概要
倉敷市 Kurashiki City |
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面積 | 355.63km2 (2020年国勢調査) |
総人口 | 474,592人 (2020年国勢調査) |
人口密度 | 約1,335人/km2 |
隣接自治体 | 岡山市 (北区・南区) 玉野市 総社市 浅口市 都窪郡早島町 小田郡矢掛町 香川県丸亀市 (海上) 香川県坂出市 (海上) |
現市長 | 伊藤 香織 (2008年5月19日~) |
県庁所在地の岡山市に次いで県内第二の人口を擁する中核市。県南部に位置し、岡山市や総社市などと隣接している。県内屈指の観光都市かつ工業都市である。
観光では白壁の町並みが残る倉敷美観地区、瀬戸内海国立公園にもなっている鷲羽山や王子が岳などが有名なスポットである。また、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋の本州側玄関口でもある。
水島地区を中心とした臨海部は重化学工業地帯が広がり、石油精製、鉄鋼、自動車、化学製品などの生産拠点が置かれている。児島地区は学生服やジーンズの一大産地であるなど繊維産業が盛んである。こうしたこともあり、市内の製造品出荷額は全国の市町村でもトップクラスである。
典型的な瀬戸内式気候の地域で、年間を通して降水量が少ない。台風が直撃した場合でも中国山地や四国山地の影響で雨や風がある程度抑えられることが多い。雪も年に一回積もるかどうかといったところである。災害は皆無とは言えないが、国内で見ると発生頻度は少なく、比較的穏やかな地域である。地震も比較的少ない地域である。
市内の地名に「島」「沖」「崎」などの地名が多いが、これは市域の大半がかつて海や島であった名残である。高梁川の堆積作用によって沖積平野が形成されたり、戦国時代より前から干拓事業が行われたりしたことから陸続きとなった。
2011年(平成23年)8月、地方自治体としては初のコミケ出展を行った(ワニブックス社と共同)。ちなみに出展のきっかけは月刊コミックガムにて連載されているめくりめくるという漫画の舞台が倉敷市になってたことからである。
市内各地区の特徴
倉敷市はこれまでに市町村合併を繰り返し、市域を広げてきた。そのため、市内でも地域によって歴史や文化が異なっている。
1928年(昭和3年)に旧倉敷市が発足し、1967年(昭和42年)に児島市・玉島市と新設合併を行ったことで現在の倉敷市が誕生した。その後も都窪郡の庄村・茶屋町を編入し、2005年(平成17年)に浅口郡船穂町・吉備郡真備町を編入したことで、現在の市域が成り立っている。
市役所本庁は倉敷(中心部)にあり、支所は水島・児島・玉島・庄・茶屋町・船穂・真備の7か所に設けられている。
倉敷・庄・茶屋町
- 市の中部~北東部に位置する。市役所が立地し、市の中心部としての役割を果たしている。
- 白壁の建物が多く建ち並ぶ倉敷美観地区があり、県内随一の観光スポットである。→倉敷美観地区
- 駅前再開発により1980年に駅南口に三越倉敷店が出店し、駅周辺が商業地として活性化した。しかし、1999年にイオンモール倉敷が郊外に開業すると売上が減少し、2005年に閉店に追い込まれた。深刻な駅前の空洞化を招いたが、2008年に跡地に天満屋倉敷店が移転開業し、現在に至っている。
- 1997年に駅北口の倉敷紡績の工場跡地に、倉敷チボリ公園が開園した。開演から数年間は好調であったが、年々来園者数は減少し、2008年いっぱいをもって閉園に追い込まれた。跡地は商業施設(と公園)として再開発され、2011年にアリオ倉敷と三井アウトレットパーク 倉敷としてリニューアルオープンした。
- 一方で道路事情については倉敷駅周辺を中心に渋滞が慢性化するなど、多くの課題を抱えている。
- 中庄地区周辺には川崎医科大学(川崎医大)や私立高校などが集まり、学生街となっている。
- 倉敷マスカットスタジアムがあり、プロ野球公式戦やオープン戦、高校野球などが行われる。グラウンドのファールゾーンの広さが全国の球場の中でもトップクラスと言われている。また、倉敷市出身の星野仙一が監督を務めた球団の秋季キャンプなどに利用されることも多い。
水島
- 市の中南部に位置する。重化学工業を中心に発展した地域である。
- 水島臨海工業地帯があり、製鉄所や自動車工場、製油所など多くの工場によって水島コンビナートが形成されている。
- 水島臨海鉄道(別名:ピーポー)が縦貫しており、50年以上前に製造された気動車が現在も旅客に使われている。運賃が高いこともあってか、乗客こそ少ないが、水島工業地帯からの貨物輸送を中心に利益を得ている。
- こうした工業地帯も近いため、地区内には車線の多い道路が多く、通勤ラッシュ時間帯を除けば渋滞が少なくスムーズに通行できる。
- 郊外型の商店が地区内に広く分布している一方で、水島地区の中心街はとても寂れている。これは、今に始まったことではなくかつてからいわれ続けてきたことであり、水島砂漠という蔑称があるほど。
児島
- 市の南東部、岡山県の本土最南端に位置する。繊維産業で栄えた地域で、四国の玄関口でもある。
- 児島駅はJR西日本・JR四国の境界であり、全ての列車が停車する。
- 本州・四国の連絡3ルートで唯一の鉄道道路併用橋である瀬戸大橋が架かる。
- 学生服やジーンズの生産工場が数多くあり、その生産量は日本一となっている。
- 下津井には鷲羽山ハイランドという遊園地がある。設備が古いこともあってか、地味に怖いことで有名なアトラクションが存在する。『モヤモヤさまぁ~ず2』でお馴染みの「ブラジルスキ?」という名言が生まれた場所でもある。
- 児島ボート(競艇場)があり、倉敷市の貴重な収入源のひとつとなっている。
- 倉敷市の大半が備中地方に属するなか、児島の全域と水島の一部が備前地方に属している。
玉島・船穂
- 市の南西部に位置する。江戸時代に貿易港として栄えた港町である。
- 旧市街地には昭和の古い町並みが残っており、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』のロケ地にもなった。
- 山陽新幹線の新倉敷駅があるのがこの玉島地区である。元々山陽本線の玉島駅があり、併設して山陽新幹線の駅が開業することになったので改称された。基本的にはこだま号のみの停車だが、通勤時間帯に限れば一部のひかり号も停車する。
- いわゆる鉄道忌避(玉島港が廃れる)で駅が隣村に造られたという経緯もあり、駅周辺は発展から取り残され、新幹線開業時ですら周辺は田畑ばかりであった。その後は開発が進み、現在では新たな市街地となっている。
- 沿岸には玉島ハーバーアイランドという人工島があり、新たな貿易の拠点として注目されている。
- 日本の渚百選のひとつである沙美海岸がある。国内初の海水浴場の一つとされている。
- 船穂地区ではマスカット・オブ・アレキサンドリアの生産が盛んであり、近年ではそれをワインに加工して出荷を行っている。
真備
- 市の北西部に位置する。古墳や遺跡などが多い、歴史の町である。
- 推理作家の横溝正史が戦時中に疎開していた地であり、金田一耕助シリーズもこの地で生み出された。近年は金田一耕助らのコスプレをした集団が真備の町を練り歩くイベントが行われていたりする。
- 総社市との結びつきがもともと強く、現在もゴミ収集は総社の圏域で行われている。
- 人口に対してスーパーマーケットが多く立地しており、激戦区となっている。しかし、後述の豪雨災害で被災し閉店する店舗も相次いだ。
- 西日本有数のたけのこの産地として有名である。
- 平成30年7月豪雨(2018年)では小田川などの決壊により大規模な浸水被害が発生。50人以上の犠牲者を出したほか、多くの住民が避難生活を余儀なくされた。被災した商業施設や病院なども徐々に再開され、復興に向けて長い道のりを歩んでいる。
主な名物・特産品
交通
鉄道
通勤・通学ラッシュの時間帯は山陽本線や瀬戸大橋線を中心に車内が混雑するが、大都市圏のような超満員になることは滅多に無い。
瀬戸大橋線は快速マリンライナーが毎時2本のほか、特急しおかぜ・南風も毎時1本運行。伯備線は特急やくもが毎時1本運行。山陽本線の快速サンライナーは2022年春のダイヤ改正をもって運行終了となった。寝台特急はサンライズ瀬戸が児島駅に、サンライズ出雲が倉敷駅に停車する。
道路
市内は典型的な車社会のため、。ただし市中心部や旧国道2号などは交通量の割に対面通行の場所が多いため、日中は慢性的に混雑している。通勤ラッシュ時間帯は水島工業地帯周辺や真備の川辺橋周辺などでも渋滞が発生する。
また、市内を含め岡山県内は用水路に柵の無い所が多いため、転落事故が多発している。柵の設置が進められているものの、未設置個所が無数にあるため、車両、歩行者問わず注意が必要である。
出身著名人
- 大山康晴:将棋棋士
- 星野仙一:プロ野球選手・監督
- 高橋大輔:フィギュアスケート選手(2010年バンクーバーオリンピック銅メダリスト)
- 荒木絵里香:バレーボール選手(2012年ロンドンオリンピック銅メダリスト)
- 水道橋博士:タレント・政治家
- MEGUMI:タレント(出生地は島根県松江市)
- 藤木直人:俳優・タレント
- miyake(mihimaru GT):ミュージシャン など
関連動画
関連項目
関連サイト
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