御姿
概要
種族:神霊
テーマ曲:神さびた古戦場 〜 Suwa Foughten Field
二つ名:山坂と湖の権化(風神録)・坂好きの神様(ダブルスポイラー)・独立不撓の神様(茨歌仙)
ZUN(上海アリス幻樂団)制作の弾幕STG「東方Project」作品内に登場するキャラクター。
東方Project10作品目「東方風神録 ~ Mountain of Faith.」の6面ボスおよびExtraの中ボス。
八坂(無数の坂)という名前の通り、神奈子は山の神であるが、元々は風雨の神であった。
圧倒的な力で全ての妖怪と人間を味方にする不思議な神様。
種族名が「神霊」となっているが、東方求聞口授での稗田阿求の記載によれば、これは「元は人間か何かだった」ことを意味するという。ただしそれが誰なのか、個人なのか集団なのかも判明しないとも。
幻想郷入りの経緯
古来より神を信仰することは人間にとって当たり前のことであった。火山の噴火や地震、疫病などは神の怒りとされていたため、それを鎮めるために神に許しを乞うたり、干ばつや台風、洪水などで農作物に多大な影響が出たときはなんらかの儀式を行い、神の力に縋った。
だがそれはすでに遥か昔のこと。火山の噴火や地震の原因も発覚し、疫病の正体も明らかになった。
干ばつに悩まされているならなんらかの対処も出来るし、風雨や洪水から農作物を守る術も手に入れた。
そう、人間は神様より、科学と情報を信仰するようになったのである。
神は信仰を得られなければ力を失い、最終的には消えてしまう。外の世界で人間の信仰を得ることが難しくなってきたと感じた彼女は、信仰心を取り戻す方法を模索していた。そして大きな賭けに出る事にした。
それは『神社を人間の世界から幻想の物とし、幻想郷で信仰を集める事』だった。現在残された信仰が全て失われ一時的に力を失うが、可能性はその方がある。滅び行く過去の栄光より、可能性ある未来を選んだ。
そして早苗と共に守矢の神社と湖ごと幻想郷の妖怪の山に持ってくるという荒業を実行してしまった。
洩矢諏訪子との関係
神奈子は過去に「ミシャグジ様」を統括していた洩矢神(洩矢諏訪子)の治めていた国を侵略した。
諏訪子は当時最先端であった鉄製の武器を持って応戦したが、神奈子が細い植物の蔓をかざすと鉄でできている武器はたちまち錆びてしまい、諏訪子は神奈子との神力の差を確信し王国を明け渡した。
しかし祟り神である「ミシャグジ様」への恐怖から、人々は新しい神を受け入れようとはしなかった。信仰が得られないことを知ると、神奈子は王国を自分の物にすることを諦めた。その代わりに新しい神を呼び、洩矢の神と融合させることで、対外的には王国の信仰を支配したように見せかけた。
その神は王国内では『守矢』、外では違う名前(後に判明するが、建御名方命)と呼ばれることとなった。この王国を支配したと言われる新しい神様とは、大和の神話の名目を保たせる為の名前だけの神であった。
だが科学万能の時代が訪れ、長きに渡って得ていた信仰もどんどん失われていった。これについて諏訪子はあまり気にしていなかったが、焦った神奈子は侵略した国を勝手に捨てて、独断で諏訪子や神社ごと幻想郷へと移った。
普通ならこれだけやられれば仲が悪くなるどころの話ではないのだが、実は利害が一致しているため、凄く仲がいい。
東方地霊殿での行動
地霊殿では諏訪子と共に誰にも気付かれることなく地下最深部まで至り、お空に八咫烏、すなわち究極のエネルギー「核融合」の力を与えた。「山の産業革命」を起こすためである。
元々悪意がなかったこともあり(そもそも霊夢が解決してきた異変に悪意があった事はほとんどなかったが)、真相発覚後は無事幻想郷住人の理解も得ることができ、この計画は着々と進んでいる。
ただ、地底に行かされた霊夢達は『そういう事はみんなに言ってからやれ』とカンカンだったそうな。
諏訪子によると神奈子は技術革命が好きらしい。これは長野県の諏訪湖周辺が精密機械などで有名なことから来ているのだと思われる(セイコーエプソンとか)。ちなみに諏訪湖には間欠泉センターも存在する。
東方星蓮船での行動
本人は星蓮船本編では早苗のサポート以外特に何もしていないが、『東方星蓮船』本編のストーリーが展開されることとなった発端は、地霊殿での間欠泉騒動である。つまり神奈子と諏訪子の技術革命が全ての原因。
更に「星蓮船」本編の顛末が次作「東方神霊廟」の神霊騒動のきっかけとなっているため、こちらも間欠泉騒動が遠因と言える。
それゆえ、様々な場所で「また守矢か」「いいかげんにしろ神様」「そろそろゆかりんが過労死するぞ」などと言われており、「守矢はトラブルメーカー」というイメージがすっかり定着している。
東方茨歌仙での行動
東方茨歌仙では「常温核融合」の実験の為に金属の神様を降ろせる霊夢に依頼してパラジウム合金を造らせたり、治水や発電を目的として河童達に命じてダムを造らせたりと、エネルギーの技術革命に関する行動が見られる。
もっとも、ダム建築については河童達が神奈子の命令通りにダムを造らずに決壊の危険が起きかけたり、河童達の労組と揉めたりしたため、中止となっている。
能力
「乾(けん)」とは、八卦における「天」のことである。なお洩矢諏訪子は坤(八卦における「地」)を創造する程度の能力なので、対の能力である。
しかしこの能力はどういった能力なのかについては、描写らしきものがあまりないため判然としない。諏訪子と協力して地形を変えたりしている描写はあるが、そもそも能力は自己申告制であるため、詳しい事は不明。
原作ゲームでのキャラ設定
言動
霊夢に対してはかなりフランク。そのほうが信仰を得やすいのだとか。一方魔理沙に対してはカリスマ満々。これは神様による巫女と一般人の差別化であり、EDでは魔理沙や山の妖怪たちとも普通に会話していた。
東方求聞口授では高圧的で独善的な面もあるが、その性格が頼りがいがあるとも評されている。
格好
恐らく東方Projectの登場キャラクターの中でも相当変わった格好をしていると思われる。
自らの力を見せつけるために蛇を連想させる注連縄(しめなわ)をつけている。戦闘時には御柱も装備、攻撃に使用とかなりの重装備。故に変なあだ名をつけられることが多い。ガンキャノンとかスターゲイザーとかグランドガンダムとか。
胸につけているのは「真澄の鏡」と呼ばれる諏訪大社の宝物だと思われる。しかし真澄の鏡より、その名にあやかった酒「真澄」の方が有名であったりする。ちなみにコンビニの日本酒コーナーに行けば大体置いてある銘柄である。
スペルカード
これらのスペルカードの由来は関連動画の風神録の元ネタに関する動画の中に大体あるので、興味があれば見てみるといい。基本的に諏訪の神事や行事及び諏訪の七不思議からが多い。
使用するスペルカードの1つ筒粥「神の粥」は明らかな詐欺判定(というより見た目のまま判定)。かわしたと思ってもピチューンすることがある。ラスト2つのスペルカードは人によっては難易度がイージー>>>ノーマルというイージーシューター殺し(と言われているが、実際は十人十色)。
風神録STAGE 6
- 神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」(Easy,Normal)
- <エクスパンデッド>とは(数量の点で)拡大させるという意味。本家は16本であるが弾幕では22本。
御柱(オンバシラ)は諏訪大社の各宮に4本づつ立てられている大木を切り出して作られた柱のこと。
レーザーに見えるかもしれないが、実はリアルに大きな柱を投げつけるスペルであるらしい(魔理沙談)。 - 奇祭「目処梃子乱舞」(Hard,Lunatic)
- 奇祭=御柱祭は日本三大奇祭と呼ばれている。なお、正式には「式年造営御柱大祭」という。
目処梃子とはV字の大きな木で、御柱にツノのように付けて、メドデコの上に左右ともに数人の人が乗る。
下から来るナナメの弾はこれを再現している。 - 筒粥「神の粥」(Easy,Normal)
- 筒粥=筒粥神事(つつがゆしんじ)と呼ばれる諏訪大社下社の行事。米(小豆も少々)を筒の中に入れて一晩炊き、一緒に入れた筒の束に入った粥の量などで作物の豊凶を占う神事。その正確さは諏訪大社七不思議の1つとされるほど。
- 忘穀「アンリメンバードクロップ」(Hard)
- <アンリメンバード>は忘れられた、<クロップ>は作物という意味。忘れられた作物=諏訪大社上社で行われていた筒粥神事のこと。1819年(和暦で言えば、文政2年)に廃れてしまい、現在は上社筒粥殿跡が残っているだけ。
通常の弾に見えるかもしれないが、実は米を投げつけるスペルであるらしい(魔理沙談)。 - 神穀「ディバイニングクロップ」(Lunatic)
- <ディバイニング>とは占うという意味。神から授けられた作物という意味もある?
- 贄符「御射山御狩神事」(Easy,Normal)
- 御射山御狩神事(みさやまみかりしんじ)とは武神である諏訪大社の祭神に武芸を披露し、豊穣を祈願する祭り。
この神事が終わった時、日月星を同時に見ることできると言われ、諏訪大社の七不思議の1つ「穂屋野の三光」(ほやののさんこう)と呼ばれる。贄符=昔は鹿などを生贄としていたため。 - 神秘「葛井の清水」(Hard)
- 諏訪地方、葛井神社にある「葛井の池」から。12月31日に上社の神事に使った供物や1年間の神事に使った道具を沈めると、元旦には遠州(静岡県)の「佐奈岐の池」に浮き上がるという。
左に消えたナイフが右から出てきたりするのはそれを表現している。 - 神秘「ヤマトトーラス」(Lunatic)
- <トーラス>は数学用語で、ドーナツ状の円のこと。大和の円=茅の輪のこと。
- 天流「お天水の奇跡」(Easy,Normal)
- 諏訪大社上社の七不思議に「宝殿の天滴」(ほうでんのてんてき)というものがあり、上社本宮にある天流水舎では、どんなに晴れた日でも屋根から水が三滴したたり、その下にある井戸に溜まっていくという。
- 天竜「雨の源泉」(Hard,Lunatic)
- 天竜=諏訪湖から遠州灘に注ぐ天竜川のこと。天流水舎がこの川の源泉であると言われている。
雨は大地に落ちると低い方に流れる=人間がいる処は低いところであると言いたいらしい(魔理沙談)。 - 「マウンテン・オブ・フェイス」(Easy,Normal)
- <マウンテン・オブ・フェイス>は信仰の山という意味。『東方風神録』のサブタイトル「Mountain of Faith」から。
諏訪大社上社本宮の神体山でもある守屋山のこと?なお神奈子は元風雨の神であるが、今は山の神。 - 「風神様の神徳」(Hard,Lunatic)
- 神徳=神様の功徳や威徳。風神様とはもちろん神奈子のこと。
風神録EXTRA STAGE 道中
- 神符「水眼の如き美しき源泉」
- 御手洗川の源流にある清流「水眼」から。古くから御神水として重宝された。
- 神符「杉で結ぶ古き縁」
- 諏訪大社にある「結びの杉」から。2本の杉が途中で1つになっている珍しい杉で、その形から縁結びの杉とされている。
- 神符「神が歩かれた御神渡り」
- 湖面が全面凍結して割れ目が生じ、朝の昇温に伴って氷が膨張し、割れ目の部分を押し上げて氷堤を作る現象「御神渡り(おみわたり)」から。ミシャグジ様が通った跡とも諏訪湖の南側の諏訪大社上社の建御名方神が凍った諏訪湖の上を歩いて、諏訪湖の北側にある諏訪大社下社の八坂刀売命に会いに行った跡だとも言われる。
地球温暖化により、今後は見ることが難しくなるのではないかと言われている。
ダブルスポイラー ~ 東方文花帖LEVEL11
- 蛇符「グラウンドサーペント」
- 星蓮船での早苗A装備「スカイサーペント」の反対(空⇔地面)。地を這うように蛇が自機を追いかける弾幕。
- 御柱「メテオリックオンバシラ」
- 絶え間なく降り注ぐ御柱流星群。メテオリックとは流星のような、という意味。
ダブルスポイラーが発売された2010年は、7年に一度(正確には数えで7年)の御柱祭が行われる年。 - 儚道「御神渡りクロス」
- 御神渡りについては、神符「神が歩かれた御神渡り」を参照。御神渡りに見立てた弾幕がクロスする弾幕。
『The Grimoire of Marisa』には御神渡りは「この道は美しく儚い」と書かれていた。
弾幕アマノジャク九日目
- 御柱「ライジングオンバシラ」
- 画面下から八本の御柱が立ち上り、さらに小弾中弾が上から降り注ぐ。ノーアイテムでの攻略は本作でもトップクラスの難易度。
- 「神の御威光」
- ばら撒いた小弾を大爆発させる弾幕。その様は霊烏路空のスペルカードに酷似している。
元ネタ
諏訪大社に祭られている建御名方命(タケミナカタノミコト)とその妻である八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)が元ネタと思われる。
神奈子は女性であるため、妻の方の八坂刀売命から名前を取ったものと思われるが、前述にあるように過去の来歴としては建御名方命そのものである。
神奈子に仕えている風祝の東風谷早苗のスペルカードにはそのものずばりの『サモンタケミナカタ』というスペルカードがある。そして「サモンタケミナカタ」の次に来るのは「八坂の神風」。
タケミナカタはもともとはヤマタノオロチを退治して出雲に移り住んだスサノオの子孫であり、アマテラスの子孫による天孫降臨の際に戦い破れ、出雲から追い出された神。それが諏訪に流れ着き、そこに先住していた神を打ち倒して新たな国を造ったといわれている。これが諏訪大社の始まりである。この神話には大和朝廷によるこの地方の征服過程を託しているという説が強い。
しかし、『風神録』本編でも触れられているとおり、この地方ではタケミナカタの征服後もそれ以前の信仰が維持されており、現在にまで縄文時代の信仰を伝えている貴重な地域である。
以上の事から、タケミナカタと神奈子を同一視する向きがファンの間では強いが、一部では
- タケミナカタはタケミカヅチに勝負を挑んでおいて恐れをなして逃げ出し、諏訪から出ない事を条件に命乞いをしたという情け無いエピソードがあるのに対し、神奈子にはそういった話が全く無い(そもそもタケミカヅチに関するキャラが全く出てきていない)。
- 『東方儚月抄』において、紫が「(守矢神社の)本当の祭神は諏訪の土着神だけど…建前の祭神は建御名方神」と述べている。
以上の事から神奈子はタケミナカタとは別の存在であるとする考えもある。
タケミカヅチに敗れたとされるエピソードは、そもそも古い資料では古事記にのみ見られる記述であり、肝心の諏訪地方の伝承や、日本書紀など他の書物には一切書かれていない。
さらにこの古事記が成立したのはちょうど藤原氏が力を増して天下人となりつつある時期で、タケミカヅチはその藤原氏の氏神である。そのため、タケミカヅチとのエピソードは藤原氏が自分(の氏神)の武威を高めるために、いわば「作らせた」ただの個人的な創作なのではないかと言う説がある。
こうした説や、前述の諏訪子との話から、永らく東方の世界ではタケミナカタは「建前だけの神」と考えられてきた。
しかし、儚月抄で「大国主の息子、最後まで抵抗した武神」とタケミナカタの事に言及している為、タケミナカタ自身もちゃんと存在しているようである。
守矢の巨大な注連縄もタケミナカタの名前を使っているが故の封印の意味との事。
なお、京都に総本社があり全国に多数存在する八坂神社に神奈子様の絵馬があるのを時折見掛ける事があるが、名前が似ているだけで、特に関係はないので注意されたし。むしろ一面ボス曲の「稲田姫様に叱られるから」の稲田姫の方に関係している(モデルとなった建御名方命は稲田姫の子孫であり、稲田姫の両親である足名稚命・手名稚命(手長様・足長様)は建御名方命に付き従って諏訪にいる)。
二次設定
- 俗称
髪型が似ている点からみさえと呼ばれたり、戦闘中にキャノン砲らしきモノ(実際は御柱)を装備するためにガンキャノン又はキャノ子と呼ばれたりもする。
後ろの注連縄が相撲の土俵を思い起こさせるため、相撲関係のネタで呼ばれることもある。実際に神奈子の元ネタとなっているタケミナカタが、タケミカヅチと戦ったことが相撲の元祖であるとも言われている。 - 不遇の扱い
『東方風神録』のラスボスという大役を任された神奈子。その後も地霊殿の異変の黒幕及び星蓮船のストーリーのきっかけを作るという大変な活躍っぷりであった。もはや風地星の真の黒幕と言っても過言ではないだろう。
……が、最新の第7回人気投票では他のラスボス勢が上位に食い込む中、30位よりも下(もっと下の人も実はいるのだが)という結果に。
さらに守矢神社としては唯一プレイヤーキャラになったことがない。『東方非想天則』では早苗に加えて諏訪子も参戦したにもかかわらず、彼女はサポートキャラとしての参戦のみだった。しかしEDにはちょこっと絡んでいたので出番が無いよりはまだよかったのかもしれない。そして『東方心綺楼』でも宗教家同士の人気争いという設定や書籍で聖、神子と絡んだし、流石に神奈子参戦するだろう!?という強い期待があったが・・・残念ながら制作サイドから「背景に居るキャラはプレイヤーキャラにはならない」とのアナウンスでまたも(神奈子さまへの愛信仰を持つ者達が)涙を飲むこととなった。 - 意外とエロネタに弱い
諏訪子との対比でこういった扱いをされることも少なからずある。この設定が使われる場合は、基本的に諏訪子がエロネタに強い場合が多い(諏訪子は設定上、子孫がいるため慣れているように描かれることがある。また、元ネタ的に諏訪子の方が年上であることも関連している場合も)。 - 幻想郷三大婆&ババルテット&東方五大老
詳しくは記事にて。これ以上は命が惜しいので……。おやこんな時間に誰かk(ry
お絵カキコ
信仰が増えたため、八坂神奈子のお絵カキコに分離しました。絵馬の奉納は随時受け付けております。
関連静画
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神奈子様関連の動画
神奈子様含め風神録の元ネタに関する動画
その他(神奈子様)
最近、作者が命を削ってまで作成したという神奈子様がMUGENで大暴れ中 →血尿の人
神奈子様が主人公のMUGENストーリーまで作られている →神奈子の野望
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関連項目
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