「会津」とは、主に福島県西部から新潟県東部にかけて広がる地域名として知られる名詞である。
読みは「あいづ」。またこの記事では、合わせて地域名以外の会津についても扱う。
概要
名前の由来
地名の由来については、『崇神天皇(BC:148~AD:29)の時代、諸国平定の任務を終えた大彦命とその子、建沼河別命がこの地で合流した(参考:会津大事典)』ことにあるとされて、実際に「相津」の名で古事記などの文献に登場している。
或いは、古くから阿賀野川と只見川、その二つの大河の合流地点の周辺を中心に栄えてきた事から、「川の合わさる場所にある津(港)」の意味でその名が発祥したとも言われる。いずれにしても、古代から河川や幾多ある山道を通じて、交通の要衝としての栄を享受してきたものと見られている。
地理
その東側に奥羽山脈、西側には越後山脈、南に東北地方の最高峰となる燧ケ岳、北には信仰の山である飯豊山が聳えており、これら山々によって巨大な盆地を形作られている。単に内陸にあるのみならず非常に山深い土地としても知られ、特に雪の降る季節は、会津域内に限っての移動すらもしばしば困難となる。
北部には、そうした山間の地とは思えないほど広々とした会津盆地があり、会津若松市、喜多方市などが存在。周辺の中心地となっている。一方、南部については北部以上に山が深く、川筋や小さな盆地などの一つ一つに小規模な街や集落が点在している。
地域の大部分を占める福島県は太平洋に面しているものの、会津の気候そのものはむしろ日本海側から大きく影響を受けており、それに寒暖の差が激しいなど盆地らしい特徴が加わさて独特の気候が形作られている。そのため、夏になると冬場の豪雪が嘘のような猛暑に見舞われることも多い。
歴史
古くは古事記にも登場しているのは前述の通りである。8世紀には、律令制の進展に伴って置かれた陸奥国に会津郡が設置され、ここに地域名としての会津はスタートした。そののち平安時代には、その広大な地域から耶麻郡、大沼郡、河沼郡が相次いで分置されたことから、会津四郡とも別称された。
源氏の攻撃によって奥州藤原氏が滅ぼされると、四郡は頼朝の信用厚い武将、佐原義連の領国となった。義連は鎌倉幕府における名門三浦氏の出身であり、また下っては芦名氏となって長くこの地を治めたが、戦国期以後は伊達、蒲生、上杉氏、江戸時代には保科氏などへと統治者はめまぐるしく変化した。
江戸時代の間は保科氏の下での安定が続き、飢饉への対策として和蝋燭などの手工芸も発達した。しかし幕末になると、西軍による最重点攻撃目標となってしまう。当時の状況については様々な評価が有るものの、会津一帯が軍事攻撃により無残に破壊されたことだけは歴史に残っている。
明治になると、一転して会津は警察官の出身地として知られるようになった。西南戦争においても多数の会津出身者が治安維持に従事したが、一方では「鬼県令」こと三島通庸の統治、地域が福島県と新潟県に分割されるなどの苦杯も舐めた。現在の非常に"保守的"な風土は、こうした流れの影響とされる。
社会的特徴
歴史的に見た場合、「会津」の範囲は現在の新潟県の一部も含む極めて広大なものとなる。しかし21世紀現在においては、凡その場合、福島県内における地域区分の一つとしてイメージされる場合がほとんどである(他の地域→「浜通り」「中通り」)。
産業としては、第一次産業の占める割合が比較的高い。特に米作については日本有数のコシヒカリの産地として知られ、また寒冷になりやすい山間部では蕎麦栽培が盛んに行われている。他にも手工芸に古い伝統を持ち、特に会津塗りに代表される漆器は高い評価を得ている。
現在はこれらに加えて温泉や史跡を中心とした観光産業も見られ、特に滞在型スキーリゾート開発には力が入れられている。加えてコンピューター関連企業などの工場誘致にも積極的であり、それに伴って会津大学が設置されるなど、道路整備と合わせた第二次産業の成長も期待されている。
交通に関しては、日本の大半がそうであるように車社会と言える。しかし峠の冬季閉鎖や県道の未通個所も多く、必ずしも便利な状態と言うことは出来ない。他の雪国と同様、雪に強いとされる鉄道への信頼は比較的強いものの、地域の大半が深刻な過疎に悩む事情もあって存続が不安視される路線も見られる。
団体、施設など
自治体
総計
交通
鉄道
道路
自然
- 山地
- 水系
会津を舞台とした作品
- 喜劇 駅前温泉(映画「駅前シリーズ」の第4作)
- 天才画の女(松本清張の小説が原作のドラマ版。原作小説は中通りが舞台)
- 只見川(曽根綾子の小説)
- 未確認で進行形 : アニメ版12話など(荒井チェリーの漫画)
- 八重の桜(NHK大河ドラマ)
- ローカルバスの終点へ : 室谷編(宮脇俊三の紀行文)
- 高原列車は行く(沼尻高原鉄道をモデルとした歌謡曲)
※出身者については福島県の記事を参照されてください。
※関連企業については下段(↓)の関連項目を確認されてください。
地域名以外の会津
名字としての会津
- 会津兼定/あいづかねさだ - 江戸時代の刀工。名は11代に渡って引き継がれた。
- 会津太郎/あいづたろう - 詩人
- 会津八一/あいづやいち - 歌人、書家、美術史家。
- (参考)会津小鉄/あいづのこてつ - 幕末から明治初期にかけて活躍した侠客。本名は上坂仙吉。
地名としての会津
列車名としての会津
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
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