元旦とは、1月1日(元日)のこと。または1月1日の朝(元朝:ガンチョウ)のこと。
概要
元旦とは、年の初めである「1月1日」を意味する言葉。または「1月1日の朝」を意味する言葉である。
「元」は「最初の」、「旦」は「一日」を意味する漢字で[1]、「元旦」は「暦で最初の一日」を意味する言葉である。古くは農事暦の初日を指し、時代によって10月・11月・12月・1月いずれかの朔日があてられていたが、前漢の武帝の治世に(太陰暦の)1月1日が元旦と定められた。日本でも15世紀の用字集で「元旦 ゲンタン 正月一日」と確認することができる。
元旦を「元日の朝」とするのは後世の日本で生まれた用法で、「旦」の字を太陽(日)が地平線(_)から昇るさま(日の出)に見立てたものと考えられる。17世紀にイエズス会が編纂したポルトガル語の『日葡辞書』にも「元旦」の語に「1月1日の朝」の解釈があったと考えられる部分があるという。
かつては「元旦=1月1日」とする解釈が支配的だったようだ。たとえば日本初の近代的国語辞典とされる『言海』(1889年)では元旦を「元日」と説明するだけで「元日の朝」という解釈を載せていない。後続の『日本大辞書』(1893年)、『日本大辞林』(1894年)、『辞林』(1907年)、『国民日用辞典』(1912年)、『現代新辞林』(1915年)なども同様で、辞典類で元旦を「元日の朝」とも説明する例が散見されるようになるのは『大日本国語辞典』(1916年)や『言泉』(1922年)など1910年代後半以降のようである。
しかし近年では本来の用法である「元旦=1月1日」に違和感を持ち「誤り」とまで感じる人が増えてきていると言われている。 例えば『三省堂国語辞典』は第四版(1992年)より従来の「1月1日」の意味に「あやまって」の注を追記するようになり[2]、これより後に出版された『大辞泉』(1995年)でも「本来は元日の朝」と解説されている。日本で元旦と元日を違う意味として使い分ける文化が広まり出したのは1990年頃からと考えられる。
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関連項目
脚注
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