件の関係の可能性もあり?)、本機の量産は見送られた。
劇中での活躍?
ビートルロード スカラベウス・フォルティス出現に際し、氷川が装着した仮面ライダーG3-Xと共に出撃。
G3-Xに先行し戦場に駆けつけ、その場にいた人間を救出するためにスカラベウス・フォルティスへ果敢に素手で立ち向かったが、まったく敵わずパンチ一発でノされてしまった。
その後、エネルギー切れを起こしたG3-Xに自身のバッテリーを交換するという活躍を見せた。
……それだけ。
装備品
G3およびG3-Xの装備品は全て「Gトレーラー」でオペレーターがロックを解除しないと使用できない仕組みになっているが、これは相手に奪われた時のための対策であり、もし奪われた時には再ロックすることで敵に武器を使用させないようにする(しかしアナザーアギトにGM-01を奪われた時は逆にシステムを乗っ取られ、これらの対処が不可能だった)。
翔一がG3-Xとして戦った際は氷川がオペレーターとなった。
各兵器はコードネームで呼ばれ、一見すると軽々と扱っているように見えるが、氷川がGM-01を生身で発砲した際は、その反動で重傷を負っている。
ちなみにG3マイルドの武装は不明。
コードネーム | 名称 | 概要 |
GM-01 | スコーピオン | サブマシンガン。主に牽制に用いられる。 |
GG-02 | サラマンダー | G3の最大火力を誇るグレネードランチャー。GM-01にグレネードユニットを装備したもの。 |
GS-03 | デストロイヤー | 超高周波振動ソード。右腕に装備して使用し、刀身を高速で振動させて切断する。 |
GA-04 | アンタレス | 右腕に装備するアンカー。ワイヤーにより敵の動きを封じることができる。 G3の頃から装備されていたが、初使用はG3-Xとなってからである。 |
GX-05 | ケルベロス | G3-X専用のガトリンング銃。 普段はアタッシュモードとして携帯し、暗証番号の入力によりガトリングモードとなる。 |
- | GXランチャー | GX-05とGM-01を合体させたミサイルランチャー。 必殺技は装填したGX弾を放つ「ケルベロスファイヤー」。 |
GK-06 | ユニコーン | G3-X専用の電磁コンバットナイフ。軽量で扱い易いが、威力は低い。 それでもシャイニングカリバーを破壊する攻撃に耐える頑丈さを見せたこともある。 |
専用マシン
ガードチェイサー
ホンダ・X4をベースにしたG3系ライダー専用の白バイで、G3やG3-Xの装備が搭載されている。
ハンドル右側に起動キー「ガードアクセラー」をセットして起動する。ガードアクセラーは特殊警棒としても機能する。
普段は「Gトレーラー」に搭載されており、事件が発生するとG3系ライダーを乗せて現場へ急行する。
Gトレーラー
G3系ライダーのスーツとガードチェイサーを輸送する大型サポートカー。
ベース車両はドイツ・メルセデス・ベンツの当時最新鋭の大型トラック「アクトロス」。警視庁の桜の代紋よりメルセデス・ベンツのエンブレム「スリーポインテッド・スター」が大きく目立つ。
G3システムの装着者はこのベンツの車内でスーツの装着を行い、戦闘時はここからオペレーターが指示を出す。
番組スタッフにトラックマニアがいた事と、担当した販売会社の社員が仮面ライダーファンだった事で、車種選定も容易に進んだという。
装着者
これらG3システムには正装着者として氷川誠が存在するものの、彼以外にも様々な人物が装着し運用している。
- 氷川誠
当該ページ参照。 - 北條透
エリート風ぴゅーぴゅーの刑事。氷川に代わってG3を装着して出撃するも、敵わずに敵前逃亡をかますお人。
終盤にはG3-Xを装着して津上の妨害を謀ったりしちゃう。でも根は善人。 - 津上翔一
主人公にしてアギト。G3-Xを装着し戦ったことがある。 - 尾室隆弘
「G3ユニット」の一員。平凡な人。あんまり目立たないために周囲からぞんざいに扱われることもある可哀想な奴である。G3システムの装着者にあこがれており、終盤その願い叶ってG3となる。ちなみに北條の後輩。
TVSPでG3マイルドのテスト装着者に選ばれるが、その理由は「彼が扱えるなら誰にでもできる」と言うものだった。哀れ。
開発者、指揮者
- 小沢澄子
G3システムの設計者兼G3ユニットの班長。思ったことをズバズバ言う性格なため、北條や警察幹部を敵に回すことが多く、逆に氷川や尾室からは慕われている。
翔一を「器の大きな人間」と買っており、彼がアギトであることを知ってもすぐに納得した。
完璧すぎるがゆえに装着者を無視したG3‐XやG4を開発はするものの、G3‐XはAIレベルを下げ、G4に至ってはシステム自体を封印する。が… - 深見理沙
陸上自衛隊一等陸尉。尾室を利用して封印されていたG4システムを盗み出し、仮面ライダーG4を作り上げる。超能力者を次々と拉致し、真魚を利用してG4のAIレベルを上げようとするが、エラーによって大量のアントロードを基地へ呼び出すことになる。G4システムの停止後、侵入してきたアントロードの集団に捕食された。
『仮面ライダーディケイド』でのG3システム
「アギトの世界」などで登場。ここでは「アギトの世界」でのG3システムを記述する。
- 仮面ライダーG3
G3システムのテストとして芦河ショウイチが装着し運用テストを行っていた。実戦に投入されたかは不明。 - 仮面ライダーG3-X
芦河が行方不明になった後、別の装着者が運用するも、原作同様に暴走を引き起こし、やめる人が続出。
小野寺ユウスケが装着者に志願し合格、バッファローロード タウルス・バリスタらとの戦闘で活躍した。
『仮面ライダージオウ』でのG3システム
31,32話に登場。上記のG3マイルドのように量産化されている。
見た目こそ旧式のG3ではあるがOSは一新されており、視認性も従来より向上し専用インナー無しでも装着できるようになったことからG3-XやG3マイルドの技術もフィードバックされている模様。
ただし最新型を導入したい上層部と全国配備が先と考えてる現G3ユニット司令官の尾室の意向がすれ違っている模様。
しかし演習の際に突如乱入したアナザーアギトの襲撃に遭い、一部のG3装着者や警察官もアナザーアギトにされてしまう。
なお、何気にデストロイヤーを命中させている(効いているかはまた別の話)。
関連項目
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- 0pt