『兄弟拳バイクロッサー』とは、東映製作の特撮作品、及びそれに登場するヒーローの名前である。
1985年1月10日から同年9月26日にかけて全38話(再放送4話含む)が日本テレビ系にて放送された。
概要
兄弟ヒーローと悪の組織との闘いを描いた特撮作品。前年に放送された『星雲仮面マシンマン』の後続企画で、レギュラーのキャラクターや舞台、ストーリー展開など共通点も多い。
原作は石ノ森章太郎であるが、マシンマンと同じくこちらもヒーローのデザインは玩具先行である。
あらすじ
犯罪組織デスターの首領・ドクターQは、子供の泣き声を聞くとダイヤモンドを吐き出す魔神ゴーラの像を探し当てた。
謎の光を追ってツーリングをしていた水野拳と水野銀次郎の兄弟は、偶然にも発掘現場の付近を通ったためにデスターに襲われ、崖下へ転落してしまう。
しかし二人は銀河系の守護神であるペガサスに救われ、地球を襲う災いに立ち向かうための超能力を与えられた。かくして二人は兄弟拳バイクロッサーとなり、平和を乱すデスターとの闘いに身を投じるのであった。
登場人物
- 水野拳 (演:金子哲)
- 水野家の長男で大学生。1965年1月1日午前1時1分生まれ。趣味はプラモデル作り。大学では工学部に所属しており、研究室でデスターが作戦に用いた物質の分析を行うこともあった。愛車はスズキ・GS250FW。
- 水野銀次郎 (演:土家歩)
- 水野家の次男で高校生。1968年2月2日午前2時2分生まれ。趣味はコンピュータで、デスター・ロボの分析を行うこともあった。愛車はスズキ・RG250Γ。
- 竹田あけみ (演:沢近恵子)
- 水野家の近所にある何でも屋「キャッツ・ワーク商会」で働いている女性。度々デスターの作戦に巻き込まれる。
- 竹田大吉 (演:相馬剛三)
- あけみの父で、娘と一緒にキャッツ・ワーク商会を営んでいる。娘同様、デスターの起こす事件に巻き込まれることもしばしば。
- 子供達
- 水野家の近所に住んでいる子供達。度々デスターの作戦の被害に遭う。
- 水野幸介 (演:野村昇史)
水野勝子 (演:中真千子) - 水野兄弟の両親。中盤で幸介が転勤になり、勝子もそれに付いていったために兄弟は二人暮らしになった。
- ペガサス (声:瀬能礼子)
- 地球から87億光年の彼方にある海蛇座第Ⅲ銀河星団の守護神。地球に起こりうる災いに対処すべく、水野兄弟をバイクロッサーに選んだ。
- ナレーター (声:小林修)
- 『星雲仮面マシンマン』に引き続き、本作でも小林氏がナレーターを担当する。
デスター
ドクターQを首領とする犯罪組織。魔神ゴーラの像にダイヤモンドを吐かせるべく、子供をターゲットに様々な作戦を遂行し、子供の泣き声を集める。 中盤でゴーラゾンガーがやって来てからは目的を世界征服へと変更したが、やること自体はあまり変わらなかった。
- ドクターQ (演:潮建磁(潮健児))
- デスターの首領である悪の天才科学者。ダイヤモンドを好み、魔神ゴーラの吐き出すダイヤも資金調達というよりコレクションのために集めていた節があった。
- シルビア (演:高橋みどり)
- デスターの女指揮官。Qの忠実な部下だが、時には自分のために行動を起こすこともある。
- リタ (演:羽田圭子)
- 中盤から登場したデスターの新幹部にしてQの孫娘。Qのことを「お爺ちゃま」と呼んでは「ドンと呼びなさい!」と窘められる。シルビアとは度々衝突し、それが原因で作戦が失敗することも多々あった。
- デスター・ロボ
- デスターの主戦力であるロボット。最初はドクターQが設計から製作まで行っていたが、中盤からゴーラゾンガーが吐き出す設計図を元にドクターQが製作するようになった。ボディのデザインは共通であり、個体毎に頭部や手足が異なる。
- ブラックマン
- デスターのアンドロイド戦闘員。全身黒ずくめに機械的なマスクが特徴的な外見をしており、人間に変装することも出来る。 機密保持のための自爆装置が内蔵されている。
- 魔神ゴーラ (声:仁内達之)
- 海蛇座第III銀河星団から地球に飛来した魔神像。子供の泣き声を聞くとダイヤモンドを吐き出す。 子供の泣き声によって吐き出されるダイヤモンドも異なるが、泣き声の原因が消える(デスターの作戦が失敗する)と全て石や砂になってしまう。 最終的にバイクロッサーに破壊されたが、その際にゴーラゾンガーを呼び寄せ、魂は母星へと帰っていった。
- 悪神ゴーラゾンガー (声:沢りつお)
- 魔神ゴーラが呼び寄せた新たな魔神で、自我を持つコンピューターである。ドクターQに手を貸す形ではあるが、実質的にデスターの主導権を握っている。
兄弟拳バイクロッサー
地球上で唯一1965年1月1日午前1時1分生まれと1968年2月2日午前2時2分生まれの兄弟ということで全宇宙の意志により選ばれた水野兄弟が、ペガサスに与えられた超能力で変身した姿。拳が変身した姿をバイクロッサー・ケン、銀次郎が変身した姿をバイクロッサー・ギンと呼ぶ。
有事の際には水野兄弟の部屋にある洋服ダンスが異次元空間への入り口となり、そこへ兄弟が飛び込むことでバイクロッサーとなる。タンスを通らなくても異次元空間へ行くことはできるが、タンスが通常空間と異次元空間との一種の接点になっているらしく、泥棒に盗まれた際はあわや変身不能となるところであった。
装備・技
- 超能力
- 兄弟間でのテレパシーや悲鳴をキャッチする聴覚など、バイクロッサーとなったことで水野兄弟は生身でも様々な超能力を使えるようになっている。
- クロススーツ
- バイクロッサーの強化服。ケンが赤、ギンが青を基調としている。
- クロスボンバー
- ギンがケンの肩を踏み台にジャンプし、敵にパンチをくらわせる技。合体技の中でも多用された。
- クロスアタック
- 二人が腕を組んで行うラリアット。
- クロスハリケーン
- ケンに放り上げられたギンが空中で回転し竜巻を起こす技。
- クロスパワー
- スリングフラッシャーでエネルギーを充填させたクロスブレードを二人で振るう技。
- その他の合体技
- 強風を利用して敵の目を眩ませる風塵烈や、敵の武器を利用した飛跳烈など、その場の状況を利用した様々な必殺技を見せた。 その殆どが兄弟のコンビネーション無くして成せる技ではない。
- ブレーザーカノン
- バイクロッサー最大にして最強の必殺技。ギンの乗ったギンクロンをケンが肩に担ぎ、2人の「シューティング!」の掛け声でヘッドライトから発射される波動砲。エネルギー源は太陽光。 強力無比な威力であるが、発射までの隙が大きいことと、再発射までのエネルギー重点に時間が掛かることが弱点。
ケンの武装
- クロスホルダー
- ケンの腰に備えられたケース状のホルスター。各種武装を収納している。
- クロスブレード
- クロスホルダーに収納された剣。
- バスタークロス
- クロスホルダーに収納された光線銃。
- ケン・フリスビー / ケン・クラッシャー
- 円盤状の爆弾。外見上での区別は容易なものの、両方とも投擲用の爆弾として明確な使い分けはされなかった。
- ディメンジョン・アイ
- 透視能力。発動時には両目が光る。
- ディメンジョン・サーチャー
- 頭部のアンテナに備わった探知機能。
ギンの武装
マシン
- 母艦スターコア
- ケンローダーとギンクロンを格納しているバイクロッサーの母艦。普段は異次元空間で待機している。ドーム状の部分は開閉し、兄弟が異次元空間へ移動する際にここから光線を発射する。
- ケンローダー
- ケンが乗る空飛ぶタンク。飛行速度はマッハ5で、翼を収納しタイヤを出すことで地上走行も可能。武装は両翼のビーム砲「ケンビーム」。二人乗りで、後部にはギンクロンを格納できる。
- ギンクロン
- ギンの乗るバイク。最高速度は400km/h(玩具のCMによると最高時速が399.6km/h、飛行速度がマッハ1)。スターコアから直接飛び立つこともあれば、ケンローダーに格納されて出撃することもある。
楽曲
オープニング「たたかえ!バイクロッサー」
作詞:石ノ森章太郎 / 作曲:菊池俊輔 / 編曲:馬飼野康二 / 歌:高橋元太郎
エンディング「その名も兄弟拳バイクロッサー」
作詞:八手三郎 / 作曲:菊池俊輔 / 編曲:馬飼野康二 / 歌:高橋元太郎
挿入歌「おれとおまえはバイクロッサー」
作詞:石ノ森章太郎 / 作曲:菊池俊輔 / 編曲:川上了 / 歌:藤原誠
挿入歌「ゴーゴー!ケンローダー」
作詞:八手三郎 / 作曲:馬飼野康二 / 編曲:川上了 / 歌:藤原誠
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関連項目
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