似鳥鶏単語

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似鳥鶏（にたどり けい）とは、日本のミステリー作家。

概要

1981年生まれ、千葉県出身。千葉大学教育学部卒。北海道大学大学院在学中の2007年、『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞佳作を受賞しデビュー。

『理由あって冬に出る』はその後シリーズ化し（公式にシリーズ名が確定しておらず、「にわか高校生探偵団の事件簿シリーズ」とか「市立高校シリーズ」とかコロコロ呼び名が変わる。ファンの間では「葉山くんシリーズ」と呼ばれることが多い）、日常の謎系の青春ミステリ作家として人気を博す。

2014年には初の警察小説である『戦力外捜査官』が日本テレビ系でドラマ化。2018年、『彼女の色に届くまで』で第18回本格ミステリ大賞候補。2023年には『育休刑事』がNHKでドラマ化。

主に文庫書き下ろしでライトなミステリーを書いている。ジャンルとしては日常の謎が中心ではあるが、他の日常の謎ミステリーに比べると事件の背景がヘビーであることが多い。学校の幽霊騒ぎや、動物園からの動物の消失のような一見して事件性の薄そうな謎の背後に、殺人事件や組織的な犯罪行為などが隠されているというパターンが多く、ライトでコミカルな読み口なのに話自体は妙に重たいというギャップがひとつの個性になっている。

また、本文に註釈^[1]が入るのも大きな特徴。註釈は巻末ではなく本文中に割り込んできて、特に本筋には関係無い単語に対して作者によるとぼけた解説が差し挟まれる。独特のテンションなあとがきにも註釈が入ることも。

作品リスト

• 市立高校シリーズ（葉山くんシリーズ）
  1. 理由あって冬に出る （2007年、創元推理文庫）
  2. さよならの次にくる 〈卒業式編〉 （2009年、創元推理文庫）
  3. さよならの次にくる 〈新学期編〉 （2009年、創元推理文庫）
  4. まもなく電車が出現します （2011年、創元推理文庫）
  5. いわゆる天使の文化祭 （2011年、創元推理文庫）
  6. 昨日まで不思議の校舎 （2013年、創元推理文庫）
  7. 家庭用事件 （2016年、創元推理文庫）
  8. 卒業したら教室で （2021年、創元推理文庫）
• 動物園シリーズ
  1. 午後からはワニ日和 （2012年、文春文庫）
  2. ダチョウは軽車両に該当します （2013年、文春文庫）
  3. 迷いアルパカ拾いました （2014年、文春文庫）
  4. モモンガの件はおまかせを （2017年、文春文庫）
  5. 七丁目まで空が象色 （2020年、文春文庫）
• 戦力外捜査官シリーズ
  1. 戦力外捜査官　姫デカ・海月千波 （2012年、河出書房新社→2013年、河出文庫）
  2. 神様の値段　戦力外捜査官2 （2013年、河出書房新社→2015年、河出文庫）
  3. ゼロの日に叫ぶ　戦力外捜査官3 （2014年、河出書房新社→2017年、河出文庫）
  4. 世界が終わる街　戦力外捜査官4 （2015年、河出書房新社→2017年、河出文庫）
  5. 破壊者の翼　戦力外捜査官 （2017年、河出書房新社）
• 天野兄妹シリーズ
  1. シャーロック・ホームズの不均衡 （2015年、講談社タイガ）
  2. シャーロック・ホームズの十字架 （2016年、講談社タイガ）
• 難事件カフェシリーズ
  1. パティシエの秘密推理　お召し上がりは容疑者から （2013年、幻冬舎文庫）
     →　難事件カフェ （2020年、光文社文庫[改題]）
  2. 難事件カフェ2 焙煎推理 （2020年、光文社文庫）
• 育休刑事シリーズ
  1. 育休刑事 （2019年、幻冬舎→2022年、角川文庫）
  2. 育休刑事(諸事情により育休延長中) （2023年、角川文庫）
• ノンシリーズ
  • 迫りくる自分 （2014年、光文社→2016年、光文社文庫）
  • 青藍病治療マニュアル （2015年、KADOKAWA）
    →　きみのために青く光る （2017年、角川文庫[改題]）
  • レジまでの推理 本屋さんの名探偵 （2016年、光文社→2018年、光文社文庫）
  • 一〇一教室 （2016年、河出書房新社）
  • 彼女の色に届くまで （2017年、KADOKAWA→2020年、角川文庫）
  • 100億人のヨリコさん （2017年、光文社→2019年、光文社文庫）
  • 名探偵誕生 （2018年、実業之日本社→2021年、実業之日本社文庫）
  • 叙述トリック短編集 （2018年、講談社→2021年、講談社タイガ）
  • そこにいるのに （2018年、河出書房新社→2021年、河出文庫）
  • 目を見て話せない （2019年、KADOKAWA）
    →　コミュ障探偵の地味すぎる事件簿 （2021年、角川文庫[改題]）
  • 生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班 （2020年、河出書房新社）
  • 推理大戦 （2021年、講談社→2023年、講談社文庫）
  • 夏休みの空欄探し （2022年、ポプラ社）
  • 小説の小説 （2022年、KADOKAWA）
  • 名探偵外来 泌尿器科医の事件簿 （2022年、光文社）
  • 唐木田探偵社の物理的対応 （2023年、KADOKAWA）
  • 刑事王子 （2024年、実業之日本社）

関連項目

• 小説家の一覧
• 鮎川哲也賞
• ミステリー / 日常の謎

脚注

1. *要するにこういうものである。古典ならともかく、現代小説で本文に註釈が入るのは稀。

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