概要
元は家畜の屠殺・販売業を営む普通の男性。しかし異母妹が皇帝に見初められ皇后になったお陰で皇帝付きの武官になる大出世を果たし、黄巾の乱の際には大将軍となる。
その後黄巾の乱の原因であった腐敗宦官を廃そうとするも逆襲に遭って暗殺される。逆上した袁紹と袁術により宦官は今度こそ完全に廃された。
なお、黄巾の乱後に起こった政争の際の行動や、政争については及び腰になりがちであったこと、暗殺の原因が「妹の身が心配で、単身で宦官の住む宮中に入ったため」という理由であったなど、優柔で緊張感に欠ける性格だった事は間違いないようだ。
しかしながら、意外にも彼は公人としての失敗はほとんど無く、黄巾の乱時には首都付近の防衛をそつなくこなし、前線にも必要と思われる人員・装備を整備、輸送を行う、乱後には霊帝のもとで軍政改革を行うなどの功績を挙げている。
また、部下には温情を持って接していたため、彼らからの支持は厚く、何進が殺された際には、多くの兵が憤激し、袁紹らの復讐に参加したとされている。
汚点としては、妹のライバルであった董氏とその一族・支持者を排除し、霊帝の後継者争いを悪化させた事だが、何進自身も、この時点(十常侍との争いの前)で董氏の支持者から暗殺されかけており、やらねばやられる、といった状況下であった事も記しておく。
少なくとも、演義等で吹聴されるような、「無能で自分勝手な成り上がり」が正しい姿ではないだろう。
余談だが、何進の息子の妻はその後曹操の妾となり、何姓の子供を残すことが許された。その子孫に何晏がおり、何晏はその後玄学を開き「詩仙」李白を輩出する基盤を作るも、司馬懿の魏国簒奪クーデターの際に政敵となったため処刑された。つくづく文官に殺される家系である。
漫画・ゲームでの何進
『横山光輝三国志』をはじめとした多くの作品では、史実通り宦官に襲われ悲惨な最期を遂げる。漫画版で首を放り投げられる場面でトラウマになった者もきっといたはず(アニメ版ではさすがにまずかったらしく、投げ捨てられるのは首ではなく兜になっている)。前職から「肉屋」の愛称でおなじみである。
またゲーム中でも宦官の謀略に負かされる程度の能力値として、ひどい場合は「妹のコネだけで将軍になり、宦官と袁家の政争の狭間で磨耗した超無能」という扱いがなされることがある。
コーエー「三国志」シリーズ
お世辞にも能力が高いとはいえず、史実を体現している。
ニコニコ動画では、何進が死んだり、勢力が滅んだ時に「肉屋乙」「肉屋閉店のお知らせ」などと書き込まれやすい。なお部下もあまり良くないため、何進勢力は頻繁に滅亡する。
三国志大戦
アンコモンで漢所属のカード。計略は「何進の大号令」で、範囲内の部隊の武力を上げるが知力が大きく下がるというハイリスクな内容。妹の何太后の計略「甘い色香」と組み合わせる事で全軍前出しの脳筋猛攻を続けられる。ただしダメージ計略持ちや妨害計略持ちがいる相手には大きく不利となるため、勝敗はマッチングに左右される。
1では他軍の中では数少ない全体強化であったため稀に起用された。3ではコストが増加するも相応の武力と効果時間を得たため、以前よりは利用しやすくなった…のかもしれない。ワシの言うことをきけぇー!
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関連項目
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