佐竹義舜単語

サタケヨシキヨ

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「佐竹義舜」（さたけ　よしきよ　1470～1517）は佐竹家中興の祖で知られる常陸国の戦国大名である。佐竹家の悩みの種であった山入の乱に終止符を打ち、戦国時代後期に佐竹家が飛躍するための基盤を築いた名将である。晩年には北関東の覇権を巡り、宇都宮成綱や結城政朝と激闘を繰り広げた。「鬼義重」の異名で知られる佐竹義重の曾祖父にあたる。

人物概要

佐竹家15代当主。父は佐竹家14代当主佐竹義治。兄に今宮周義、弟に佐竹義武、佐竹義信、佐竹政義がいる。

兄の周義は庶子であったために佐竹家の嫡男となる。1490年に家督を継ぎ当主となるが、佐竹家の有力な庶流である山入佐竹家の佐竹義藤の叛乱によって居城の太田城を失い、母の実家である大山家を頼り大山城へ逃れる。山入佐竹家の家格はナンバー2であり、代々佐竹惣領家と抗争するほどの実力のある家だった。惣領家と山入家の抗争は100年近く続いており、「山入の乱」や「佐竹の乱」、「山入一揆」などと呼ばれている。

1492年に佐竹義藤が没したら義舜は妻の実家である岩城家を仲介役にして山入佐竹家との和睦を模索するが、うまくいかず、1500年に佐竹義藤の子である佐竹氏義に大山城を攻撃され、金砂山城へ逃れた。

1502年の金砂山城の戦いで、氏義の激しい」猛攻で義舜は自害寸前までに追いつめられるが、天候の変化をうまく活用するという神技によって逆転し、奇跡的な勝利を得た。その後は義舜の本格的な反撃が始まり、1504年には本拠である太田城を奪還に成功し、佐竹氏義とその子佐竹義盛を捕えて殺した。1506年には山入佐竹家を滅亡させ、佐竹家の反乱因子を取り除くことに成功。100年にも渡って続いていた山入の乱に終止符を打った。

乱の鎮圧後、義舜は23条から成る佐竹家の家法を新たに制定して軍事力の強化を図り、白河結城家の内紛に介入したりなど、勢力の拡大を狙った。他にも、1510年には独立性の高い家臣である江戸家と盟約を結ぶなど領内支配の強化及び安定化を図った。

1506年に古河公方足利政氏とその子足利高基が対立し、高基が宇都宮成綱を頼って下野国宇都宮に逃れると、永正の乱が勃発。義舜は永正の乱に介入し、勢力の拡大を狙った。義舜は古河公方足利政氏を支持し、足利高基を古河公方へ擁立し勢力拡大を目論む宇都宮成綱や結城政朝と対立した。1514年、義舜は下野東部から南奥にまで影響力を与えるほど勢力を拡大することに成功し、茂木家(小田家庶流)を従属させ、両那須家や当時の宇都宮家中に属している武茂家、松野家にまで圧力を与えるほどにまでなっていた。義舜は政氏の命を受け宇都宮錯乱を鎮圧して間もない宇都宮家を討つために佐竹家、岩城家、白河結城家、両那須家の2万騎もの大連合軍を率いて下野国へ侵攻。宇都宮成綱と繰り広げられた合戦は、互いが支持する古河公方の代理合戦であるとともに、北関東の覇者を巡る争いでもあった。北関東の那須口で宇都宮成綱の名代として出陣した宇都宮忠綱の軍勢と戦い圧勝した(那須の戦い)。その後、敗走した宇都宮勢に追撃をかけ、竹林にまで侵攻した。そこで宇都宮成綱、結城政朝の連合軍と対峙し、一戦したが、結果は敗北し、義舜は兵を引き上げた(竹林の戦い)。竹林の戦いで敗北したために北関東での政氏方についていた勢力は劣勢になり、高基方の勢力が優勢となった。その影響は大きく、足利政氏との連絡をとることが非常に困難な状態へと陥ってしまった。

1516年に再度足利政氏からの要請を受け、佐竹・岩城の連合軍を率いて下野に侵攻した。下那須家は宇都宮成綱の調略によって高基方に寝返っており、以前と比べてかなり不利な状況だった。宇都宮成綱の宇都宮軍と那須庄浄法寺縄釣で戦うが惨敗してしまう(縄釣の戦い)。義舜は兵を引き上げて常陸国に逃れようとするが宇都宮軍はそれを許さず常陸国まで侵攻してきており、武茂の戦い、依上の戦い、月居の戦いと各地で合戦を行い、月居の合戦の後に成綱は兵を引き上げた。義舜はやっとの思いで宇都宮成綱の攻撃から逃れることができたが、政氏方の敗北は決定的になり、北関東の覇権争いも宇都宮成綱に敗北という厳しい結果となった。