偶然の出合いとは、上の方針で爆死したマジック:ザ・ギャザリングのカードである。
概要
Chance Encounter / 偶然の出合い (2)(赤)(赤)
エンチャント
あなたがコイン投げに勝つたび、偶然の出合いの上に運勢(luck)カウンターを1個置く。
「オデッセイ」ブロックで登場した特殊勝利サイクルの1枚。残りは
- 白:《忍耐の試練》(自分のライフが50点以上あると勝利)
- 青:《機知の戦い》(自分のライブラリー(山札)が200枚以上あると勝利)
- 黒:《死闘》(自分の墓地(捨札)が20枚以上あると勝利)
- 緑:《勇壮な戦闘》(自分がクリーチャーを20体以上コントロールしていると勝利)
《偶然の出合い》以外は賞金付きの大型大会で真面目に使用された実績がある。
コインを投げる
マジック:ザ・ギャザリングは、ゲームシステム的にコイン振りを行わない。そして、《偶然の出合い》自体にもコイン振りをする効果はついていない。
つまり、他のカードの効果でカウンターを貯めるしかない。「オデッセイ」がスタンダードにあった2001-2002年頃、運勢カウンターを増減するカードは「アルファ(最初のセット)」から全カードをリストを探しても存在したかどうか怪しいレベルであり、実質的には他のカードのコイン振り効果でコインを振り、10回勝利するしかなかった。
それでもポケモンカードゲームのようにコイン振りするカードでいっぱいなTCGならチャンスはあったかもしれない。
しかし、マジック:ザ・ギャザリングのコイン振りカードはそれ自体が一種のロマンカードとしてデザインされており、種類自体が少なかった。しかも、コイン振りカードの大半は使い捨てか1ターンに1枚しか振れなかった。
コイン振りカードを入れるだけ入れても10回勝つどころか10回振れるかすら怪しく、晴れてコイン振りに10勝したとしても、次の自分のターンが来るまでこのカードを守り切らないといけない(正確には自分のターンが来てももうちょっと頑張らないといけない)。
あまりにも絶望的である。
「オデッセイ」ブロックが出てから10年以上経っていることもあり、2016年現在ではサポートに使えるカードがいくらか出ている。特に「カウンターを増やす」系統の効果を持つカード達がそこそこ登場したので、コイン振りに頼らず勝利条件を達成することが可能になっている。
エターナル環境(レガシー、ヴィンテージなど)でカウンターを貯めるヒマを与えてくれるかどうかはさておき。
コインを投げさせてもらえない
上記で絶望的な勝利条件であることを記述したが、実は当時のエクステンデッド環境では《熱狂のイフリート》というカードがあり、これを使うことで真面目に戦えるデッキが作れる可能性があった。
Frenetic Efreet / 熱狂のイフリート (1)(青)(赤)
飛行
(0):コインを1枚投げる。あなたがコイン投げに勝った場合、熱狂のイフリートはフェイズ・アウトする。あなたがコイン投げに負けた場合、熱狂のイフリートを生け贄に捧げる。(それがフェイズ・アウトしている間、それはそれが存在しないかのように扱う。それはあなたの次のアンタップ・ステップの間であなたがアンタップする前にフェイズ・インする。)2/1
テキストはMTG wikiより引用
このカード自体もいろいろ逸話のある強力カードだが、それらは脇に置く。ここで重要なのは0マナだけ(コストなし)で好きなだけコインを振り、勝敗をつけられることである。ただし、効果解決までしてしまうと、勝っても負けても《熱狂のイフリート》が消えてしまうので、先にコインを振りたい回数だけ能力の使用を宣言する必要がある。
《熱狂のイフリート》と《偶然の出合い》が出ている状態で、対戦相手のターン終了時にコイン振り効果の使用を宣言。1万回も宣言しておけば、10回くらい余裕でコイン振りに勝てるだろう。
しかし、残念なことに「オデッセイ」が発売される前に《熱狂のイフリート》は無限にコインが振れないようパワーレベル・エラッタがかけられてしまった。[1]エラッタ理由はWizard社のサイトに記事が残っている。【該当記事へのリンク】
曰く、「3ターン目に《熱狂のイフリート》を出し、4ターン目に《偶然の出合い》を出す。これで決着するのはヤバい」とのこと。片割れは完全にコンボ専用なのにそこまでビビるもんだったの?
かくして、《偶然の出合い》は唯一の相方を登場前に失って終了した。当時にこのコンボを野へ放ったらどんなことになったかは永久に闇の中である。
2006年頃から始まったパワーレベル・エラッタ解除の流れの中で、《熱狂のイフリート》のエラッタは2009年4月24日に解除された。よって、現在ではこのコンボをエターナル環境で使用可能である。大会結果から察するに、少なくとも《閃光》ほどヤバいもんではなかったようではある。
関連項目
脚注
- *「自分が戦場にいること」を効果解決の条件に追加されてしまった。宣言自体は無限にできるが、1回コインを振って結果が出た時点で《熱狂のイフリート》が戦場から消えてしまい、残りは不発にされコインが振れない。
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