佐藤道郎(1947年5月5日~)とは、南海ホークス、横浜大洋ホエールズに所属していた元プロ野球選手であり、パ・リーグの初代セーブ王である。
南海では当時地位の低かったリリーフ以外にも先発としても活躍しており、引退後は投手コーチや2軍監督などを歴任した。
概要
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大学1年生時にブルペンで投球練習を行ったことから上級生達に因縁をつけられ、酷く殴られた末に鼓膜が破れてしまうほどの重傷を負い、一度は野球を辞めようとするが、殴った先輩の一人に対し「1対1で勝負しろ!」と啖呵を切ると、その先輩が野球部から逃げ出してしまっため、「こんな奴らのために辞めてたまるか!」と一転野球を続ける決心をする。
4年生時にはフォームをノーワインドアップに変更して春と秋にそれぞれ8勝を挙げてチームの連覇に貢献し、MVPを受賞、この年のドラフトでは南海ホークスから1位指名を受けて入団する。
プロ1年目の70年、佐藤は監督1年目であった野村克也からリリーフとしての適性があると判断され、シーズンではいきなり開幕戦に登板し、2日後の阪急戦で初勝利を記録する。
その後もリリーフとして来る日も投げ続けた結果、プロ1年目にしてリーグ最多の55試合(内先発としての登板は3試合のみ)に登板して規定投球回にも達し、18勝6敗、防御率2.05という成績で新人王と最優秀防御率を獲得する。
72年の6月29日から7月18日には11試合連続登板(2リーグ制での日本記録、1リーグ制では若林忠志の14試合)という記録を作り、阪急ブレーブスの西本幸雄監督は「あいつはどれだけ投げたら気がすむんや」とあきれていたという。
73年の5月30日のダブルヘッダー第2試合では9回に榊親一に逆転サヨナラ3ランを浴びると、次の阪急戦では9回にまたもや福本豊にサヨナラソロを打たれ、野村克也からは「三度目の正直と言うやろ、気にするな」と励まされるが、翌日の阪急戦では延長11回に長池徳二によって3試合連続でサヨナラホームランを打たれるという記録を作り出してしまっている。
またこの年に行われた阪急とのプレーオフでは第1戦に勝利投手となり、2勝2敗で迎えた第5戦では広瀬叔功らのホームランで2-0でリードした9回に登板し2アウトまで無事の取るものの、土壇場で代打の当銀秀崇にソロホームランを浴び、さらに"世界の代打男"高井保弘を迎えたところで野村克也から「(江本孟紀に)交代や、お前はこのシリーズのMVPを貰うからそれで我慢せえ」として交代させられ、胴上げ投手にはなれなかった。
セーブが公式記録として導入された74年には自己最多となる68試合に登板して7勝8敗13セーブ、防御率1.91で最優秀防御率及びパ・リーグの初代セーブ王となり、76年にも16セーブでセーブ王に輝いている。
77年には江夏豊に抑えの座を譲り、先発として12勝10敗と好成績を挙げるが、この年のオフに捕手兼任監督であった野村克也が解任されると、翌78年には佐藤の能力を最大限に引き出せる捕手がいなかったためか大きく成績を落とし、交換トレードで横浜大洋ホエールズに移籍する。
しかし80年に肩の故障により現役を引退、引退後はロッテや近鉄で投手コーチを務めた他、2004年には中日ドラゴンズの2軍監督としてチームをウエスタンリーグ優勝及びファーム日本一に導いている。
現在は目黒で会員制のスナックを営んでいる。
人物・プレースタイル
大学時代からブルペンよりも打者を置いた時の方が本領が発揮できるという、所謂強心臓の持ち主であるが、救援時に打たれて先発投手の勝ち星を消してしまったときはロッカールームで謝罪するという律儀な面もある。
投手としては現在の「抑え投手は剛速球でねじ伏せる」というイメージと違い球速はあまりなかったが、低めに集める制球力と、スライダーやチェンジアップ、速いカーブと遅いカーブで緩急をつけて相手を打ち取る投球が持ち味だった。
また体も丈夫で、一度登板すれば2・3イニングは当たり前のように投げ、リリーフ時代だった1970年~1976年のうち1971年以外は全て規定投球回に達している。
コーチとしては多くの選手に緩急の大切さを説き、その際には「速球をべっぴんさんとすると、120キロくらいの普通の子を交えたら速球が一段とべっぴんさんになる」という佐藤独特の表現を用いている。
通算成績
通算:11年 | 登板 | 完投 | 完封 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 投球回 | 与四球 | 奪三振 | 防御率 |
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NPB | 500 | 15 | 3 | 88 | 69 | 39 | -- | .561 | 1303.1 | 398 | 703 | 3.15 |
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関連項目
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