「仰げば尊し」とは、日本の翻訳唱歌であり、卒業式の定番ソングである。
原曲は米国の曲である「Song for the Close of School」とされる。
概要
日本では、1884年(明治17年)発行の『小学唱歌集』第3集で発表されている。以後卒業ソングの代名詞とされるようになり、現在でも歌われている。2007年には日本の歌百選に選ばれた。
台湾にも日本統治時代に伝わり、のちに「青青校樹」と中国語のタイトルや歌詞が付けられた上で、やはり卒業ソングの定番とされてきた。ただし徐々に歌われなくなっても来ているという。中国語歌詞に「民主共和 自由平等 任憑農工兵商」などと政治的キーワードを含んでいることなども関係しているかもしれない。
原曲「Song for the Close of School」
この『小学唱歌集』に掲載された楽曲は、なぜか「仰げば尊し」も含めて作詞・作曲のクレジットが記載されていなかった。そのため本曲は長らく作詞者・作曲者ともに不詳とされていた。
しかし2011年になってようやく原曲「Song for the Close of School」が特定された。発見したのは一橋大学名誉教授の櫻井雅人であり、以前から唱歌集収録曲の原曲特定を進めていた人物である。
本曲の特定に際しては、原曲「Song for the Close of School」が掲載された1871年の歌集「The Song Echo」がデータ化されてGoogle Booksに収録されていたことがきっかけとなったという(本記事「関連リンク」参照)。この「Song for the Close of School」は米国でも既にほぼ忘れ去られた曲となっていた。
その後、安田寛、ヘルマン・ゴチェフスキ、そして櫻井雅人の共同研究によって『小学唱歌集』の全曲の原曲が特定された。この研究結果は「仰げば尊し 幻の原曲発見と『小学唱歌集』全軌跡」という書籍としてまとめられ2015年に発表されている。
静画での使われ方
ニコニコ静画では曲としてではなく、全く別の意味で主にローアングルな作品にタグ付けされている。
関連動画
原曲「Song for the Close of School」の動画
関連項目
関連リンク
- 「仰げば尊し」原曲は米国の歌 19世紀、同じ旋律 :日本経済新聞 (2011年1月25日ニュース記事)
- 『仰げば尊し 幻の原曲発見と『小学唱歌集』全軌跡』(東京堂出版) - 著者:安田 寛,ヘルマン・ゴチェフスキ,櫻井 雅人 - 栗原 裕一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
- 原曲「Song for the Close of School」の楽譜を収録した歌集「The Song Echo」のGoogle ブックス
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