佐藤天彦(さとう あまひこ)とは、将棋棋士である。1988年1月16日生まれ。福岡県出身。中田功八段門下。棋士番号263。
棋歴
2002年より奨励会三段リーグ入り。2004年に次点2回によるフリークラス編入(プロ入り)の権利を得るが、これを放棄した。当時16歳であり、本人は「どちらでもよかった」そうだが、奨励会の年齢制限(26歳)とフリークラスの昇級期限(10年)もほとんど変わないため、フリークラスで年配の棋士相手に1年目から昇級のための星勘定をしながら対局をするよりかは、当時豊島将之などもいた三段リーグで揉まれたほうがいいだろうという師匠のコーヤンのアドバイスもあり、三段リーグにとどまった。そして、2年後の2006年に14勝4敗の成績で三段リーグを突破、晴れて順位戦に参加できるプロ棋士となった。
プロ入り後は2008年に新人王戦で優勝、将棋大賞の新人賞を獲得。2010年には同じく将棋大賞の勝率一位賞と連勝賞を獲得し、2011年には2度目となる新人王戦優勝。順位戦・竜王戦でも順調に勝ち星を重ね、2012年には竜王戦1組昇級、2014年度の順位戦B級1組では10勝2敗の成績をあげ、27歳で八段となるとともにA級順位戦へ参加することとなった。
そして、2015年度にはタイトル戦に初登場。王座戦にて当時四冠だった羽生善治王座に挑戦し、先にカド番まで追い詰めるも、そこから2連敗の2勝3敗でタイトル奪取とはならなかった。棋王戦でも挑戦者となるが、渡辺明棋王に敗れる。しかし、初参加のA級順位戦でも8勝1敗の成績で挑戦権を獲得。翌2016年の第74期名人戦で羽生名人に挑戦し、4勝1敗で初タイトルの名人を獲得した。ちなみに、A級1期目で名人を獲得したのは谷川浩司、羽生に続き史上3人目。また、昇段規定により九段に昇段。
第2期叡王戦では決勝で千田翔太を2連勝で破り優勝。2017年春に第2期電王戦にて、現役のタイトルホルダーとして初めて将棋電王戦で将棋ソフトと対局したが、Ponanzaに2連敗で敗退。これが最後の将棋電王戦となった。
2017年はA級順位戦初参加にして名人挑戦となった稲葉陽を、2018年は異例の6人プレーオフを勝ち上がった羽生善治をそれぞれ降し、名人戦を3連覇した。
棋風・人物
居飛車党であり、特に先手番の角換わり、後手番での横歩取りを得意としている。受けが強く、粘り強い終盤が持ち味。
中学生の頃から、当時高校生だった渡辺明と親交がある。同世代の棋士には糸谷哲郎、稲葉陽、広瀬章人などがいる。ダニーの「とった駒を相手の駒台に置いた事件」の際の対局相手でもあった。
某将棋雑誌での連載のタイトルは「『貴族』天彦がゆく」。投了前にリップクリームを塗ったり、趣味がクラシック音楽鑑賞だったり、謎にボタンがたくさんついたスーツを着たり、私服としてマントを着たり、名人戦の賞金で高級家具を購入したりと、貴族的なエピソードには事欠かない。
スイーツ男子としても知られており、かなりの甘党。ニコニコでは、親しみを込めて「砂糖甘彦」とコメントで呼ばれることもある。
成績
タイトル戦登場履歴
名人:登場4回(第74期-2016年度・75~77期)、獲得3期(第74期-2016年度・75~76期)
王座:1回(第63期-2015年度)
棋王:1回(第41期-2015年度)
関連動画
外部リンク
関連項目
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