伊吹コウジとは、「カードファイト!! ヴァンガード」の登場人物である。
初出は漫画版、アニメでは映画「ネオンメサイア」とテレビアニメ「カードファイト!! ヴァンガードG」に出演。
担当声優は宮野真守。ヴァンガードGの初代OP「BREAK IT!」も担当している。
また、劇場版における幼少期は生天目仁美が担当。
漫画版では高校生(イメージボードでは高校2年生)。「ヴァンガードG」1期時点で年齢は20歳と本人の口から語られている。
飲酒フェイズに突入しても大丈夫。ただしおっさん呼ばわりされるとキレる。
名前の元ネタは、愛知県の季節風「伊吹おろし」。伊吹山の方面から吹く冬季の風である。
なお伊吹山は滋賀県に存在する山であり、地名に当てはめると珍しく愛知県外が由来となる名前である。
だが俺の目的は、劇場版という名の概要の否定だ。抹殺だ!
完全招待制大会「メサイア・スクランブル」開催前後から出没していた男。
開催前にあの雀ヶ森レンに強襲、自身のカード「根絶者(デリーター)」の持つ類を見ない能力「根絶(デリート)」により勝利。それにより、《シャドウパラディン》というクランを「デリート」し、世界中のシャドウパラディンを黒く根絶させた。
ニュースで取り上げられていた「カードの絵柄が突然黒く消滅する」事態の犯人である。
その後、矢作キョウを始めとした参加者達を同様に屠り、「メサイア・スクランブル」に乱入することになる。
かつて櫂トシキ、三和タイシの両名をヴァンガードというカードゲームに引き込んだ張本人である。あらゆる意味でTHE族の始祖。
小学生の頃は、気弱ながら優しく純粋で、ヴァンガードファイトが誰より好きな少年だった。
その熱意により、ヴァンガードファイトの面白さが櫂に伝わり、その櫂が先導アイチをヴァンガードファイトの世界に導いた。事実上、少年時代の彼がいなければ先導アイチはイジメから立ち直ることができなかったといえる。
が、その櫂が両親の死去により転校。三和とも距離が遠のくことになってしまう。
その後、新たに友達を作ろうとするのだが失敗、子供の純粋な悪意に晒され、教師にまで見捨てられ、孤独と悲しみに囚われてしまう。
―――その心の闇に付け込んだのが、《威圧する根絶者(ドーンティング・デリーター) ヲクシズ》。
本拠地・遊星ブラントから、惑星クレイを通じてクレイと繋がりの深い地球に干渉。伊吹を通じて地球・惑星クレイの双方を排除しようと目論む。
かの邪悪に心を揺さぶられてしまったかつての純粋な少年は、孤独と悲しみに突き動かされ、ヴァンガードというカードゲームの消滅に走ることになる。
だが、全てを救おうとする先導アイチが起こした奇跡が彼に救いをもたらす―――。
彼が劇場版でつけていた金色の腕輪は、ヲクシズと何らかのつながりがあったようで、アイチ&櫂との変則マッチに敗れた際に四散している。
幼少期の彼が先導アイチに似ていることを考えると、先導アイチが「カードゲームを通じて得た喜び」の象徴ならば、
彼は「カードゲームを通じて何かを得られなかったことによる子供の純粋な悲しみと絶望」の象徴といえるだろう。
ちなみに、企画段階では「多度ツネト」と「長良ケイ」という仲間がいたが、ストーリーの都合上没になった。
この二人のデザインは「ヴァンガードG」にて再利用されることになる。
オレの戦いはこの「漫画版」と共にあったとしても 全てオレの運命(モノ)だ!
幼少期に櫂と三和を導いたことは変わっていない。むしろ、漫画版のエピソードが元ネタとなっている。
雀ヶ森レンと同じ福原高校に通っており、アイチと接触したことがある。
そのアイチが「PSYクオリアゾンビ」という謎の現象の犠牲となった際、連絡を受けて急行しようとする櫂トシキと対面。三和タイシの見守る中、遂に漫画でも二人のファイトが実現することになる。
そして、立凪邸にて先導アイチとのファイトを経て、彼の本質にたどりつくことになるが・・・。
また、漫画版で「デリート」により敗北したファイターは、ヴァンガードへの想い、クレイとの繋がりを失う。例として、伊吹に敗北した新城テツは、福原高校のコーチという立場にありながら、その後遺症に苦心していた。彼は冷静に自己分析できていただけまだ影響が少ない方だが。
ちなみに、彼も漫画版だと「テメー」「くそ迷惑」などと口が悪い。好戦的でギラついた一面も漫画版特有である。
口癖は「消えて終わりだ」。
ちなみに、初期設定ではカロリーメイトなどの携帯食品が好物と記されており、作中でも食しているシーンがある。
キザで女好きという設定も記載されていたが、こちらは消滅したと見ていいだろう。
混沌を統べし者よ、真白き光で紡げ概要! ストライド・ジェネレーションッ!!
メサイア・スクランブルの一件の後、再びヴァンガードを始めることを赦された彼は、罪の重さに耐えかねて始めた一時期の放浪の旅の末日本に戻り、現在はヴァンガード普及協会の本部に所属している。放浪の旅とはやはり櫂の先導者・・・。
G1期では言及されていないが、リンクジョーカーのクランリーダーである。
劇場版では敵意を刺激されていたからか、ただ刺々しく、憎悪の塊だった彼だが、それを乗り越えられたヴァンガードGでは、不器用で物静かながら根は善良な一面を持つ。
「ギアースクライシス編」の描写を見るに、その時点の櫂より無愛想さはだいぶマシ。ただしキレると大人気ない。
同じ普及協会所属の安城マモルとは特に親交が深く、先述の三和タイシや帰国した櫂トシキとも酒を交わしている。
作中開始時点では本部から「ユナイテッド・サンクチュアリ支部」に出向しており、普及協会所属の立場から新導クロノと関わることになる。東雲ショウマ曰く東京都豊島区周辺に在住(高岩寺周辺)。
伊吹は「クエスト発注者が用事で来られなくなったため代理人として会う」という名目で、彼の本来のデッキではない「煉獄」名称《かげろう》を手にクロノとヴァンガードファイト。彼の実力を見るため発奮を促した。
その後もヴァンガード普及協会所属という立場にありながら新導クロノを見守る立場にあり、ポイントを剥奪されたクロノの前に現れヴァンガードファイトをした一方、ユナイテッド・サンクチュアリ支部から預かっていたチーム・ディマイズのコーチとして現れるなど、真意の見えない様子だったが・・・彼の真の目的は後述。
ちなみに、クロノとの2戦目においても名乗ることがなく、「次は名前を言わせてやる」とクロノに意気込ませたため、視聴者から「名乗らなかった男」と呼ばれていた。
結局彼に名を名乗らせるのにG1期最終話までかかったが、それ以前に明日川タイヨウが彼の名前を既に言っていたため・・・。
「伊吹コウジだ」「知ってた」
ちなみに、ニコニコ生放送で明かされた設定によると、劇場版の頃から既に武道の達人である。そのためか、「超越(ストライド)」バンクがやたらめったら動き回る。流石に料亭ではやらなかった。
劇場版でその武術の腕を披露した伊吹だが、Gでも1期終盤でユナサンの研究員たちを全員昏倒させている。遊戯王でもないのにガチで(無言の腹パン)をやらかし話題になった。次の回でも東雲ショウマ相手にやらかしたので2話連続である。
そして回を追うごとに多数のリアルファイト描写の中心として認知される。ボロボロの建物だったとはいえコンクリートを拳で凹ませる程の力がある。
彼の目的、そして新たな計画
彼が何故ユナイテッド・サンクチュアリ支部に与していたのか。
それはひとえに、支部が秘密裏に研究していた「ディペンドカード」を支部から奪う為。
強いイメージ力「ストライドフォース」により覚醒できるとされる白紙のカード。
支部の人員の注目を、自らの権限でスペシャルマッチに集めた伊吹は、スペシャルマッチ2戦目の最中、研究施設に(無言の腹パン)急襲をかけ、ディペンドカードを奪う。
その後ディペンドカードは、詳細を伏せたまま葛木カムイを通して新導クロノに託される。目的の為とはいえ巻き込む形となってしまった明日川タイヨウの行く末とともに・・・。
その後、ユナサン支部の事後処理をしつつ、最終目標であるヴァンガード普及協会名誉会長「明神リューズ」を追うべく、新たな策「Plan.G」を練ることになる。
彼の行動の根底には、放浪中に出会ったギアクロニクルを所持する男・新導ライブ(CV:立木文彦)との対話がきっかけにあり、ヴァンガードへの贖罪として自らクロノを見守ることを名乗り出ていた。ギアクロニクルの特異性からクロノを監視していたと本人は言うが、先述の描写、そして何よりG1期終盤でクロノに《クロノジェット・ドラゴン》を始めとしたカードを秘密裏に送っていたことが判明したため、見守っていたというのが正しい表現である。自分でカード送りつけて監視って何だよという話になる。
今まで巧妙に、クロノにバレないように時にクエストでファイターを使い、時に自転車に封筒を貼り付け、時に蕎麦の出前と一緒にカードを贈り続けてきた・・・が、1期最終話で下校時、下駄箱前に中腰で封筒を持った伊吹の姿が。
「・・・バレたか」
「お前だったのかァァァ!!」
と、天然ボケの一面を見せ一気にキャラ崩壊した。さすがカードゲーム系日常アニメ。負けたらギャグ要員。
無論一連の行為はストーカー呼ばわりされても仕方のないものであり、G2期においてブチギレしたクロノにストーカー野郎認定される。伊吹は逆上したがド正論である。
これらの行動を述懐した際、伊吹は自身と似たようなところがあった彼の存在が最初は気に障っていたが、後に見守ることに楽しみを見出すまでに至っていた。
なお、この時クロノに渡したのはディペンドカード3枚であり、G2期ではギアクロニクルは一般流通が始まっているため現状最後の贈り物となっている。
G2期「ギアースクライシス編」以降も、わざわざ高いビルの屋上で「Plan.G」発令の指示を出していたり、カムイとハンバーガーショップで外食したり、公園の噴水前で新聞を読みながら旧友と待ち合わせたり、やたらとCパートに出演することが多く、そのため「Cパートの男」という新たな称号を手に入れている。
平常時はスターゲート支部で旧友の櫂と共にGクエストの門番として立ちはだかっており、突破率のあまりの低さに客離れを招いてしまっていた。
櫂、三和、マモルと少なくとも交友関係は続いている。にも関わらずクロノから「お前友達いないだろ!」と言われてしまった。
「Plan.G=ギアースクライシス」は成功したものの、続く拠点制圧には失敗。続くG3期「ストライドゲート編」においても、支部長会議に出席した際会場のドラゴンエンパイア支部に襲撃を受けてしまい負傷。
その襲撃における被害から、必要以上に物事を背負い込んでいたようだが、カムイの叱咤激励、クロノとの語り合いを経てある程度思い直した。カムイとのやり取りのせいで、カムイの見舞い品の煮干しが視聴者の間で回復アイテムとして扱われている。
ストライドゲートが開いた際、東雲ショウマの手により、裁定者による「最後の審判」のメンバー以外で唯一ストライドゲートの影響を受けていない人物となった。伊吹はいち早く明神リューズに直接対決を挑むが、東雲曰く「トリガーを引けない」。そもそも裁定者ですらない伊吹だが、彼は十二支刻獣拘束という状況を打破するためにクリストファー・ロウに依頼し、《クロノ・ドラン》覚醒の手段を確保していた。
結果として、全力を尽くしてなおリューズに届かず、最後の手段に対しての妨害行動で《クロノファング・タイガー》のファイト外の一撃を受け散るが、その希望はクロノに託された。
彼が「完全なる世界」で一瞬垣間見た世界は、クロノの成長していく姿。彼の成長を見守ることを肯定的に捉えられる今の伊吹にとって、それは何よりの喜びで、何より望んでいたことだっただろう。
だから犯罪履歴とか言わないであげてね。
右胴体から大量出血という危険な状況であったが、何とか無事に生存。ストライドゲートを巡る騒動終結から2ヶ月して、G3期最終話でヴァンガード普及協会本部長に就任した。
以降、若きファイター達の祭典「U20チャンピオンシップ」を運営するなど、本部長としてヴァンガードを支えている。
しかし、《ハーモニクス・メサイア》が警告という形で夢を見せたような体験に襲われ、それにより感じた一抹の不安により、U20の第二回開催にあたり秘密裏の調査を開始した。その第二回を巡るストーリーが「カードファイト!!ヴァンガードG NEXT」である。
そして、その不安は的中。
シリーズ最終章たる「カードファイト!!ヴァンガードG Z」では新たな脅威に直面。
裏で暗躍する「ギーゼの使徒」の存在が発覚し、使徒と対抗するために、伊吹は先導アイチという切り札までも呼び寄せつつ、未来を守るために戦うことを誓う。
その他
漫画「カードファイト!! ヴァンガードG ストライドジェネレーション」には未登場。そのためか、クロノにカードを贈っている人物が漫画オリジナルのキャラクター「綾戸リク」に変更されているが、彼も彼でちょっとだけ映っている。
スタンドアップ! THE! デッキ構成!!
劇場版と漫画版における使用デッキはリンクジョーカー所属の「根絶者」。映画ではメサイア・スクランブル終了後、根絶者と決別し、カードを投げ捨てている。まあ地球にもクレイにも危険だし仕方ないか
漫画初出の時は、日本語の単語にルビを振る形ではなく、全てカタカナで表示され「デリーター」。結果的にだが、現在漫画でリンクジョーカーを使用する唯一の人物である。
先述の通り、固有能力「デリート」を使用できる。根絶の対象はヴァンガードであり、ヴァンガードが裏向きにさせられ、パワーと効果を失う。一応アタックやトリガーチェックはでき、名称も消えないが・・・。
漫画版におけるデリートは、詳細こそ不明だが、少なくとも「ソウルを0にする」という凄まじい副次効果もあった。ダークイレギュラーズは相性最悪であり、その反則的な効果を以て新城テツを下す。
《絆の根絶者 グレイヲン》をはじめとした漫画版における使用カードは、2015年9月25日発売のコミックブースター「先導者と根絶者」にて収録された。この時は、相手ドロップゾーンのカードを裏向きでバインドゾーンに送ることで再利用を防ぐ「バニッシュデリート」という新たな能力が登場。
Gにおける使用デッキもリンクジョーカーに落ち着いたが、今回はクレイに根付く新たな命としてクレイに受け入れられ新生したリンクジョーカー達と、それを導く救世竜「メサイア」名称を軸としたデッキとなっている。そのため、伊吹が使用している「メサイア」軸のカード群を使用した「呪縛(ロック)」の演出は他のリンクジョーカーとは異なる。
超越して初めて呪縛が可能になる遅さが難点だが、自陣をも対象にした「呪縛」とそれを解除する「解呪」の組み合わせで力を得ることができ、切り札のGユニット《創世竜 アムネスティ・メサイア》ならびに《創世竜 エクセリクス・メサイア》はリンクジョーカーに属していながら非常に押しが強いユニットである。
ファーストヴァンガードは《ネオンメサイア》。かつてアイチから託されたカードが変化した姿の果てである。
ヴァンガードGにリンクジョーカーが出てくる際、戦々恐々としていた視聴者も、今回の扱いと出番には本気で安堵しただろう。
ちなみに、料亭での食事フェイズと並行してのファイトでもリンクジョーカーを使用していた。
その後の話で公式大会でもリンクジョーカーの使用者が登場。ギアースクライシス編では実際に通常パックに封入されていることが作中描写で明言化され、危険なクランではなくなったと見ていいだろう。
後の強化で、《ハーモニクス・メサイア》自体もリンクジョーカーの姿を手に入れており、《創世竜 ハーモニクス・ネオ・メサイア》として伊吹の力になっている。
余談だが、全てのメディアミックスにおいて「THE族」である。
むしろ彼の「THE」が櫂に伝染し、レンに伝染した。全ての元凶
ファイトにはその人間の全てが表れる
彼が「ヴァンガードG」にて口走った言葉。
この言葉を彼自身に当てはめるとどうなるか。
「根絶者」を使っていた頃は、ヴァンガードで絆を繋ぐことができなかった哀しみ、怒り、絶望から、ヴァンガードの全てを滅ぼそうとする力。ヴァンガードという存在を「デリート」するために力を揮っていた。
「メサイア」を使っていた頃は、赦された筈の罪で自らを縛りつけ、罪を償おうとする姿。故に、他人を呪縛し解呪しようと、自身を解放することは叶わない。これはリューズにも指摘されたことである。
結果として、彼自身がこの言葉を体現しているからこそ、説得力がある。
関連動画・・・消えて、終わりだ。デリート、エンド
どんな関連コミュニティからでも、這い上がってくるはずだ
その少年が、可能性のある関連項目ならばな―――。
- カードファイト!!ヴァンガード / ネオンメサイア
- カードファイト!!ヴァンガードG / カードファイト!!ヴァンガードG NEXT / カードファイト!!ヴァンガードG Z
- 櫂トシキ / 三和タイシ(全メディアミックスにおいて一貫して過去の友人)
- 先導アイチ(漫画版・劇場版ともに因縁からあるきっかけを作る)
- 新導クロノ(彼の影の先導者)
- 葛木カムイ(Gにおいて全国大会予選以降よく絡む)
- 新田シン(新導ライブをめぐる一件でパイプがある)
- ヴァンガード普及協会(ヴァンガードG 本部所属、G3期で本部長就任)
- チーム・ディマイズ(ヴァンガードG1期)
- リンクジョーカー(使用クラン)
- 威圧する根絶者 ヲクシズ
- ネオンメサイア ※劇場版タイトルと同名の使用カード
- 創世竜 アムネスティ・メサイア
- 宮野真守(CV)
- 生天目仁美(幼少期のCV)
- カードゲームではよくあること
- 食事フェイズ / ヴァン酌
- リアルファイト!!ヴァンガード / (無言の腹パン) / (無言の手刀)
- ファイトにはその人間の全てが表れる
- 名乗らなかった男
- Cパートの男(リダイレクト記事)
- 煮干し
- あしながおじさん / ストーカー
- 全身がうるさい
- 負けたらギャグ要員
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