全国地域サッカーチャンピオンズリーグとは、男子サッカーの地域リーグ所属の優勝チーム及び全国社会人サッカー選手権大会を勝ち上がってきた(都道府県リーグ所属も含む)地域リーグ以下のチームがJFL昇格をかけて戦う、熱くそして過酷な大会である。毎年11月下旬から12月上旬に行われる。旧:大会名は『全国地域サッカーリーグ決勝大会』であり、第40回目の節目に併せて現在の名称に変更された。
ニコニコ動画でのタグは旧:大会名の略称である「地域リーグ決勝大会」がほとんどである(→「地域リーグ決勝大会 OR 全国地域サッカーリーグ決勝大会」でタグ検索)。また2007年度までは「サッカー」の付かない「全国地域リーグ決勝大会」が正式名称であった。
サッカーファンからは「地域CL」、及び、旧:大会名の略称を更に略した「地決」の各通称で呼ばれている。
概要
日本の男子サッカー第1種(プロ・社会人)の入替制度関連大会 <2023年シーズン> |
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降格 | 昇格 | |||
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J1 ↑↓ J2 |
自動降格枠1 |
自動昇格枠2クラブ J1昇格プレーオフ大会優勝枠1 |
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J2 ↑↓ J3 |
自動降格枠2 | 自動昇格枠2 | ||
J3 ↑↓ JFL |
自動降格枠最大1 入替戦最大1 |
自動昇格枠最大1 入替戦最大1 |
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JFL ↑↓ 地域 |
自動降格枠最大1 入替戦最大1 |
全国地域サッカー チャンピオンズリーグ 勝ち抜き枠最大1 入替戦最大1 |
←←← イ マ コ コ ←←← |
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地域 ↑↓ 都道府県 |
北海道ブロックリーグ決勝大会/北東北3県リーグチャレンジマッチ/ 南東北3県リーグチャレンジマッチ/関東社会人サッカー大会/ 北信越チャレンジリーグ/東海社会人トーナメント大会/ 関西府県サッカーリーグ決勝大会/中国地域県リーグ決勝大会/ 四国リーグチャレンジチーム決定戦/九州各県リーグ決勝大会 |
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都道府県 ↑↓ 市区町村 |
※多すぎるから詳しくはググれ |
後述するが、一次ラウンドは3日連続で試合をこなし、決勝ラウンドも2017年までは同様に3日連続で試合をこなすとても過酷なものである。故にこの決勝大会を1度突破したチームの選手でも「地決は二度とやりたくない」とのこと。ただ、一度JFLから降格して、再びこの大会を突破してJFL再昇格を果たしたチームもいる。(ココとココ)
出場資格
- 各地域リーグ(北海道、東北1部、関東1部、北信越1部、東海1部、関西1部、中国、四国、九州)の優勝チーム。
- 全国社会人サッカー選手権大会(通称「全社」。地域リーグ以下のチームが出場できる大会)の上位3チーム。ただし1.に該当するチームが3位以内に入った場合は、全社の4位チームにまで権利が繰り下げられる。
- この存在のため、地域リーグより下のチームまたは(ディビジョン制導入リーグの場合)地域リーグ1部より下のチームが地決に参戦する場合もあった(例:2011年大会に東京都リーグ1部所属の東京23FCが参戦した)。全社上位入賞チーム枠が設けられて以降、この例は2014年までにおいて3チームが達成している。
- 全社により出場権を得られるチーム数は、2006年~2007年は1チーム、2008年~2011年は2チームであった。
- 2018年大会より全社枠は各地域リーグで3位以内に入っていることが条件に加わったため、地域リーグ2部以下からの飛び級昇格は不可能になった。また、JFL昇格の意思があることが必要条件に加わった。
- この存在のため、地域リーグより下のチームまたは(ディビジョン制導入リーグの場合)地域リーグ1部より下のチームが地決に参戦する場合もあった(例:2011年大会に東京都リーグ1部所属の東京23FCが参戦した)。全社上位入賞チーム枠が設けられて以降、この例は2014年までにおいて3チームが達成している。
- (参加枠が埋まらなかった場合)2010年度6月末時点での社会人連盟登録チーム数の多い地域順で輪番で地域リーグ2位チーム(例:2010年大会に関東1部2位のさいたまSC、2011年大会に関西1部2位のバンディオンセ加古川、2013年大会に九州1部2位のFC KAGOSHIMA、2017年大会に東海1部2位のFC刈谷がこの3の条件に当てはまったため繰り上がり参戦をした)。
- 2018年大会以降補充がなされる場合は北海道が最初に優先されることとなる。
- 2016年大会以降は所属リーグ関係なく、補充対象の地域リーグ2位の中でもJリーグ百年構想チームと成っているチームが優先的に補充されるようになった。ただし、その対象となるチームがシーズン毎に複数出てきた場合は、早くJリーグ百年構想チームになった順から補充されていく。また、対象チームにおいてこの権利は1度しか行使出来ない。2023年大会の栃木シティFCが初の適用。
- 2018年大会以降はJFL昇格の意思があることが必要条件に加わった。初年度の2018年大会では優先順位1位の北海道2位のノルブリッツ北海道と2位の中国2位の三菱自動車水島が希望しなかったため除外され、3位の北信越1部2位のアルティスタ浅間が出場した。
- (参加枠が埋まらなかった場合)全国社会人サッカー連盟の裁定により決定される。3までの条件で参加枠が埋まらなかったことはないのでどのように決定されるかは不明。
かつてはJFAが、地域リーグおよびそれ以下のリーグからJFL昇格を希望しかつJリーグ入りを目指している実力のあるチームを推薦出場させる飛び級制度『Jリーグ加盟を標榜するクラブに対する優遇措置』があったが、2011年度大会をもって廃止された。この制度を利用したチームはザスパ草津(現:ザスパクサツ群馬)とS.C.相模原の2チームであり、内、JFL昇格を果たしたのはザスパ草津のみである。S.C.相模原はこの制度で2回出場したが、いずれも全社4位以内に入っていたため飛び級制度を利用しなくても出場で来ていた。
2009年大会までは出場チームが16チームであり、前回大会で決勝ラウンドに出場したチームの所属する地域より1チーム追加で出場できた。なお、同一地域から2チーム以上が決勝ラウンドに進出しても追加出場可能なのは1チームだけであった。また、大学サッカーと社会人サッカーが明確に分離される前であったため、大学サッカー連盟からの推薦出場枠も1枠あった。直近では2004年に流通経済大学がこの制度で出場しており、JFL昇格を果たしている(流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎とは別のチーム。当時の流通経済大学の流れを継ぐのは関東サッカーリーグに所属している流通経済大学FCである)。
また、リーグ優勝チームが諸事情で辞退してリーグ2位チームが繰り上がったこともある(例:2011年大会は四国1位の愛媛FCしまなみ(現:FC今治)が出場辞退)。なお、2014年度からはJFLへの昇格意思が無いチームの出場も可能となっており、その際はJFL側へ昇格辞退書面を出しておく必要がある(参照記事)。これは、万が一昇格意思のないチームが昇格圏内に入った際に、それより下の順位となったJFLへの昇格意思が有るチームが繰り上げで昇格出来るようにする為の措置である。現在では全社枠と地域リーグ2位枠はJFLへの昇格意思があるチームのみ出場可能であるため、JFLへの昇格意思がないチームが出場するのは地域リーグで1位になった場合に限られる。
大会形式
最初に出場12チームを4チームずつ3グループに分け中立地で総当たりの一次ラウンドを行う。4チームの総当たり戦なので各チーム3試合を行う必要があるわけだが、これを3日で連戦するという過酷な日程である。
1次ラウンドのグループ首位(勝ち点で決まるが並んだ場合は得失点差、総得点、該当チームの試合結果等々)と、各グループ2位の最上位チーム(勝ち点、得失点差、総得点差などの順で決定)の4チームが決勝ラウンドに進出する。
決勝ラウンドでは4チーム総当たりで5日間で3試合(中1日を取る)を戦い、上位に入ったチームにJFLへの昇格枠が与えられる(詳しい昇格ルールは後述)。なお2017年大会までは1次ラウンド同様に3日連戦で実施されていた。
2018年以降は試合は引き分けありの90分となっているが、2017年大会までは90分で同点の場合はPK戦があった(勝ち点が90分勝ちが3、PK勝ちが2、PK負けが1、90分負けが0)のため、PK勝ちやPK負けの差いろいろなドラマが…なんてことが起こっていた。
JFLへの昇格
2014年大会より昇格は原則2枠となっている。決勝ラウンドの1位と2位が自動昇格。JFLから3チーム減った場合は決勝ラウンドの3位チームも自動昇格となる(2014年が該当)。
2007年大会から2012年大会は昇格は2.5枠となっていた。3位はJFLの16位のチームと入れ替え戦を行う。ただし、JFLからJ2への昇格やJFL所属チームの解散、合併等々でJFLのチームが減少する場合は、そのぶん自動降格のチーム数が減少する。JFLから3チーム減った場合は入れ替え戦も行われず、決勝ラウンドの3位チームは自動昇格となっていた(2007年、2008年、2011年が該当)。
2013年は翌年よりJ3が発足しJFL所属チームが減少することがわかっていたために3チームが昇格する予定となっていた。
2021年大会は自動昇格枠が0で、決勝ラウンドの1位と2位がそれぞれJFL下位チームと入れ替え戦を行うこととなった。これは前年度にJFLの降格が行われず、2021年の第23回JFLが本来より1チーム多い17チームで開催されたことが影響している。
2023年大会からは昇格は1.5枠となり、2位はJFL15位のチームと入れ替え戦を行うこととなった。
- 2006年:TDK SC、FC岐阜
- 2007年:ファジアーノ岡山、ニューウェーブ北九州、FC Mi-OびわこKusatsu
- 2008年:FC町田ゼルビア、V・ファーレン長崎、ホンダロックSC
- 2009年:松本山雅FC、日立栃木ウーヴァSC、ツエーゲン金沢
- 2010年:カマタマーレ讃岐、AC長野パルセイロ
- 2011年:Y.S.C.C.、藤枝MYFC、HOYO AC ELAN 大分
- 2012年:SC相模原、福島ユナイテッドFC
- 2013年:ファジアーノ岡山ネクスト、FC KAGOSHIMA(※1)、レノファ山口、マルヤス工業、ヴァンラーレ八戸、アスルクラロ沼津(※2)
- 2014年:奈良クラブ、FC大阪、クラブ・ドラゴンズ(※3)
- 2015年:ラインメール青森FC、ブリオベッカ浦安
- 2016年:FC今治、ヴィアティン三重
- 2017年:コバルトーレ女川、テゲバジャーロ宮崎
- 2018年:松江シティFC、鈴鹿アンリミテッドFC
- 2019年:いわきFC、高知ユナイテッドSC
- 2020年:FC TIAMO枚方、FC刈谷
- 2021年:Criacao Shinjuku
- 2022年:ブリオベッカ浦安、沖縄SV
- FC KAGOSHIMAは4位のヴォルカ鹿児島と合併して鹿児島ユナイテッドFC(トップチーム)と名称変更して昇格。また1位のグルージャ盛岡はJ3参入。
- J3発足によりJFL加盟チームが減少することから3チーム以上の昇格が可能になったため、JFAは入会希望を募集。入会希望申請をした25チームのうち21チーム(3チームは地決上位3チームであり希望と無関係に昇格が決定済み、デッツォーラ島根が希望を撤回したため除外)の中からBグループ3位のレノファ山口、4位のマルヤス工業、地決不参加の東北1部2位のヴァンラーレ八戸、東海1部4位のアスルクラロ沼津も昇格した。
- クラブ・ドラゴンズは流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎と名称変更して昇格。
全国社会人サッカー選手権大会
元々は全国リーグの昇格大会として、地決以前にこの大会がその役割を果たしていた。しかし、地域リーグや都道府県リーグが整備された結果、それらが全国リーグの下部組織として成立していき、結果地決に取って代わられてしまい価値を失った、ある意味悲劇(?)の大会でもある。なぜなら上位入賞チームに地決出場権が与えられるまでは国体のリハーサルを行うための大会としてしか機能しなくなっていたからだ・・・。その上、5日間連続で試合が行われるというのだから、地決とはまた一味違う半端ない苛酷さも特徴である。
さて、2017年までは地域リーグ以下に所属し、且つ地域リーグ優勝が出来ずにいながらもJFL以上の全国リーグへさっさと駒を進めたいチームにとっては『事実上のJFL昇格プレーオフ大会第一ステージ&飛び級制度相当の大会』であった(※ここで「相当」と表現したのは、この大会が『飛び級制度でもあること』が事実上でありながらも明言されていないため)。前述の通り、2018年以降は地域最上位リーグで3位以内に入ることも条件に加わったので飛び級は不可能になり、事実上『地域リーグで2位~3位になったチームの敗者復活戦』となった。。また、名前とその役割故に、第一種区分でも全国リーグ所属チームと各種学生サッカーの連盟に所属するチームは出場不可である(※この場合クラブ単位ではカウントされていないので、地域リーグまたは都道府県リーグ所属の社会人登録の学生チームは出場可)。但し、1999年だけは特別に、JFL初年度参加の9チームもこの大会に出場した。
本選出場までの道のり
手っ取り早く言うと『各都道府県予選→9地域各予選→本選』と行った具合である。各都道府県予選の内約については個人的な編集時間の制限上、この項目作った人間は誰かが勝手に付けてくれると信じて作らないでおくので、以下から9地域の各予選について簡易的に説明する。
- 北海道地域予選(3枠)
- 東北地域予選(2枠)
- 関東地域予選(6枠)
- 北信越地域予選(2枠)
- 東海地域予選(4枠)
- 関西地域予選(5枠)
- 中国地域予選(3枠)
- 四国地域予選(2枠)
- 九州地域予選(4枠)
・・・この地域予選代表・計31チームと開催県代表の合計32チームで本選は争われることになる。
関連動画
関連項目
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