2歳限定・若駒ダートマイル王決定戦
目指せケンタッキー
全日本2歳優駿
川崎競馬場・ダート1600m
農林水産大臣賞典 全日本2歳優駿とは、例年12月中旬に川崎競馬場で施行される競馬のJpnI競走である。
師走の時期に日本全国(中央競馬・地方競馬問わず)の2歳馬を集めて行われる、2歳馬のダート頂上決戦。
距離は1600m、優勝賞金は4200万円。
概要
1950年に全日本三才優駿として創設された歴史ある競走である。なお名称が「3歳」なのは、2000年までは馬齢の表記が数え年(現行よりも1歳上)だったためで、2001年より現行の「全日本2歳優駿」に改称されている。
創設当初は南関東地区(浦和競馬・船橋競馬・大井競馬・川崎競馬)の2歳馬(旧:3歳馬)の頂上決戦という位置づけであった。
1985年から地方競馬全国交流競走となり、地方競馬全体の2歳馬の頂上決戦という位置づけに引き上げられた。
さらに1997年には中央競馬(JRA)所属馬も出走可能になり、芝の2歳馬頂上決戦である中央競馬の阪神JFや朝日杯FSに対して、日本全体の2歳馬のダート頂上決戦という位置づけになった。この時点ではGIIの格付けであったが、2002年よりGIに格上げされた。2007年よりJpnIに格付け表記を変更。
2018年より地方競馬では東京大賞典に続いて2つ目の国際交流競走となった。これに伴い、国際的な格付けがLR(制限されたリステッド競走)からL(リステッド競走)に変更された。
中央競馬・地方競馬の交流重賞は中央競馬所属馬が地方競馬所属馬を圧倒することが多いのだが、このレースは2歳ということもあり実力差は小さく、そこまで中央競馬所属馬ばかりが勝ったりしない。1997年から2015年の19年間で5回地方競馬所属馬の優勝がある。
また波乱も起きやすく、川崎競馬で3連単が導入された2002年から2013年までの12年間で、3連単が万馬券に至らなかったのは3回だけで(2002年・2004年・2011年)、一方で10万馬券以上が3回出ている(2003年・2005年・2009年)。2014年・2015年はあまり荒れていないが。
2017年から日本馬を対象にした米GI・ケンタッキーダービー選定ポイントシリーズ「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」の対象競走に指定。近年はこのレースなどで好成績を納めた中央所属馬がサウジ・サウジダービーやドバイ・UAEダービーといった海外遠征に赴くケースも多く、そこからケンタッキーダービーへ転戦するローテーションが定着しつつある。更に2024年からは3歳ダート三冠が整備され羽田盃、東京ダービーがJRA勢に解放されるため、幅広い選択肢の拡充が期待できそうだ。
主な前哨戦
全日本2歳優駿への優先出走権が懸かった競走を挙げる。(優先出走権付与は地方競馬所属馬のみ)
※指定交流=中央競馬・地方競馬の所属を問わず出走可能
レース名 | 格付 | 競馬場 | 距離 | 出走資格 |
---|---|---|---|---|
鎌倉記念 | 南関東SIII | 川崎競馬場 | 1500m | 地方競馬全国交流 |
平和賞 | 南関東SIII | 船橋競馬場 | 1600m | 地方競馬全国交流 |
JBC2歳優駿 | JpnIII | 門別競馬場 | 1800m | 指定交流 |
ハイセイコー記念 | 南関東SII | 大井競馬場 | 1600m | 南関東所属馬限定 |
兵庫ジュニアグランプリ | JpnII | 園田競馬場 | 1400m | 指定交流 |
当競走の予想の上では、前哨戦の中でも特に、指定交流競走のJBC2歳優駿と兵庫ジュニアグランプリが重視される傾向がある。
ジンクス
2歳馬の唯一のダートGIであるにもかかわらず、勝った馬、特に中央所属馬が勝った場合は3歳以降は何故か大スランプに陥ることが多い。このレースを勝った中央所属馬の大半が最初で最後のGIタイトル、それどころか最初で最後の重賞タイトルに終わっている馬が約半分を占めており、2~3年後には地方競馬送りにされてしまった馬も少なくない。
こうなる理由はもともと全日本2歳優駿そのものが交流重賞でレベルが低いことや、中央所属馬の出走枠の問題から出走自体が狭き門であり、2歳で交流重賞などを勝っていないと確実に出走できないことから、もともと早熟馬でないと全日本2歳優駿に出てくるのが難しいといった出走環境にあると考えられる。
しかし、2017年に優勝したルヴァンスレーヴはジンクスを撥ね退けてダートのチャンピオンホースに輝き、以降もドライスタウト、デルマソトカゲなどの優勝馬が3歳以降でも活躍するなど、中央所属馬はこのレース後成績が落ちるというジンクスは徐々に過去のものとなりつつある。
地方馬はこのジンクスに当てはまらず、もともと全日本2歳優駿に出てくる時点で地元のダート重賞くらいは平らげており、既に地元の2歳チャンピオンの地位を確立していることから地元に帰れば地元のトップクラスの実力馬であることから3歳以降不振に陥ることは少ない。
歴代優勝馬
- 回数についているリンクをクリックすると該当する動画に飛びます。
- 馬齢表記は現行表記に統一。
- 競走名は第1回から第38回が「全日本三才優駿」、第39回から第51回が「全日本3歳優駿」、第52回以降が「全日本2歳優駿」。
関連動画
全日本2歳優駿と言えば、2005年のファンファーレがあまりにも酷すぎることでも有名(日本4大糞ファンファーレも参照)。そもそも曲の難易度が高いという声もあったかどうかは定かではないが、2010年に現在のファンファーレに変更された。2021年には桑野信義がトランペット、2022~2023年には春風亭昇太がトロンボーンのゲストミュージシャンとして、ファンファーレの演奏に参加している。
関連項目
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- 川崎競馬場
- 朝日杯フューチュリティステークス - 中央競馬の2歳GI
- ホープフルステークス - 中央競馬の2歳GI
- 阪神ジュベナイルフィリーズ - 中央競馬の2歳牝馬GI
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