佐倉慈(さくら めぐみ)とは、「がっこうぐらし!」の登場人物である。アニメ版CVは茅野愛衣。実写映画版ではおのののかが演じた。
アニメ版概要
私立巡ヶ丘学院高等学校の国語教師。
学園生活部の顧問を務めている。
愛称は「めぐねえ」だが、本人は「佐倉先生」と呼ぶように指導している。しばしば「めぐねぇ」と書かれるが誤り。
事件当日、母親からのメールによって事件を知り、ゆきと共に屋上の菜園を訪れていた事でゾンビの襲撃を逃れる。その後は現学園生活部のメンバーらと協力して生活していたが、まだ今ほど安全圏が広くなかった頃にゾンビの襲撃を受け、その際に3人をかばう形で命を落としゾンビ化。その後は地下の緊急避難エリアを徘徊している。
劇中に登場するめぐねえは一部の回想を除きすべてゆきが創り出した妄想であり、伏線自体は1話から十二分に張られていた。それを一気に回収したアニメ6話ではゆきがめぐねえに渡した水やラジカセが床に落ちるシーンが挿入され視聴者を戦慄させた。そして、7話以降ゆきによる妄想のめぐねえは視聴者側には見えなくなった。
10話では太郎丸を探しに地下の緊急避難エリアに向かったくるみがゾンビ化しためぐねえと遭遇。動揺して動けなくなった彼女を噛み、感染させてしまう。
クリスチャンであったらしく、常にロザリオを首から提げている。部員たちが彼女の為に建てた墓も十字架であった。
原作概要(ネタバレ項目につき反転)
第1話の時点ですでに故人で、ゆきの妄想の中にのみ存在している。明確に明かされたのは第13話(アニメ第6話)であるが、それ以前からもゆきが彼女に話しかけるなり、言及するなりするまでりーさんやくるみからいないかのように扱われていること、誰もいなかった場所に突如として現れること、第3話(アニメ第1話)でリボンがまかれた墓が登場することなど、随所にその死を示唆する描写が見られた。
学園の生存者の中でただ一人の「大人」として、初期の学園生活部の避難生活を率いた。教師であるにも関わらず、何も出来ない状況に無力感を感じていたが、りーさんの「ただ学校で暮らすだけだと疲れるから、学校の部活ということにしよう」という提案を受けて、彼女とともに学園生活部を作り、その顧問となった。
学園生活部を立ち上げ、ある程度安定した生活が送れるようになってからは、事件以降特に落ち込みがちだったゆきが元気を取り戻し、その様子に安堵していた。しかし、ゆきの精神が徐々に退行し始めるようになると(くるみが言うところの「元気になりすぎた」)、ゆきの笑顔を望んだばかりに学園生活の幻想を創り上げ、あまつさえゆきの精神退行を好ましいと感じていた自分に気づき、罪悪感に苛まれるようになる。
そんな彼女に、職員室で回収した教師用緊急脱出マニュアルが更なる追い打ちをかける。彼女はあくまでただの教師であり、ゾンビに関することは何も知らなかったが、自分がゾンビ化を齎した元凶の末端にいたこと、何も知らなかったせいで子供達を災厄に巻き込んでしまったことに気づいて思い詰めるようになり、学園で生き残った最後の「大人」として、自分一人で責任を背負い込んでしまう。この頃の彼女のノートには、自らの死を予感したかのような「これはたぶん遺書だ」という言葉とともに、「いつか、もしあの三人がこの学校から笑顔で出られるのなら、そのためなら私はどうなってもいい」という、彼女の悲壮な決意が綴られている。
皮肉にも、大量のゾンビに襲撃される事件が起きたことで、この言葉は的中する。状況ははっきりしないものの、ゾンビの襲撃から守るために教え子達を放送室に避難させ、自身はゾンビに襲われて噛まれてしまう。教え子達を襲う亡者の群れの一員となりかけた彼女だが、教え子達の呼び声を聞いて一時的に正気を取り戻し、彼女達を襲ってしまわないように地下に隠れ、そこで完全にゾンビと化した。この事件の衝撃で、ゆきの精神は完全に退行をきたし、彼女が妄想の世界に暮らす決定的な原因となってしまう。
この事件以降教え子達の前からは姿を消していたが、緊急脱出マニュアルを読んで地下の偵察に向かったくるみが、ゾンビ化した彼女と遭遇。動揺したくるみは彼女を倒すことができず、噛まれて感染してしまう。彼女はなおも地下をさまよっていたが、くるみを救うために薬を探しに来たみーくんによって倒され、永遠の眠りについた。
原作第4巻によれば、(はっきりとは描写されていないが)地下室に辿り着いた彼女は、正気を失う前に最期の力を振り絞って、ゾンビ化の実験薬などが入った医薬品の箱を、棚から取り出して床に置いていたようである。後にやってきたみーくんは小さな血の手形のついた医薬品の箱をすぐに見つけ出し、薬を持って引き返す事ができたが、この時りーさんはゾンビ化しかけたくるみに怯えきっており、くるみに包丁を突き立てる寸前まで追い詰められていた。もし、みーくんが薬を探すのにほんの僅かでも手間取っていたとしたら、くるみを殺害したりーさんの前に薬が届くというミストばりの最悪の事態になっていただろうことは想像に難くなく、他の3人の士気に与えた影響も計り知れなかったはずである。彼女の最期の優しさが、くるみの生命や他の部員たちを救ったと言えるだろう。
その後、学校上空に現れたヘリの墜落事故を発端に、学校全体を巻き込む大火災が発生。火災の煙に巻かれそうになったりーさんとゆきの前に、彼女と思しき人影が現れ、安全な地下への道を指し示し、教え子達の生命を救った。そして、一連の事件の前後から、ゆきの精神にも少しずつ回復の兆しが見て取れるようになっていく。
こうして、ある一人の教師の慈愛に支えられた学園生活部の4人は生きて「卒業」を果たし、新たな道へと進んでいくことになる。
『ごめんね・・・みんな』
『せんせい・・・ここまで・・・だから・・・』
『また・・・あえるかな・・・』
実写映画版概要
映画版では保健室の先生(養護教諭)になっている。
事件前より保健室にて、陸上部でよく転ぶ胡桃、保健室登校の由紀、顧問を務める園芸部部長の悠里と関わりがあった。また、前日譚となるオリジナルドラマ『がっこう××× 〜もうひとつのがっこうぐらし!〜』ではその他多くの生徒に慕われていた様子がうかがえる。
事件後程なく(美紀合流前)、安全が確保されていなかった保健室へ物資を調達した際に噛まれてしまい、3人に別れの言葉をかけた後自ら保健室の扉を閉めその後絶命する。
絶命後も漫画版・アニメ版と同じく由紀の空想の中で生き続け、また悠里に対しても、「めぐねえの部屋」とそこに置かれた聖書を通じ、励まし続けた。
火災騒動の際、由紀が保健室に迷い込み、ゾンビ化した姿で遭遇してしまうが、絶命前に自らをロープで壁に括り付けており、学園生活部を傷つけることはなかった。その後、胡桃に送られる。
関連動画
関連静画
関連項目
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