佐倉杏子(さくら きょうこ)とは、テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物。
概要
――「魔法少女まどか☆マギカ」公式サイトより

TVシリーズでは第4話終盤から登場。[1]巴マミの縄張りを狙って隣の風見野市からやって来た。赤毛の腰まで届くポニーテールと黒いリボン、きつめな印象を受ける鋭い目付きと八重歯が特徴の魔法少女。キュゥべえ曰く、マミと同じくベテランの魔法少女。暁美ほむらからも一目置かれている。
劇中登場シーンでは常に何かを食べており、戦闘時でも何らかの食べ物を口にしている。食べている物はたい焼きやアイスキャンディなど主にお菓子が多い。
彼女の行動には利己的な面があり、グリーフシードを得るためなら犠牲が出ることを承知で使い魔を見逃す。このため人を守るために魔女や使い魔と戦う美樹さやかとは対立することになる。
実は彼女のそういった行動の根底には自分が過去に利他的な行動によって不幸を招いた事への後悔がある。つまり本来の性格そのものが利己主義的というわけではなく、むしろ落ち込んでいるさやかを気に掛けるなど、義侠心に厚く情け深い一面が本来の性格に近い。さやかとの交流の通じて次第にそのような面が表に現れていく。
育った境遇からか食べ物を粗末にすると殊更に怒りをあらわにする。魔法少女かずみ☆マギカのかずみも同じような価値観を持っており、現時点で顔を合わせるシーンはまだ存在しないが、会ったら意気投合するかもしれない。また自身の利己的な振る舞いに密かな嫌悪感をおぼえており、そのストレスを四六時中何かを食べることで発散している、という裏設定がある。
魔法少女としての武器は槍。マミのマスケット銃やさやかのサーベルと同様の複数の槍や巨大な槍を召喚できる。柄の部分は鎖の仕込み多節棍になっており、突くだけでなく鎖を利用した変則的な攻撃にも使用している。槍に仕込んだ鎖とは別に細い鎖を張り巡らせて防御壁等の形成も可能。
また後にインタビューで明かされたが、本来杏子はその願った奇跡に応じて強力な『幻覚&幻惑』(分身及び洗脳)を操る力を持っているが、父親やかつての自分を否定してしまったことで、本編中ではその力を「封印」とでもいうべき形で失っており、後付けで身につけた魔法だけで戦っているらしい。
尚、後にCDドラマでロッソ・ファンタズマという必殺ワザの名前が明かされたが、どう考えても名付け親は巴マミのようであるが、実際名付け親は巴マミである(技については「ロッソ・ファンタズマ」の項目を参照)。ちなみに、この時杏子はマミが何故必殺技に名前をつけるのか、その理由を本人から聞かされており、現在のところ彼女が必殺技に名前をつける理由を自分以外の人間に説明している描写があるのは杏子に対してのみなので、もしかすると杏子は巴マミが必殺技に名前をつけるようになった本当の理由を知っているたった一人の人間なのかもしれない。
経歴
杏子の父親はある教会の神父だった。所属する宗教団体の教義の枠を外れた教えを説いたため破門され、杏子の一家は日々の食事にも困るようになる。父が正しい教えを説いていながらも耳を傾ける者がいないことに納得がいかなかった杏子は、キュゥべえに「みんなが父の話を真面目に聞いてくれますように」と願って魔法少女になる。これによって父が正しい事を世に広める、という杏子の望んだ状況は一時的には訪れた。
しかしある時、人々が話を聴きに来ているのは魔法による作為的なものだと父親に露見してしまう。杏子の父はそれに絶望し、杏子を残したまま一家心中を遂げる。こうして他人のための願いが破滅を招いた結果を、「自業自得」と受け止めた杏子は敢えて利己的な行動を取るようになった(結果的に絶望が解消され、今まで生きてこられたのだが)。
経歴から判るように、根無し草であり普段食べてるお菓子などをどこから調達していたのかというと、虚淵氏のインタビューによるとATMの破壊などで得た金品や万引きによって入手しているものであるらしい。
おりこ☆マギカでの活躍
第一巻は一言で言えば『魔法少女きょうこ☆マギカ』とでも言うべき内容。
詳しくは百科にて→『魔法少女おりこ☆マギカ』
かずみ☆マギカでの活躍
第15話にて、かずみが自身のオリジナルである、和紗ミチルの日記を読んでいたときのこと。過去ミチルに何があったかという描写の中で、飛鳥ユウリと対峙する杏子(よく見ればパンを食ってる)とそれを仲裁しようとするミチルの一場面がある。
これだけでは一体この3人の間で何があったのか分からないが、今後どういう状況だったのか描かれることを期待したい。
詳しくは百科にて→『魔法少女かずみ☆マギカ』
ちなみに、ユウリは親友の杏里あいり(後のユウリ様)の病気を治すために契約し、魔法少女となって以降も難病の子供達を回復させた、治癒・回復系の魔法少女である。
…さやかといい、ゆまといい、杏子ちゃん回復系魔法少女とフラグたてすぎやでぇ…
叛逆の物語での活躍
隣の町からきた魔法少女。他の誰かの為に魔法を使うさやかに反発していたが、自分と似ていることから気をかけるようになる。
そして、魔女と化したさやかを救うために自らの命をかけた。まどかの願いがかなえられた世界で魔法少女を続けている。
(ネタバレ注意)
見滝原市の平和を守る魔法少女の一人として登場。同じ魔法少女仲間の鹿目まどか、美樹さやかのクラスメイトとして、見滝原中学校に通っている。もとは隣町の風見野で活動していたが、そこが平和になったから、さやかの家に居候しつつ、巴マミの「縄張り」を手伝いに来たとのこと。言動は軽いが、 仲間の魔法少女たちとの関係も良好である。
このように、一見すると何の問題も無く活動しているようだが、これらは全て「違和感のある姿」であるとされている。というのも、巴マミとは意見の対立から袂を分かって活動の場をかつて家族と住んでいた風見野に移していたり、本来家族の死によって孤児となっていたはずだからである。
物語の中盤において、その「違和感」を感じた暁美ほむらから真っ先に相談を持ち掛けられ、二人で調査した結果、今いる見滝原市の異常と、自分たちの記憶の改ざんに気付くことになる。
真相としては、本人の言葉を借りれば「面倒なことに巻き込まれた」立場で、その意味では巴マミと同様である。しかしながら、ほむらが「一番違和感を感じる」としつつも相談を持ちかけている点、真相を知った後は「魔女となった自分を葬ってくれる人物」として巴マミと共に名前を挙げている点など、ほむらから一定の信頼を得ていることが伺える。
物語の後半で、インキュベーターの企みの阻止のために自ら破滅への道を進みつつあったほむらを救うため、仲間たちと奮戦する。その際、正体を明かした(すでにこの世の存在では無くなっていた)美樹さやかに対し、「今、生きているさやかは夢なのか」と問いかけた姿は悲しそうであった。さやかの方も、杏子を置き去りにする形で死別したことが心残りであったと答えており、ここに至って彼女達2人は、今度こそ打ち解けることができたのであった。
物語の最終盤、新たに改変された世界でも、見滝原中学校の制服を着ている姿や、さやかと仲が良い様子が確認されている。鞄の中身がリンゴばかりで勉強用具が見られなかったり(確認できない)さやかが宿題している隣でTVを見ていて宿題を忘れたりしているのが、いかにも彼女らしいとも言える。
ファンからの扱い
本編登場前に公式ビジュアルで「佐倉杏子」が発表された当初、「あんず」なのか「きょうこ」なのか、はたまた「あんこ」なのか分からなかった。現在では「きょうこ」が正しいと分かっている。しかし候補の一つであった「あんこ」は、その言葉の響きが良く、第5話で食べていた鯛焼きを連想させたり、いつもお菓子を食べているイメージに合っていたりするため、愛称として使っている人も多い。またカップリングで「きょうさや / さやきょう」と言うと、恭介とまぎらわしいことも影響しているのかもしれない。ほむらの事をほむほむと呼ぶように、”あんこちゃんあんあん“とファンは叫ぶそうな。
第5話で槍で地面を穿った様子が「畑を耕しているみたいだ」ということで「杏子=農家」がイメージが作られている。第7話の「食いもんを粗末にするんじゃねえ」という台詞でさらにそのイメージが強まってしまった。
他にもほむらやさやかに「食うかい?」といって食べ物を差し出すシーンで、仮面ライダー龍騎の浅倉威との類似や「食うかい?→空海」の当て字などでネタにされることが多い。(初登場シーンの悪役を臭わせる演出から当時は浅倉(王蛇)ポジションと認識されていたが、別にそんな事はなかったぜ[2])
颯爽とした立ち振る舞いや、さやかとの関係もあってか、女性人気も高い。
ちなみにまどかの中の人は杏子イチオシらしく、ことあるごとに「俺の嫁」「杏子と結婚したい」などと発言している。駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・
二次創作では本編中で対になる存在として描かれたさやかともに描写されることが多い。上記のおりこ☆マギカ刊行後は、新たに登場した娘もとい妹分の千歳ゆまとの絡みも見られる。またギャグ作品では、ツッコミ・常識人的な立場に回されることがよくある(詳細は万能の杏子を参照)。
食べていたものリスト
テレビアニメ | 劇場版(テレビアニメに相当するシーン) | |
OP | ポリ容器飲料(チューペット) | 板チョコ |
第4話 | クレープ | (相当シーン無し) |
第5話 | ワッフル、鯛焼き | パンダ焼き、ゴルシア |
第6話 | チョコプレッツェル(ポッキー)、チュロス | チョコプレッツェル(イチゴ、抹茶)、チュロス |
第7話 | りんご、アイスキャンディ(ガリガリ君ソーダ) | りんご、アイスキャンディ(オレンジ) |
第8話 | カップ麺(赤いきつね)、ポテトチップス(プリングルズ) | カップ麺(緑のたぬき)、ポテトチップス |
第9話 | 中華まん、ハンバーガー、フライドチキン、串団子 | 中華まん、ハンバーガー、フライドチキン、4色団子 |
第12話 | ケーキ | ケーキ |
食べているシーンはないものの第9話では「うまい棒コーンポタージュ味」によく似た「うんまい棒コーンスープ味」やゼリー、メロンパンなどが映るシーンがある。また、第9話で食べていた串団子については、舞台のモデルの一つが群馬県前橋市であることから「焼きまんじゅうではないか?」という声もあった(大きさが少し違う)。なお、漫画版では串団子ではなく焼き鳥を食べていた他、ドラマCDではパスタ、小説版ではホットドッグやリングドーナツも食べていた。
叛逆の物語で食べていたもの
※ネタバレ注意
ここでは食べていたもの順で記述する
お絵カキコ
関連動画
関連動画「佐倉杏子」でタグ検索
※まどか☆マギカMADリンクの項目も参照。
関連静画
関連商品
※魔法少女まどか☆マギカの関連商品一覧の項目も参照。
関連チャンネル・コミュニティ
関連項目
- 魔法少女まどか☆マギカ
- 野中藍
- Ophelia(魔法少女まどか☆マギカ)(ネタバレ注意)
- Gisela / Elsa Maria
- フェアウェル・ストーリー
- the different story
- 魔法少女
- 槍使い
- ロッソ・ファンタズマ
- そんなの、あたしが許さない
- あんこれかわいい
- 杏子ちゃんマジ聖女
- 独りぼっちは、寂しいもんな(9話ネタバレ注意)
- 杏子のテーマ
- and I'm home
- 杏乳
- 杏さや / 杏マミ
- 万能の杏子
- 杏子が好きすぎる人 / 悠木碧
- 風浦可符香 - 中の人繋がり、似た境遇を持つシャフトのヒロイン
- エンゲル係数
- Oktavia von Seckendorff
- 空海 - 食うかい?の空耳
※魔法少女まどか☆マギカの関連項目一覧の項目も参照。
魔法少女まどか☆マギカ | |||
アニメ | 第一期 | テレビアニメ | 劇場版(総集編) | |
第二期 | 劇場版(新編) | ||
スピンオフ漫画 | 魔法少女おりこ☆マギカ | 魔法少女かずみ☆マギカ | The different story 魔法少女すずね☆マギカ | 魔法少女たると☆マギカ |
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ゲーム | ポータブル | オンライン | ||
登場人物 | メインキャラクター | 鹿目まどか - 暁美ほむら - 巴マミ 美樹さやか - 佐倉杏子 - キュゥべえ - 百江なぎさ |
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サブキャラクター | 志筑仁美 - 上条恭介 - 早乙女和子 鹿目詢子 - 鹿目知久 - 鹿目タツヤ |
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モブキャラクター | 中沢 - ショウさん - エイミー | ||
おりこ☆マギカ | 美国織莉子 - 呉キリカ - 千歳ゆま - 優木沙々- 浅古小巻 | ||
かずみ☆マギカ | かずみ - 御崎海香 - 牧カオル 浅海サキ - 若葉みらい - 神那ニコ - 宇佐木里美 - ジュゥべえ ユウリ様 - 飛鳥ユウリ - 双樹あやせ - 和紗ミチル - 聖カンナ |
||
すずね☆マギカ | 天乃鈴音 - 奏遥香 - 日向茉莉 - 詩音千里 - 成見亜里沙 | ||
たると☆マギカ | ジャンヌ・ダルク - リズ・ホークウッド メリッサ・ド・ヴィニョル - エリザ・ツェリスカ |
||
その他 | 魔女 - 使い魔 - 魔獣 | ||
楽曲 | TV版 | コネクト | Magia また あした | and I'm home | (サウンドトラック) |
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劇場版(総集編) | ルミナス | ひかりふる | 未来 | ||
劇場版(新編) | カラフル | 君の銀の庭 | misterioso | ||
関連人物 | スタッフ | 新房昭之 | 虚淵玄 | 蒼樹うめ 宮本幸裕 | 岩上敦宏 | 岸田隆宏 | 劇団イヌカレー | 鶴岡陽太 |
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アーティスト | 梶浦由記 | ClariS | Kalafina | 貝田由里子 | ||
関連団体 | シャフト | ニトロプラス | アニプレックス | MBS | ||
一覧 | 関連項目一覧 | 関連商品一覧 | 関連書籍一覧 |
脚注
- *漫画版も同様。小説版や劇場版は第5話から登場。
- *「語ろう!クウガ・アギト・龍騎」という本のインタビューで虚淵玄は、当初は浅倉をイメージしていたが、蒼木うめのキャラで根っからの悪人にはしづらいと思い、結果的にちがうところにいった、と語っている。
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