概要
誰もが一度は耳にした事があるであろう、伊勢神宮のある市。三重県どころか日本全体で見ても屈指の観光都市であり、天皇家や歴代総理大臣も伊勢神宮参詣のために訪れるなど抜群の知名度を誇る。ゆえに「日本人の心のふるさと」「神都」と呼ばれる事も。
志摩半島の北東部に位置し、北は伊勢湾に面する。市内には宮川、五十鈴川、勢田川が流れており、市内を寸断している。市の北西部は伊勢平野の南端にあるため比較的開発が進んでおり、閑静な住宅街が広がっている。伊勢市駅や市役所があるのも北西部である。一方、東から南にかけては朝熊ヶ岳、神路山、鷲嶺がまたがる自然豊かな山地のため、開発は殆ど進んでいない。申し訳程度に南伊勢町や鳥羽市方面に伸びる国道や伊勢磯部線、伊勢南勢線などがある程度である。
現在の市名になったのは、1955年1月1日のことである。それ以前は、近鉄山田線の駅名と同じ宇治山田市であった。もともと宇治が内宮の、山田が外宮の門前町であり、合併によって宇治山田町、そして宇治山田市となった。2005年11月1日に、新設合併により現在の伊勢市となった(平成の大合併)。
面積208.35km、総人口約12万人。人権尊重都市、非核平和都市、男女共同参画都市宣言、交通安全都市など様々な宣言を行っている。名産品は伊勢うどん、伊勢和紙、伊勢たくあん等。
1990年代までは伊勢市駅前にジャスコや三交百貨店などの大型商業施設があり繁盛していたが、郊外に大型店が進出した事で業績が悪化し、全て撤退。市中心地なのに商業施設の空洞化を招き、現在の駅前は寂れた田舎町の様相を呈している。一応伊勢市も再開発しようとしているが、未だ成就していない。
伊勢市駅の近くには伊勢神宮の外宮があるため、やや寂れてはいるものの一定の観光客はいる。ただ内宮側にはおはらい街、おかげ横丁があるため集客面ではこちらがの方が圧倒している。駅前には三重交通のバスターミナルがあり、観光地らしく各所に繋がっている。
伊勢市駅にはJR東海と近鉄が同居しており、近鉄山田線と参宮線の線路がある。近鉄の特急停車駅となっているため京都・大阪・名古屋からのアクセスが容易。
ライトノベル『半分の月がのぼる空』と漫画『逆境ナイン』は伊勢市を舞台としており、聖地と言える。
歴史
時は神話の時代。皇女の倭姫命に鎮座の地を探すよう託され、天照大神は都の大和を出発。各地を旅して回った。そんな中、14番目に訪れた伊勢の地で天照大神は寄せては返す波に感動。「神風の伊勢国は、常世の浪の重浪帰(しきなみよ)する国なり。傍国(かたくに)の可怜(うま)し国なり」と褒め称えて永住の地に定めた。倭姫命は五十鈴川の上流に伊勢神宮を作り、伊勢は天照大神鎮座の地になった。
伊勢神宮は非常に神聖であり、天皇家以外は供物を捧げる事すら許されなかった。だが参拝までは禁じられなかったので、勅使のお供としてやってきた人が都に帰った時に神宮の事を伝えた。次第に民衆の間にも神宮の存在が知れ渡り、お伊勢参りが始まった。記録によると、934年の神嘗祭には千万人の参詣者が訪れたという。
伊勢神宮の前には自然と鳥居前町が誕生し、これが伊勢市の原型となった。
関連項目
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