佐藤聖(さとう せい)とは、ライトノベル『マリア様がみてる』及びそれを原作とするアニメの登場人物である。
概要
初登場時は白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)、藤堂志摩子のお姉さまである。水野蓉子・鳥居江利子とは唯一無二の親友。日本人離れした美貌を持ち、それでいながらフレンドリーなところから、特に下級生からの人気が高い。福沢祐巳のことが大のお気に入りで、しょっちゅう抱きついたりキスをしようとするなど、その言動はもはやセクハラ親父そのものである(そして、祐巳のお姉さまである小笠原祥子が怒り出すのもお約束である)。
後で述べるように、劇中のみならず読者からの人気も高いためか、卒業後も大学はリリアン大学部に進級し、蓉子や江利子に比べて出番が多い。また、バレンタインの騒動やレイニーブルーの時など祐巳が祥子と気まずくなってピンチの時にも颯爽と現れ、傷つきうちひしがれた祐巳を助けてくれるその姿は、男も女もほれぼれしてしまう。登場人物・作者・ファンいずれからも愛されているかが実によく分かるだろう。
なお、聖は劇中でたびたび髪型が変わっている。本編より前の高校二年生まではロングヘアーだったが、「白き花びら」の事件を期に髪を切ってセミロングになる(アニメ版では、この断髪するシーンは演出が極めて素晴らしい)。大学進学後は更に短く切り、支倉令のようなショートヘアになっている。
白薔薇の光と影
今でこそ陽気で快活な聖だが、かつては周りから心を閉ざして寄せ付けないような印象を与えていた。元々聖は社会やルールに縛られるのが嫌いで、幼少期の江利子に「アメリカ人」と言われたように、人から好奇の目で見られるのが苦痛だったようだ。
精神的に荒れていた彼女の運命を大きく変えたのが、一学年年下の久保栞である。栞との狂おしいまでの恋に身を焦がした聖だったが、栞がリリアンから離れるという悲しい結末で幕を閉じる。栞との出会い、当時の白薔薇さまである聖のお姉さまと自分を誰より影から案じた蓉子の支えによって聖は少しずつ立ち直り、志摩子と片手だけ繋いだ姉妹の絆を築くことで、生まれて初めて聖は心の底から安らぎを得たのかもしれない。
現在の聖にも、以前のやさぐれていた時代の面影を時々見せることがある。その代表例が、花寺学院の生徒会長・柏木優に対する態度である。文化祭の一件以来、山百合会の柏木への評価と信頼はだだ下がりになってしまったが、その中でも聖は柏木に対して敵対心を隠そうともしない。聖は自ら同性愛者であることを自覚しているが、柏木もホモなので同族嫌悪という点で嫌っているのかもしれない。柏木と話す時だけ、昔のような乱暴な口調になってしまうのも特徴だ。
ともあれ、こうしたヘビーな過去を持ち、酸いも甘いも噛み分けたからこそ、聖は奥深くて他のキャラにはない独特のオーラを放っているのである。
聖さまマジ女殺し
主人公である祐巳も多くの登場人物から好かれているが、恋愛的な意味でモテるという意味では聖がダントツトップであろう。情熱的な恋をした栞、一歩離れたところで結ばれた志摩子以外にも、スキンシップでじゃれ合いながらも可愛がりのある祐巳、一年以上前から自分に振り向いて欲しいために山百合会の選挙に出馬した蟹名静、大学になってからいつの間にか(聖の方が)家に転がり込むまでの仲になった加東景、そしていつも我が身を心配してくれる本妻の蓉子。とにかく聖さまはモテモテである。
しかも、祐巳・静・栞と3人もの唇を奪っている(祐巳と静は唇から少し外れた頬、栞にいたってはガチ)。まったくうらやまけしからん!・・・と言いたいところだが、聖がそれだけ凛々しく男前だからこそ許されるのであろう。
ファンからの扱い
このように聖はトップクラスの人気を誇り、原作者によると読者アンケートでもNo.1だったらしい。今でもマリみてのファンによる投票では、大抵ベスト3にランクインしており、その人気は不動である。また、劇中で次々とリリアンの乙女達を落としているため、「性さま」「エロ薔薇さま」などと呼ばれることも。重ね重ねになってしまうが、明るく頼りになるお姉さまでありながら、時折見られる哀しみを帯びた姿など、この拙文では言い切れないほどの魅力を持つ、それが佐藤聖という人物である。
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