僕とは、以下の意味・読み方を持つ言葉である。
- (しもべ) - 男性の召使いのこと。「下僕」などの僕のこと。
- (ぼく) - 男性の身分の低い者。
- (ぼく) - 日本の一人称の一つ。主に男性が用いる。この記事で解説する。
- (やつがれ) - 「手前共」「身分の低い自分」という意味合いのへりくだった古い表現。上記の一人称の語源の一つ。これをぼくと読んで使ったのは明治時代になってから。
概要
もともと僕という漢字は現在でも「下僕」「公僕」などの言葉があるように、身分の下の者に当てられる言葉であり、自分で自分の事を僕と呼ぶ場合は主に謙遜の為に使われていた。(読み方はそれぞれの時代で異なる)
現在では幼少期の男児や、優男風の男性がよく使う一人称として使われる。「俺」よりも緩やかなニュアンスで親しい間柄などで用いられるが、社会に出た場合、目上の人に対するときなどはよりあらたまった「わたくし」、或いは「自分」を用いる。また小さい男児に対しての呼びかけ(二人称)にも使われる。
【僕】と【ボク】【ぼく】では同じ一人称を表す言葉ではあるがそのニュアンスが異なる。一般的な例に漏れず漢字表記の方は硬い印象を持ち、本来の意味である男子の一人称であることが多い。一方【ボク】【ぼく】と書いた場合は、いわゆるボクっ娘の表現、もしくは漢字をあまり用いない幼児の一人称を表していることが多いようである。
漢字として
僕
- Unicode
- U+50D5
- JIS X 0213
- 1-43-45
- 部首
- 亻部
- 画数
- 12画
㒒
- Unicode
- U+3492
- JIS X 0213
- 2-1-94
- 部首
- 臣部
- 画数
- 15画
- 意味
- 下僕、男の奴隷、男の召使、車の御者、辱める、隠す、という意味がある。また自己の謙称として使われる。日本語では男性の(謙遜の意のない)自称として用いられる。
- 〔説文解字・巻三〕に「給事する者なり」とある。
- 字形
- 人+菐の会意説、菐声の形声説がある。金文には職業の名として使われ、その後下僕の意味ができ、謙称として用いられるようになった。
- 音訓
- 音読みはホク(漢音)、ボク(呉音)、訓読みは、しもべ、やつがれ。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。当用漢字にはなく1981年に常用漢字に採用された。
- 語彙
- 僕役・僕御・僕使・僕従・僕妾・僕賃・僕婢・僕夫・僕僕・僕射・僕纍・僕虜・僕隷
異体字
関連項目
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