信長の野望とは、日本の戦国時代をテーマとしたゲームソフトおよびそれを含めたシリーズの名前である。なお、シリーズ作品名に含まれている中黒(・)は半角である[1]。
概要
1983年3月30日に株式会社光栄マイコンシステム(後に「光栄」→「コーエー」→「コーエーテクモゲームス」と社名変更)が発売した『信長の野望』を第1作とし、現在も新作が作られ続けている歴史シミュレーションゲームシリーズ。これにちなみ、3月30日は『信長の野望の日』とされている。
30周年である2013年に、第1作の発売日である3月30日を「信長の野望の日」として、日本記念日協会によって記念日認定された。
シリーズ概要
プレイヤーは大名家を一つ(勢力を一つ)選んでプレイしていき、ライバルとなる他大名との戦いや駆け引きを制して天下統一を果たすことを大きな目標とする。「信長の野望」というシリーズ名ではあるが、信長以外の大名でもプレイできる。
他大名と合戦をしたり、自国の内政を行ったりと、ただの戦術シミュレーションではなく戦国大名としての様々な活動を包括的に行う戦略シミュレーションである。ただし、作品ごとにその内容はかなり毛色が違い、出来ること・しなくてはならないことに差がある。そのため、「戦国時代を舞台とした戦略シミュレーション」という文句以上に細かい言葉でシリーズ全体を総括することは出来ない。
織田信長が天下を統一するという史実から離れた、いわゆる「歴史のif」を自ら作って体験したり、あるいは信長になりきって彼がたどった天下統一の道のりを追体験したりと、歴史好きにはたまらない魅力を持ったゲームシリーズである。
舞台と武将
第1作『信長の野望』では尾張国を中心とした17カ国のみが舞台となっており、登場する大名も限られていたが、1986年9月に発売された第2作『信長の野望・全国版』以降は全国50ヶ国が舞台となった。
また、シリーズが進むにつれて、大名以外の武将や、プレイヤー自らが作成したオリジナル武将を主人公としたプレイも可能になっている。特に最近では、顔グラの変更できる顔変更エディタが公式配信されており、他の作品(アニメ、漫画、他社のゲームetc...)やマイナー武将を戦国時代に乱入させて遊ぶといったプレイスタイルも可能である。
登場するのはほぼすべて実在の武将ばかりだが、彼らの能力値や寿命を変えることが出来る作品もある。
史実通りの設定でプレイする場合、物語開始時点で既に寿命わずかな毛利元就では天下統一は至難の技となるが、こういった変更を加えて遊ぶことで、彼による天下統一を果たすことも可能になる。天下統一の達成失敗を決めるのは武将の寿命だけでなく、何より本拠地である国の資源や勢力の大きさが重要となるが、こちらも自由に編集可能である(後述するPK版のみ)。
年代・シナリオ
基本的には戦国時代の中でも信長が生きていた時代のシナリオが用意されるが、作品によってはその限りではない。シリーズでは唯一第10作『信長の野望・蒼天録』のみ信長誕生以前の戦国時代初期シナリオが収録されている。
信長が「本能寺の変」で没した1582年よりあとの年代のシナリオ、史実では江戸時代である1603年よりあとの年代のシナリオ、そして、世代を越えて武将たちが集結する仮想シナリオもある。
また、ゲームに収録されてないシナリオを公式サイトのサポートで購入できる作品もある。
定番シナリオ
この5つの年代はほとんどの作品で登場する。シナリオのタイトルは作品によって異なる。
- 1534年:信長誕生
信長の父である織田信秀たちの世代を舞台にしたシナリオ。まだ鉄砲もキリスト教も伝来していない。群雄割拠の時代なので弱小大名でも十分戦っていける。ただし武将数の関係などもあり、未収録の作品も多い。信長の祖父・織田信定や上杉謙信の父・長尾為景、徳川家康の祖父・松平清康などが登場。斎藤道三の国盗りなどがイベントで描かれる。 - 1546年:信長元服、1551年:信長家督継承、1555年:尾張統一
いよいよ信長登場。まだまだ群雄割拠で小勢力も頑張れるといった感じ。今川家全盛期で、イベントなしモードで織田家プレイを始めると、松平家を吸収している今川家相手にかなり苦しめられる。朝倉宗滴(1555没)が開始直後に亡くなるのは風物詩。1551年シナリオでは3歳児の筒井順慶が大名を務める。 - 1560年:桶狭間の戦い
今川終了のお知らせ。西では毛利家も拡大している。川中島の戦いのイベントなどもあり。この辺から小勢力は淘汰されていく。織田家の場合、桶狭間から順々にイベントが発生していくので初心者でも楽しめるだろう。 - 1570年:信長包囲網
織田家が尾張・美濃・伊勢・南近江と拡大するも周りは敵だらけ。この辺りから織田家は人材も揃ってかなり強力になっており、小大名は苦しい戦いを強いられることになる。武田信玄の寿命間近。土佐一条家は滅亡寸前でかなりマゾヒスト向け。 - 1582年:本能寺の変(夢幻の如く)/山崎の戦い(天王山)/清洲会議
織田家最盛期で、普通にプレイすると間違いなく本能寺イベントが発生する恒例のシナリオ。イベントなしモードで織田家を打倒できれば上級者の証。シリーズによっては本能寺直後のシナリオ(明智光秀でも遊べる)や、光秀打倒後の秀吉対勝家のシナリオも遊べる。この年代の河野・姉小路・十河などは「周り強い」「自家弱い」「大名の寿命が近い」「でも後継者がいない」という超難関大名として名高い。人気の真田家を選んでプレイ開始できるのもこの年代から。伊達家では政宗への家督継承イベントが起こる。
その他のシナリオ
もちろんこれ以外にも様々なシナリオが用意されている。仮想シナリオも存在する。
- 1495年:駿河の梟雄
『蒼天録』のみに収録されている、もっとも古い年代を描いたシナリオ。その名の通り北条早雲が伊豆を制圧したところから始まる。 - 1567年:天下布武、1568年:信長上洛
信長包囲網よりもちょっと前。前者は信長が美濃を取り岐阜城に本拠を移したところで、義輝亡き室町幕府は一時滅亡している。後者はその名の通りで足利義昭が将軍に就任、織田はまだ伊勢を制圧していない時点。基本的に信長包囲網のイベントへ進むことになる。 - 1572年【仮想】:信玄上洛
もし武田信玄が病死せずに上洛していたら…というifシナリオ。織田や徳川は大幅に縮小し、明智光秀などは武田についたり独立していたりする。 - 1575年:長篠の戦い
室町幕府滅亡。信玄亡き後の武田家を描くシナリオ。東北では津軽為信が独立。 - 1577年:手取川の戦い
上洛を目指す上杉謙信と織田家の戦いを描くシナリオ。謙信の没年は翌78年なので、進めていると御館の乱や本能寺イベントが発生することも。 - 1584年:小牧長久手の戦い
秀吉と家康、二人の天下人が直接対決するシナリオ。伊達家もイベント豊富。なお阿蘇家はわずか3歳の阿蘇惟光が大名を務めており、島津に蹂躙される運命にある。 - 1589年:小田原征伐
九州征伐を終え、日本の半分という圧倒的勢力を持つ豊臣家が北条家を討つシナリオ。北条や伊達はともかく、高水寺斯波や小田などは絶望的な戦いを強いられる。おとなしく臣従するのが吉。 - 1599年/1600年:関ヶ原の戦い
信長も秀吉も死んだ後のシナリオ。それまで一武将だったキャラクターが大名になっているなど新鮮な楽しみがあるが、武将の数が不足してくるのが難点。 - 1614年/1615年:大坂の陣
関ヶ原の戦い以上にレアなシナリオ。実質的な戦国時代最後の戦い。2021年現在、第9作『信長の野望・嵐世記』、第14作『信長の野望・創造』のスピンオフ『信長の野望・創造 戦国立志伝』、第15作『信長の野望・大志』でプレイ可能である。 - 【仮想】:群雄集結
『革新』以降の作品に登場。開始年は作品によって違う。「全武将が登場」「寿命なし」「イベントなし」で、各国に1勢力ずつ配置された状態から開始するというもの。北条早雲など、このシナリオにしか登場しない武将も存在する。当然小勢力にもチャンスがあるため、改造シナリオや新武将投入による架空戦記動画の舞台にされることも多い。
パワーアップキット
だいたい、発売から1、2年後にその作品のPK版(パワーアップキット版)が発売される。
PK版を導入すると、勢力そのものの大きさの調整が可能になったり、新たなシナリオが遊べるようになったりするほか、新システムが使えるようにもなったりする。
音楽
ゲーム性もさることながら、迫力ある演出やBGMも人気である。特に菅野よう子が担当したオープニングテーマなどは評価が高い。
また、勢力ごと(織田家・武田家・上杉家・徳川家・伊達家・毛利家・島津家・将軍&今川家・真田家・北条家など)に専用BGMが用意され大名それぞれの雰囲気が演出されている(作品ごとに専用BGMが用意される勢力は変わる)。
ハードと移植・リメイク
基本的にはPCゲームであり、PC向けに最新作が発売された後、そのリメイク版やPK版が家庭用ゲーム機向けにリリースされることが多かったが、第14作『信長の野望・創造』 ではPC(Windows)版と同時に家庭用ゲーム機向けであるPlayStation 3版が発売された。PCと家庭用ゲーム機の2つに同時にソフトが供給されたのはこれがシリーズ初であった。以降はそれを踏襲している。
Steamにおいて過去の作品が廉価で順次販売されている。2022年7月現在、初代『信長の野望』から第16作『信長の野望・新生』までが購入できる。(ただし『天道』など、Windows10に対応していない作品も存在する)
最新作
2022年7月現在の最新作は、第16作『信長の野望・新生』である。
ニコニコ動画では
前述の登録武将機能を用い好きな作品のキャラクターを戦国時代に乱入させている架空戦記と呼ばれている動画や、高難易度シナリオの攻略指南的な動画など、同じシリーズを用いているのにも関わらず動画によって空気がまったく違うのが特徴である。
クリアまでに時間がかかる関係上、多くの場合はうp主のマイリストを用いた連載という形を取る。
タグにはタイトルの「信長の野望」の他、「革新」「天道」など作品のサブタイトルや同じくコーエー作品である『三國志』などと合わせて「ニコニコ歴史戦略ゲー」タグが使われている。
主な関連人物
- シブサワ・コウ - 信長の野望シリーズのプロデューサー。コーエーテクモホールディングスの代表取締役社長・襟川陽一のペンネーム。
- 山本光男 -
- 菅野よう子 - 音楽家。第6作『天翔記』までの音楽を主に担当。
- 山下康介 - 作曲家。第7作『将星録』から第13作『天道』までの音楽を担当。
- 大塚正子 - 作曲家。第14作『創造』、第15作『大志』の音楽を主に担当。コーエーテクモゲームス所属。
- 川井憲次 - 作曲家。『信長の野望Online』の音楽を担当。
- 新居昭乃 - 歌手。信長の野望シリーズの「時の調べ」や「ほうき星」、「遠い青色」などを歌った。
- 平原綾香 - 歌手。シリーズ初となるテーマソング「Shine -未来へかざす火のように-」(菅野よう子作曲「OVERTURE ~信長の野望~」に歌詞をつけたもの)を歌った。
- MISIA - 歌手。第15作『大志』のテーマ曲「運命 loop(feat.Marcus Miller)」を歌った。
- 樋口真嗣 - 映画監督。第14作『創造』、第15作『大志』などでオープニングムービーを担当。
- 生頼範義 - 第3作『戦国群雄伝』から第6作『天翔記』までの作品と、その移植作のパッケージイラストを担当。2015年死去。
- 長野剛 - 第7作『将星録』から第14作『創造』までの作品と、その移植作のパッケージイラストを担当。
- 日田慶治 - 第15作『大志』・第16作『新生』のパッケージイラストを担当。
シリーズの語り草となった主な戦国武将など
- 織田信長
- 武田信玄
- 毛利元就
- 朝倉宗滴
- 姉小路頼綱
- 今川義元
- 上杉謙信
- 太田資正
- 隈部親永
- 真田昌幸
- 二階堂盛義
- 『蒼天録』顔。
- 北条氏政
- 本多忠勝
- 前田慶次
- 松永久秀
- 一条兼定
- 架空姫(名前ランダム)
関連タグ
※タグが付いてない動画も当然あるため、より多くの動画を見つけたい場合は「信長の野望 ○○」の形でキーワード検索したほうがよい。(→ 例:「信長の野望 大志 PK」)
- 新生 動 / 信長の野望・新生 動
- 大志 動 / 信長の野望・大志 動 / 信長の野望・大志PK 動
- 創造 動 / 信長の野望・創造 動 / 信長の野望・創造PK 動 / 信長の野望・創造 戦国立志伝 動
- 天道 動
- 革新 動
- 天下創世 動
- 蒼天録 動
- 嵐世記 動
- 烈風伝 動
- 天翔記 動
- 武将風雲録 動
関連動画
多くの動画が上がっているため、興味のある人は下記リンクや「ニコニコ動画 歴史戦略ゲー プレイ動画まとめwiki」から自分の趣向に合ったものを探してみてほしい。
関連チャンネル
関連項目
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外部リンク
- GAMECITY|コーエーテクモゲームス
- Steamストア(旧作・新作のダウンロード販売元)
- ソースネクスト(廉価版の発売元)
脚注
親記事
子記事
兄弟記事
- アンジェリークシリーズ
- 三國志
- 遙かなる時空の中で
- 金色のコルダ
- 蒼き狼と白き牝鹿
- 無双シリーズ
- ネオロマンス
- 大航海時代
- 討鬼伝
- 仁王
- Wo Long: Fallen Dynasty
- Rise of the Ronin
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