追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~とは、六志麻あさによるネット小説である。
略称としては「チート付与魔術師」または「チート付与」あるいは「チー付与」、ちいかわ「ちいふよ」など様々で、コミカライズ版については作者のペンネームに因んで「チート餅」とも呼ばれる。
概要
2021年1月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載を開始。翌2022年1月に書籍化された。
それに先駆け、連載開始してわずか10ヶ月後の2021年10月、講談社「月刊少年マガジンR」にて業務用餅によるコミカライズ版が連載開始。
しかし。
どういう訳か小説とコミカライズ版は似て非なる別物と化してしまった。
小説とコミカライズ版の違い
クッソ長いタイトルの通り、大まかな内容としてはなろう系でよくある主人公が元居た仲間の元から追放されるという「追放もの」となっており、この点では違わない。
しかし、コミカライズにあたって、「ギャラクシーエンジェル」[1]などと比較されるくらいに原形をとどめているのか怪しいレベルでの改変を施されており、大量にギャグが追加されてしまい、見事にギャグ漫画へと魔改造されてしまった。
例えば、ファンタジーな世界観なのに日本円やらパチンコやら西友SEIYOやらウージー短機関銃やらが存在する、中世ヨーロッパ(ナーロッパ)なのか現代の地球なのか怪しい世界となり、更に登場人物の性格やら人間関係などまで改変されてしまった。
やがてギャグを挟みつつ登場人物の過去のトラウマや人情、絆、死などシリアスな展開や熱い展開も増加し、特に中盤以降はギャグ要素も少し減り、おふざけで隠し切れないほどのシビアで世知辛く、陰鬱とした世界観であることが露見してくるが、それらもほぼ全て原作にないものであり、原作にあるところを探すほうが難しい、原作者がかわいそうと言われるほど。しかし、当の原作者の反応は以下の通り。
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https://twitter.com/amakusashiro7/status/1554764046695403520
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さて、「世界観に反して現代の文明のようなものが登場するのか?」と疑問に思う読者がいるだろう。これに対しては、ギャグではなくちゃんとした回答が用意されている。当然ながら原作にはないが。
あらすじ
あらゆる武器や防具を「強化ポイント」によって強化することができる能力を持つ魔術師レインは、ある日所属していたギルド『王獣の牙』より「ギルドメンバーの武器や防具を強化し終えた」(コミカライズ版では「流行っているから」)として解雇を通告される。怒ったレインは、それまでにかけたポイントをすべて解除し、剝奪する。
その後、レインは剝奪したポイントを使い、己の武器と防具を強化した上で、弱小ギルド『青の水晶』へ加入した。
登場人物
ここよりもアニヲタWikiの該当記事の方がよっぽど詳しく書かれているためそちらを閲覧することを推奨するが、一応ここでも主要キャラを簡潔に記す。
- レイン・ガーランド
- 主人公で付与魔術師。元々は大手のギルド「王獣の牙」に属し、ギルドメンバーの武器や防具を強化する仕事をしていたものの、ギルドの都合で追放されてしまい、復讐を経て弱小ギルド「青の水晶」に入り、以降は冒険者としても活動するようになる。
- 性格は明るくポジティブでお人好し。
- 戦闘は持ち前の付与魔術を生かし、武器や防具などを強化して無理矢理強くするスタイルだが、耐久力の低い安物に強力な付与をすると反動に耐えられずすぐダメになるというデメリットがある。この点に関しては「燐光竜帝剣」という強力な剣を手に入れたことで克服している。
- コミカライズ版では前述の要素は残しつつも、すごくバカで変態になってしまい、その奇行(戦闘後に服が破け全裸になっても平然としている、「ギャヒ」という気持ち悪い笑い声を出すなど)に対してリリィやマーガレットなどの他のキャラからしばしばツッコまれたりしばかれたりいじられたりする他、「隠れて飲酒しているのでは」「目を開けながら寝てて寝言コキながらフラフラしてる」と疑われたほど。しかも、「王獣の牙」をクビになった理由に大きく関わってくる。
- たまに主人公らしくキメる時にはカッコよくキメるが、それを見たマーガレットに「レインもまともな時あるんですね……」と言われ、その際に怒りのあまり虚ろな表情になった。
- ニーナ
- ギルド「青の水晶」の受付嬢。一応メインヒロインで、コミカライズ版ではツッコミ役も兼ねていたが、リリィの登場以降はあまり出番がない。
- リリィ・フラムベル
- 女騎士。幼い頃から騎士として活躍しており、史上最年少でS級冒険者の称号を獲得している。
- 小説版とコミカライズ版ではかなり設定が異なる。
- 小説版では「星帝の盾」というギルドに所属し、自分の武器の強化のために知り合い、その後レインが強化に耐えられる武器を手に入れるための旅に同行した。
- コミカライズ版では「青の水晶」に所属し、ニーナに代わりメインヒロインとツッコミ役を担うようになる。
- 過去に色々あったようで、初登場時はかなり塞ぎこんでおり、長らく引きこもり生活を送っていた他、後述のマーガレットに殺意を抱かれる原因にもなっていた。
- マーガレット・エルス
- 「星帝の盾」に所属するB級冒険者。
- 小説版とコミカライズ版では所属ギルドと冒険者ランク、髪と服装以外何もかもが異なる。
- 小説版ではリリィの後輩にあたり、彼女を慕っている。男勝りな性格で、一人称は「俺」。
- 対し、コミカライズ版ではまず顔つきから違う。まるでチベットスナギツネのような鋭い目つき(初期の頃は糸目)をしており、その「SEXY」な身体つきもあって本作のヒットに大きく貢献、読者からは「モブ顔」「チベスナちゃん」と呼ばれることも。この目つきは髪をツインテールに結んだ時に発動するようで、ほどくと他のキャラと瓜二つの美少女になる(何ならこっちの方がモブっぽい)。
- 一人称も「私」であり、敬語を話し、皮肉屋。
- リリィとは過去に色々あったようで、初登場時は彼女を殺害するためにレインの旅へと同行していた。
- その後は彼女と打ち解け、3人でしょうもないおふざけをしたり、バカ笑いをしたり、レインにくだらないいたずらを仕掛けたりするようになる。
- 「どんぐり」という犬を飼っている。どんぐりは心の距離が遠くなるとリアルな犬になるが、縮まるとぐちゃぐちゃのお化けの落書きのような絵柄になる。
- バリオス
- 「王獣の牙」のギルドマスターで、レインを追放した張本人。追放して間もなく彼に報復された結果、ギルドが空中分解してしまった。
- 小説版ではその後レインに逆襲しようとするも失敗し、どんどん転落していく。
- コミカライズ版ではギルドマスターの地位を失ってから己を見つめ直し、レインとも和解して新たな道を歩き始めたが……。
関連静画
関連リンク
関連項目
脚注
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