優生学単語

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優生学英:eugenics)とは学問の1つである。優生学のような思想のことを優生思想という。

概要

定義

優生学について辞書に載っている定義は次の通りである。

人類の遺伝的素質を善することを的に、悪性の遺伝形質の淘汰と優良な遺伝形質の保存増加について研究する応用遺伝学の一分野。

-明鏡国語事典初版)より引用-

悪い遺伝を避け、よい遺伝を残して、子孫を優良にする的で、配偶者の選択や結婚上の問題を科学的に研究する学問。

-岩波国語辞典(第7版新版)より引用-

分類

優生学は、優良な遺伝形質を持つ人の生殖を奨励する積極的優生学と、悪性の遺伝形質を持つ人の生殖を制限する消極的優生学とに分けられる。

悪名高くて特に注されるのは消極的優生学の方である。その消極的優生学にも様々な考え方があり、列挙すると次の4通りになる。

  1. 悪性の遺伝形質を持つ劣った者に対して結婚を許し、強制的に断種して生殖を喪失させることも行わないが、子作りを奨めず養子をもらうことを奨める
  2. 悪性の遺伝形質を持つ劣った者に対して結婚を許すが、強制的に断種して生殖を喪失させ、養子をもらうことを奨める
  3. 悪性の遺伝形質を持つ劣った者に対して結婚を許さない
  4. 悪性の遺伝形質を持つ劣った者を殺する

1.は最も穏健な考え方である[1]

2.は悪性の遺伝形質を持つ劣った者の自己決定権を大きく侵しており、人権の程度が甚だしい。2.の典例は日本民優生法・優生保護法であり、1907年に成立した米国インディアナ州の断種法であり、1933年7月14日に成立したドイツの遺伝病子孫予防法である。

3.は悪性の遺伝形質を持つ劣った者に対して生涯にわたって独身であることを強要するものであり、幸福追求権を大きく侵しており、人権の程度が甚だしい。3.の典例は1896年に成立した米国コネティカット州の結婚制限法である。

4.は最も過で最も甚だしく人権を侵する考え方である。1933年1945年ナチス・ドイツが4.の考え方に従って政策を研究し、「生きるに値しない命」という表現をして精神病患者などを然と殺するT4作戦exitという政策を実行した。日本においても2016年7月26日植松聖という人物が4.の考え方に従って相模原障害者施設殺傷事件exitを起こした。

歴史

1859年にチャールズダーウィンが『種の起』を発表し、進化論を提唱した。それにされた人々の一部が、20世紀初頭に優生学というものを作り上げ、悪性の遺伝形質を淘汰して優良な遺伝形質を増加させることについて研究するようになった。

優生学を英語にするとeugenicsになるが、この言葉を1883年に作ったのはフランシス・ゴルトンという人類学者で、チャールズダーウィン従兄弟である。また、フランシス・ゴルトンは優生学のと位置づけられている。

20世紀になってアメリカ合衆国ドイツ北欧日本といった先進国で優生学に基づいた断種法が成立していき、政府の手によって断種が行われた。

優生学というとナチス・ドイツもが連想するが、そのナチス・ドイツよりもアメリカの方が優生学的な政策を開始した時期がく、また実施していた期間も長い。アメリカの優生政策がむしろドイツを与えた[2]

1970年代以降に優生学は大きく批判されるようになり、「民族衛生」や「絶滅政策」といったナチスの政策と結びつけて認識されるようになり、れた[3]

親和性の高い思想・社会形態

株主資本主義株主至上主義という思想がある。この思想は新自由主義市場原理主義)の中核とも言うべき思想である。この思想は成果主義能力主義によって労働者の賃下げを実行しようとする傾向が非常に強く、「無能な者は結婚できない準にまで賃下げしてもよい」と考える傾向が非常に強い。そうした考え方は消極的優生学の3.の「悪性の遺伝形質を持つ劣った者に対して結婚を許さない」とよく似たものである。

階級社会という社会形態がある。階級社会においては下位階級の人権を侵することが日常的に行われる。階級社会を形成した国家なら、消極的優生学の2.(断種政策)や3.(結婚制限政策)や4.(殺政策)が支持される。階級社会を形成していないは消極的優生学の2.(断種政策)や3.(結婚制限政策)や4.(殺政策)をなかなか実行できない。

消極的優生学の問題点

優秀な人を萎縮させ、社会の生産性に打撃を与える

消極的優生学とは悪性の遺伝形質を持つ人の生殖を制限するものであり、簡単に言うと、劣った者を迫するものである。

一方で、人は認知バイアスに悩まされている生物であり、ダニング=クルーガー効果に縛られている生物である。優秀な人ほど「自分は劣ったところがある」と認識する傾向がある。

このため、消極的優生学に基づいた政策を実行して劣った者を迫すると、優秀な人が「自分は劣ったところがあるので迫されるかもしれない」と萎縮するようになり、おびえるようになる。優秀な人は社会の要職に就いているものであり、優秀な人が心の片隅で萎縮やおびえに悩まされるようになると、社会全体の生産性にも悪が出てくる。

消極的優生学に基づいた政策を実行して劣った者を迫すると、悪性の遺伝形質を持つ人を世話する医療費や介護費といった費用を削減できるが、優秀な人をおびえさせて社会の生産性を低下させるので、社会全体を見通すとさしたる利益にならず、むしろ損失を発生させる可性がある。

全ての人を萎縮させ、社会の生産性に打撃を与える

繰り返しになるが、消極的優生学のことを簡単に言うと、劣った者を迫するものである。

一方で、人は1日24時間のなかの3分の1にあたる8時間程度を睡眠にあてる生物であり、「極めて劣った状態」を大量に必要とする生物であり、本質的に「劣った者」である。「自分が本質的に『劣った者』である」という現実は、人ならでも薄々ながら自覚している。

このため、消極的優生学に基づいた政策を実行して劣った者を迫すると、理論上はすべての人が迫になってしまい、すべての人を萎縮させておびえさせることになる。全ての人が心の片隅で萎縮やおびえに悩まされるようになると、社会全体の生産性にも悪が出てくる。

消極的優生学に基づいた政策を実行して劣った者を迫すると、悪性の遺伝形質を持つ人を世話する医療費や介護費といった費用を削減できるが、全ての人をおびえさせて社会の生産性を低下させるので、社会全体を見通すとさしたる利益にならず、むしろ損失を発生させる可性がある。

消極的優生学の否定

消極的優生学の正反対の考えというと、「障害者であっても世話をして延命させるべき」という思想である。そうした思想から、障害支援施設を運営する社会政策が生まれる。

障害者を世話する社会政策には社会保障費という費用がかかるし、人的資も消費する。しかし「劣った人であっても世話してもらえる」という風景を人々に見せつけることで、「自分には劣ったところがある」と思い込んでいる優秀な人の萎縮やおびえを除去する作用があるし、「自分は1日24時間のなかで8時間も睡眠をしていて劣ったところがある」と認識している全ての人の萎縮やおびえを除去する作用がある。

障害者を世話する社会政策の社会保障費は、萎縮除去費である」と割り切って考えることが、内閣における予算編成のときの議論国会における予算議決のときの議論において必要であると言える。

「強い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」

「強い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」とはチャールズダーウィン言ってないセリフである。著作のどこにもそのような言葉は載っておらず。もちろんダーウィン理論の要約ということでもない。進化論と何ら関係のない言葉ではあるのだが、その分かりやすさ故かダーウィン言として広まっている。

ダーウィン進化論は適者生存であるが、ここでいう適者とは強い者でも変化する者でもなく、偶発的に環境に適応した者をす。生物は世代を経るごとに突然変異で同一種族の中でも微妙な違いが出てくる。例えばA,B,C,D,Eと個性の異なる者の中からたまたまCが自然環境に合致し、他のA,B,D,Eは滅んだ時、その種はCの特徴を持つようになる。自然界ではある環境では「劣等」と見なされた特徴が別の環境では生き残りに適した特徴となることも多い。すなわち進化とは偶然の産物であり、優生思想と進化論理論的に相容れないものである。

関連リンク

Wikipedia記事

関連項目

脚注

  1. *養子は江戸時代日本で非常に盛んに行われた。「江戸時代系図をみてみたが養子が多くて驚いた」といったことをる人がTwitterにも多く存在する(検索例exit)。
  2. *『優生学と人間社会 講談社現代新書講談社、ぬで次郎松原洋子、 容孝』36ページ
  3. *『優生学と人間社会 講談社現代新書講談社、ぬで次郎松原洋子、 容孝』208ページ

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優生学

1156 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 08:58:32 ID: AQEWqdOk+c
優生思想は前提からし科学的に誤っているということか
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1157 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 09:16:46 ID: mV9jI/H/jB
>>1128
賛同者がいないことを馬鹿にするって、あなたもしかしてクルド人掲示板クルド人に対するジェノサイドを肯定する意見を批判する書き込みも馬鹿にする人?
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1158 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 10:29:37 ID: 9ZDxHnLFxK
>>1147
夜警国家おじさん粘着する理由だって、「実社会だとからも相手されないけどここなら構ってもらえるから」だもんな
これってもはや立な福であり介護だよな
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1159 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 12:10:42 ID: U/WvfzUGEJ
ひゃっさんニキママじゃないんやで
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1160 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 20:00:12 ID: UxghM5P4RN
>>1154
そ う だ よ(大

優生思想って自然環境の厳しさとやらをベースにしてるフリはするけどそれに対して一ミリ実であろうとしないからね
ここでも畜やら競争やらを引き合いに出す人いるけど、それらがどれだけ静的な環境を人為的に作ってきた努の結果であると同時にその静的な環境がどれだけ脆く遺伝的に高々一桁世代でに帰すものなのか調べてほしくなる
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1161 ななしのよっしん
2024/04/23(火) 01:57:05 ID: zsiD0tomhr
ダーウィンのいとこゴルトンの「現代社会自然界にある淘汰が失われ、逆淘汰で価値の低い人たちが増える」のせいで、そこに人為性が生まれてしまった。
でも当時の知識人は産業化による精神障害犯罪アル中売春の特効を探してたので…(お察し)
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1162 ななしのよっしん
2024/04/23(火) 02:33:22 ID: BsxRZIOYs9
>>1154
優生思想自然淘汰のシステムを阻するという点はあってると思う。
けど、優生学者は自然淘汰説の考え方を前提にしたという説明もあるから
優生思想ダーウィン自然淘汰説は、全に切り離せるものではないと自分は考えたなー。

『旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時の支給等に関する法律第21条に基づく調報告書』
の第3章で優生学歴史についてまとめられてるんだけど、そこのp6p7p44p45に上記の説明は出てくる。

つまり優生学者は自然淘汰説を前提にして考え、その結果として逆淘汰が起きると推測して優生学による対応を図ったので、
優生思想ダーウィン自然淘汰説は、全に切り離せるのだろうか?というのが自分の意見。
ダーウィン自身も逆淘汰に対する対策こそ述べてないが、文明社会では自然淘汰が生じず逆淘汰が起こることを予想しているし。

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1163 ななしのよっしん
2024/04/23(火) 04:31:37 ID: BsxRZIOYs9
>>1151
手短に見れるのだとwikipedia優生学の「現代の優生政策」の章とか参考にできると思う。
個人の自己決定に基づくリベラル優生学によって、遺伝性疾患の予防ができてる事例がある。

あと以下話が長くなってしまうけど、優生学者プレッツは「生殖衛生学というのは、淘汰を望まない社会と、淘汰を望む人種衛生学、優生学の対立に関する々の解決策は選別という問題に関するかぎり、人間の淘汰と除去を、それが生まれてくる細胞の段階に移行させ、生殖細胞を人為的に淘汰すること、これに他ならない」なんてことを過去に言っていた。
この発言の注点は、当時は世代に対する婚姻統制、不妊手術や中絶手術しか手段がなかったけれど、現代の出生前診断、着床前診断といった技術を使えば「人間の淘汰と除去を、それが生まれてくる細胞の段階に移行させ、生殖細胞を人為的に淘汰すること」ができるよねという点。
優生学的は、人類の遺伝的素質の善なので、直接次世代に干渉できるならば、わざわざ世代に干渉しなくてもいいわけ。
(ただし実際に遺伝するのか不明だとしても、障害者は子供を産んでも育てられず、子供と同様福の世話になるという理由や、月経の処理が自分でできないという理由で、旧優生保護法でも認められていない子宮の摘出手術が行われた歴史がある。そのため、障害者への断種手術をする動機は優生学とは別に残り続けると思う。)
現代の優生政策の結果、遺伝性疾患の予防という成果が得られていること、加えて優生学の手段に転用できる技術の成長を踏まえると「根拠のある優生学をどこまで認めるか」といった議題が出てくるのは必然だと思う。
中絶関連で一つ
障害は不便である。しかし不幸ではない」といったニュアンスの、もとはヘレン・ケラーの言葉があるが、「人生に高潔さを与えるのは幸福、知性、才覚の可性であり、不健康な、奇形の、麻痺した、思考をしない生き物の場合、それらは存在しない」「精神障害者はほぼ確実に、潜在的な犯罪者になる」というのもヘレン・ケラーの書簡の言葉。
最初の彼女の言う「障害」は、あらゆる障害を念頭に置かれたものだろうかという疑問がある。(まあ、書簡が発表された1915年のアメリカ優生学事情のこと考えると時代相応とも思う。)
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
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1164 ななしのよっしん
2024/04/23(火) 22:32:31 ID: BsxRZIOYs9
>>1162
ミス
×彼らは自然淘汰によって逆淘汰という良からぬが出る
〇彼らは自然淘汰が行われないことによって逆淘汰という良からぬが出る
>>1163
産んでも育てられず福の世話になるという理由で断種が行われたり、他には月経の処理の問題から違法な子宮の摘出手術が行われたりした。
元の文章が、産んでも育てられないという理由で子宮の摘出が行われたな文章になってたから修正。
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1165 ななしのよっしん
2024/04/24(水) 00:40:31 ID: UxghM5P4RN
逆淘汰、進化論明期ならではの発想だなあ
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