信号機(しんごうき)は、青・黄・赤の三色で車両の運転手や人間に進行・停止などの指示を促す物で、鉄道用の鉄道信号機と、道路に設置される交通信号機に大別される。以下の概要では、このうち一般的に目にすることの多い、交通信号機について記述する。
なお、「信号機=青黄赤」という認識が一般的であるため、青黄赤の三色が揃った三人組等を「信号機」と呼ぶこともある。(→信号機トリオ)
信号無視は道路交通法第7条に反するので、運転者は「違反点数2点、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」、歩行者は「2万円以下の罰金または科料」を科せられる。
設置される場所など
- 片側一車線以上の交差点や横断歩道に設けられる場合が多い。
- 見通しが悪い、安全に車両のすれ違えない幅のトンネル・道路・構内や道路工事現場。
- 高速道路における長大なトンネル。(後述)
- 駐車場、料金所、特定のエリアへの進入可否を示すもの。
- サーキット・レースゲームなどのスタート合図。
同様の意味として、緑・黄・赤色のランプが機材や合図に用いられる場合もある。
(緑=安全・準備完了・いつでもOK・行動開始など)
動画として
ニコニコ動画では、実際の信号機を撮影したものや、信号機の映像・音声を素材とした動画が散見されるはか、アイドルマスターシリーズの主要メンバー3人を指す用語として用いられることもあるので注意(赤の系譜、青の系譜、黄の系譜を参照)
車両用灯器
信号機として一番目立つのが青・黄・赤を表示する車両用の信号灯器であろう。この車両用灯器は、日本では昭和初期に登場しているが、青黄赤を横に並べるスタイルはその時からあまり変わっていない。ただし、豪雪地帯や設置の都合などで縦向きに設置される場合もある。
信号灯器は、昭和40年代までは「角形」と呼ばれる四角い鉄製のものであった。この「角形」は、信号機を支える二本のアームのうち、一本が灯器の上を通る形となっている。その後「丸形」と呼ばれる形の物が増え始め、二本のアームで後ろから支える形式へと変更になっていった。この頃樹脂製の灯器も登場している。
昭和60年代を過ぎた頃からはアルミ製の灯器も造られはじめた。また、最近では灯器に電球を用いず、LEDを使用した物が増えてきている。アームも、太く一本の物で支えるケースが多くなってきた。なお、信号機は基本的に各都道府県により標準が異なるため、県が変わると信号機も多少の変化を見せる。
なお「角形」は、現在ではその姿を見ることは稀であるが、東京都や愛知県などでは何故かまだ結構残っており、最近では薄型の信号機が増えている。
LED式は消費電力が少ない反面、電球式のように発熱せず積もった雪が溶けないという欠点があり、当初は長い棒などで積雪を落としていたが、現在は形状などが工夫され積もりにくかったり積もっていてもなんとか色が識別できるようになっているものもある。
また、2014年からはロータリーのような「ラウンドアバウト(環状交差点)」が少しずつではあるが整備され始め、信号機がなくなる例も出てきている。
歩行者用灯器
歩行者用の信号灯器は、青と赤のみによって表され、人間のイラストが描かれていることが特徴である。この人を動かすような動画も作成されているが、実際に青信号の人が動く灯器が試験的に設置されていたこともある。
補足として、信号機の「青」は、国際基準では「緑」である。日本では、男性の色覚障害率が高いため、国際的な色よりもより青に近い色が標準とされている。
その他
交差点でよく目立つ灯器のほか、音響装置・感知器・接続箱といった小物から、制御機・伝送設備、またそれらを統括する管制センターまで、交通信号機に関わる装置の種類は幅広い。単に信号機といっても奥が深いのである。
また、交通整理は信号機によらなければならないというわけではなく、災害等による停電、信号機故障時や交換作業時、交通事故発生時などには警察官による手旗等を信号機の代用として使用した交通整理が行われる場合がある。ちなみに、信号機と手旗信号が異なる現示をしていた場合、後者が優先される。ただし、交通整理をする権限を持つのは警察官のみであり、警備員が行うのは信号機などによる交通整理による規制の範囲内でのみ行える「交通誘導」である。具体的には、交通誘導では「青」現示の車線を停止指示することはできるが、「赤」現示の車線の通行許可をする権限はない、ということである。
鋭角に交わる交差点、連続する交差点などは信号機同士が近く、見間違いを防ぐため庇を筒のように長く伸ばしたりブラインドのように光を指向することで見間違いを防ぐ工夫がされている。
信号機が赤色であっても矢印が点灯しているものはその方向へ進むことができる。
ただし黄色の矢印は路面電車用。特になければ路面電車も自動車用の信号機に従って走行する。
夜間、交通量が少ない交差点においては点滅信号機に切り替わる場合もある。双方が赤色になってから双方消灯→点滅のような一定の手順を踏んでから点滅に切り替わる。切り替わる時間は地域差があり、早いところでは20時代から切り替わる。
ちなみに押しボタン式などは点滅状態にあっても、ボタンを押すと一時的に元の点灯状態に戻る。
高速道路
- 普段は青色であるが、事故や災害が起きた際は赤色となる。
- また渋滞など注意すべき道路状況においては黄色に点滅する場合もある。
- 1979年の東名高速・日本坂トンネル火災事故において、トンネル内の事故を知らないまま次々と車が侵入し結果的に173台の車が車両火災によって消失、4名が死亡、鎮火に65時間を要した教訓から。
イレギュラーなもの
中には黄色・黄色・赤色であったり、赤色・黄色・赤色のイレギュラーな配置の信号機もある。
左端が青色ではないが、その代わりに点滅するもの。見通しの悪い交差点などに用いられる。
緊急車両
赤色警告灯とサイレンを作動させた緊急車両は赤信号の制限を受けずに走行することができる。(道路交通法第39条2項/停止義務免除の特例)ただし徐行義務と第70条の安全運転義務は免除されず、事故防止のためフルスピードで交差点に突っ込んで良いわけではない。
関連動画
信号機を作ってみた
関連静画
関連コミュニティ
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関連項目
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