光genji通達、別名芸能タレント通達(芸能人タレント通達)とは、
労働基準法の、年少者の深夜労働の解釈として、当時の労働省が(労働基準局長名で)1988年に発した通達である。 (昭和63年7月30日基収355号)
光GENJIの人気があまりに過熱し、当時中学生であった、赤坂晃及び佐藤敦啓が、生放送のTV番組に出演できないことに対する、国民の不満に対処することを目的とした通達とみられたため、俗称光GENJI通達と呼ばれる。
なお、ジャニーズ事務所が所属タレントの肖像の扱いに厳しい姿勢で臨む契機となった訴訟が1989年にあった。これは俗称、パブリシティ権に関する「光GENJI事件」(東京地方裁判所 平成元年9月27日判決)と呼ばれ、日本国の裁判所で判決文に「パブリシティ権」という文言が使われた初出事例とされる。光GENJI通達、光GENJI事件、1988年2月21日に発生した「砧南中学校 机「9」文字事件」の3者は、相互に関係がない。
概要
日本国憲法第27条第3項は「児童は、これを酷使してはならない」としている。
これを受け、労働基準法第56条は
「使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、別表第1第1号から第5号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても、同様とする」としている。
つまり、原則として中学校卒業までは労働させてはならない。特例として、官庁の許可を得て、有害でない特定の労働を13歳以上の児童にさせられる。映画・演劇等の事業の場合は、年齢制限がないという事である。
また、労働基準法第61条は
「使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
2 厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後11時及び午前6時とすることができる。
3 (略)
4 (略)
5 第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項の規定によつて使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする」としている。
つまり、18歳までは原則深夜労働規制。16歳までは交替制以外の深夜労働禁止。中学卒業までは全ての深夜労働禁止。中学生以下の年齢で、特例として労働に従事している者は、当然深夜労働させることは禁止され、時刻についてもより厳しく保護されている。
本件は、光GENJIのメンバーのうち、年少者の深夜業について、労働基準法第56条及び第61条に関する諸条文を、どのように有権解釈するかに関しての通達である。
通達の内容
すなわち、光GENJIの出演に関して、国会や関係機関で議論が行われた結果。芸能人において一定の条件(他人によって代替できないこと。“人気”等当人の個性が重要な要素となっていること。契約形態が雇用契約でないこと等)を満たした者は「表現者」とみなし同法を適用しない(端的には「人気の無い者は労働者とみなす」)という内容である。
当局においては,これら申請に係る子役あるいはタレントについては,一般にその所属する劇団あるいは事務所との間に労働契約関係があるものと考えるが,なかには,その人気の程度,就業の実態,収入の形態等からみて,労働契約関係ありとみるには疑問なしとしない事例が散見されるところである。そこで,これらの事例については,下記の通り取り扱ってよろしいか,お伺いする。記二 当人に対する報酬は,稼働時間に応じて定められるものではないこと。「答 貴見のとおり。」
その後
1999年に、大森玲子は、上記の表現者とみなすことを否認された。
その見解については、2000年4月13日の、第147回国会青少年問題に関する特別委員会において、ジャニーズ事務所の諸問題と共に示されているので、議事録の一部を以下に引用する。
……略……
「○阪上委員 昭和六十三年に、ジャニーズ事務所では光GENJIというグループに大変人気がありました。当時十四歳のメンバーが深夜の歌番組に出演した疑いで労働基準監督署が調査に入りました。このときはなぜ問題にならなかったのですか、お伺いをいたします。
○野寺政府参考人 御指摘の光GENJIの件でございますけれども、昭和六十三年の六月に、事務所を管轄いたします労働基準監督署が調査をいたしております。このときの調査によりますと、報酬面や、あるいは先ほど申しましたように税法上の取り扱い、事業所所得として課税されているといったような実態から見まして、労働者とは認められないというような判断をしたわけでございます。したがいまして、特段の指導は行っておりません。
○阪上委員 それではお聞きいたしますが、昨年十二月に、大手プロダクションのホリプロ所属のタレントが大阪の毎日放送に深夜出演したことで、大阪府警がホリプロと毎日放送の社員を労働基準法違反の疑いで書類送検をいたしております。ホリプロは摘発されてジャニーズ事務所は許されるというのはおかしいのではないかという声をよく聞きました。
ジャニーズ事務所に対する報道がある以上、少年たちの教育的な見地から、事務所の実態調査を行い、必要な指導を行うべきではないかと思います。平成十年あるいは十一年に実態調査に入られたと聞いておりますが、その後の指導監督はいかがになっておりますか、お伺いをいたします。
○野寺政府参考人 昨年十二月、御指摘のホリプロの所属タレントが大阪毎日放送に出て深夜放送に出演したという件でございますけれども、これにつきましては、先ほど申しましたように、個々のタレントの契約の実態、内容、所得の課税の状況等々勘案いたしまして、労働者に該当するかという形で判断をするわけでございます。
この場合には、いわば売り出し中といいますか、タレントもかなり名前が通って所得がふえてまいるような状況の方と、まだそこまで至っていないような状況の方がいらっしゃいますけれども、この場合は余り売り出しがまだできていないような方であったかと思います。したがいまして、労働基準法上の問題に抵触する可能性がございましたので、その観点から必要な指導を行い、的確にその是正が図られるように努めてまいっております」……中略……
現今の芸能界では、多くの芸能プロダクションや放送局の自主規制によって、満15歳未満または義務教育中の芸能人については、夜間の活動を、概ね午後9時迄に制限している。
関連動画
SMAPの中居正広と木村拓哉が演じているもの2件を下記に示す。
佐藤敦啓と赤坂晃を除いたメンバーで演じているもの、3件を下記に示す。
>>http://www.nicovideo.jp/watch/sm5296652
>>http://www.nicovideo.jp/watch/sm29351391
>>http://www.nicovideo.jp/watch/sm29351480
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