作画ミスとは、絵・イラスト・漫画・アニメ・トランスフォーマーなど作画の工程を必要とするジャンルにおいて発生する、ささやかだったり非常にまずかったりする失敗である。ここでは特に漫画・アニメに関する作画ミスを取り扱う。
作画そのもののクオリティが低かったり、破綻していたりする場合には作画崩壊と呼ばれるが、ここでは除外する。作画崩壊に関しては当該項目を参照。
概要
作画ミスはさまざまな要因によって発生しうる。作画するのが手作業である以上ミスは発生するため、誤植の校正やプログラムのデバッグ同様、チェックする必要があるのだが、それをすり抜けてしまい世に出るのが作画ミスである。
- チェック者がミスだと認識できなかった
- チェック者がめんどうくさくなった・ねむかった・さっさと切り上げて飲みにいきたかった
- 納期(締め切り)が近くチェックが間に合わなかった
- 同じく納期が近くミスを発見しても修正できる時間がなかった
ここではいくつか類型に分けて作画ミスを紹介していく。ただし修正はできたがあまりにも説得力のある作画だったのであえて残されることもある。
描画される物の構造ミス
描かれている物体や人物の構造にミスがあり、明らかにおかしい場合。例として「左腕の先に右手がある」や、「片手の指が6本ある」など。人体のパーツ構造は多く描かれるだけにミスが発生しやすく、かつチェックでも見落としやすい。
上記の手以外にも左右間違いのミスは多く、「負傷してた包帯がまかれていた足が次のシーンで左右逆になる」「カメラワークが反転したら持ってた武器が逆の手に」と事欠かない。
色間違い・塗り残し
設定上のカラーリングと作画が異なっている場合。アニメであればシーンごとの色指定というものがあり、その色指定そのものが間違っているか、あるいは色指定されたあとの塗り(ペイント)の段階で間違えたか、そのどちらであるかは視聴者に判別は不可能である。(色指定含む設定資料集やスタッフのネタばらしでもない限り)
漫画の場合、多くはモノクロで作画され、カラーページについては表紙や巻頭カラーなど小ページで済ませるものも多いため、色に関してはそれほど重視されない傾向にある。
また塗り残しといって、彩色し忘れた部分が残ったまま完成してしまうこともある。キャラクターの髪の毛の一部、メカのパイプパーツなど細かいところで発生する。
ストーリーや演出と食い違う
ストーリー上その場にいないはずのキャラクターがいたり、壊れたはずの物が次のシーンで直っていたりするミス。どちらかといえば作画というよりは演出上のミスといったほうが正しいかもしれない。
また、「大きさ」に関しては問題が起きやすく、話数や場面で人物や物(ロボット、家具、建物、おっぱいなど)の大きさが変わることがある。一部のアニメのファンの間では「大きさの概念は捨てろ」という主張がなされる場合があるが、なかなか難しいところである。
アニメでバンクシーン(何度も使う撮り貯めシーン)の使用する場面によっては、「昼なのに突然暗くなる」「ロボットが一世代前の仕様に突然戻る」などの演出の食い違いが生じてしまうことがあるが、これを作画・演出のミスとするかは意見がわかれる。
異物混入
作品とまったく関係のないものが画像に混ざっていることがある。昔のアニメはほぼ全てがセルを撮影してフィルムに収めたもので、フィルムが破損していると画像にノイズが走り、撮影時のセルがコーヒーをこぼしたものだったりすると赤茶けている場面が一瞬だけ映る。また古いセルを取り直して新メディアで再録する場合、セルの切れ端が映像に亀裂を発生させてしまうことがある。視聴者様、お許しください!
近年では漫画・アニメともにデータ化が進んでおり、こうした画面劣化などとはほぼ無縁となっている。しかしながら、連続する画の中にまったく関係のない画像を入れ、サブリミナル効果を狙うアニメが稀にある。それとは別に、本編の設定資料と思われる画像が混入してしまった謎のミスをしたアニメ番組もある。
漫画に限らず、単行本の中で真っ白なページを発見した場合、それは落丁本である。本屋で取り替えてもらうか出版社に送付して交換してもらおう。ただし演出で真っ白な場合もあるので注意。
以上は作画中におけるミスというくくりでは無いが、作品中の画像に関するミスという事で記載した。
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