八神庵(やがみ いおり)とは、代々木駅より徒歩1分に立地する手打ちの味が自慢の蕎麦所であるTHE KING OF FIGHTERSシリーズに登場する人物である。
プロフィール
格闘スタイル | 八神流古武術+本能 |
出身地 | 日本 |
誕生日 | 3月25日(20歳) |
身長 | 182cm |
体重 | 76kg〜79kg |
血液型 | O型 |
趣味 | バンド活動(担当はベース) |
大切なもの | 彼女(名前不明、'95のみ) クロムハーツの指輪 ポール・スミスの時計 ガボールのチェーン('96) リッケンバッカーのベース('97) デイトナのエキゾチックス('98) 新しい彼女(名前不明、'99〜'00、CVS、NBC) 無し('01〜) |
好きな食べ物 | 肉 |
嫌いなもの | 暴力 |
得意スポーツ | 全部 |
声優 | 安井邦彦 星野貴紀(KOFXIV) |
概要
三種の神器の一角、八神(かつての八尺瓊)一族の末裔。八尺瓊勾玉の力を持つ、“封ずる者”。
八神流古武術の使い手で、主に切り裂くような体術と特有の蒼い炎で戦う。炎が蒼いのは、660年前に先祖がオロチと血の契約を交わしたためである。よって彼の体には、八神一族の血と同時にオロチの血が流れている事になる。
八神家は草薙家との間に660年の因縁を持っている。八神の本来の名である八尺瓊一族は、三種の神器の一角(封ずる者)として草薙一族と共にオロチと戦う使命を持っていたが、八尺瓊は次第にオロチの力に憧れを抱くようになる。そしてついに660年前、八尺瓊はオロチ八傑集の封印を解いてしまい、その罪で幽閉されることになる。そこに封印を解かれたオロチ八傑集が接近、草薙が八尺瓊の罪を償うために彼の妻を殺害したのだとそそのかす(実際は八傑集の手で殺されていた)。憎しみに燃えた八尺瓊はオロチと血の契約を交わし、八神と名を変え、草薙に復讐を誓う。以後、草薙と八神は袂を分かち、660年に及ぶ争いを繰り広げる事になるのである。これが八神と草薙の660年に及ぶ因縁である(ネオジオCDソフト「KOF96ネオジオコレクション」収録のサイドストーリーより)。
人間にとってオロチの力は強大な力と引き換えに遅行性の毒を植えつけられたようなものであり、八神の一族は代々短命。『'97』での庵は復活寸前のオロチの影響を受けて、吐血や「オロチの血の暴走」に苦しめられている。
現代の八神家当主である八神庵は、同じく現代の草薙家当主である草薙京とはライバル関係で、事あるごとに彼の命を狙っている。その因縁は660年前から続く草薙家・八神家との対立関係とは別に、個人として京の事を憎らしく思っている。
『KOF'95』で初登場して以来、全てのKOFに参加している。一時の人気は主人公であるはずの京をも上回り、ある意味KOFの顔とも言えるキャラである。勝利セリフの「そのまま死ね!」や三段笑い、特徴的なバンドマン衣装で強烈な印象を与え人気を集めた。
なお嫌いなものに「暴力」とあるがこれは「敵意のない者に対して振るう、誇りに欠けた力」という意味らしい。また「力を誇示する為だけに自分が嫌うところの暴力を振るう見下げ果てた連中」として軍人の類も強く嫌ってるいるらしい。
初登場の時から完成されていたキャラクター性で多くのファンを魅了し、同時にライバルの草薙京の存在感をも一気に引き上げた。初登場時はテリー・ボガードやリョウ・サカザキの影に隠れていた草薙京をSNKの顔役に押し上げた、KOFシリーズの立役者と言っても過言ではない。
彼の素性はほとんどが謎に包まれており明らかではないが、家族には両親と妹の3人がおり、共に健在である事を旧SNK時代にスタッフが明かしていた。なお、その家族の素性もまた明らかではない。素性の不明な彼女といい、とにかく謎の多い男である。ちなみに前述のスタッフによれば、幼少時は大人しい子であったらしい。彼の過去に一体何があったのか。
家名の「八神」はヤマタノオロチ、名前の「庵」は「赤毛のアン(庵)」から取られているらしい。
前髪が大きく突き出した独特の髪型で、絵師によって結構個性が出る。『2002』のノナ絵では目を覆わんばかりの事態になっていた。
公式悪ふざけドラマCDシリーズ「NEOGEO DJ Station」では名前を捩った「蕎麦処・八神庵(やがみあん)」ネタが展開されていた。KOF本編では殆どキャラがぶれない一方で、本編を離れると庵関連のお遊びは結構多い。
ストーリー中の活躍
オロチ編
『'95』にて初登場。ビリー・カーンと如月影二とライバルチームとして登場する。彼にとってKOFは京を殺すついでの余興程度にしか考えていなかった。EDはビリーと影二をフルボッコにしていた(これ以来2人に憎まれ、対戦前は掛け合いが発生するようになった)。
『'96』ではルガール・バーンシュタインの秘書だったマチュアとバイスの2人とチームを組んでの出場。しかし彼女らはオロチ八傑集の2柱であり、真の目的は歴代の八神の中でも特にオロチ一族の血が濃いとされる庵の監視だった(彼女らの実質的な上司だったゲーニッツは庵がオロチにとって有益な存在になり得るか見極めようとしてた模様)。庵はそれを見抜きながらも手駒として利用する為、黙認していた。そんな庵に2人とも個人的な興味を抱き、ゲーニッツに「部下になったつもりは無い」と反旗を翻す。しかしゲーニッツとの戦いの直後、庵は吐血と共に「オロチの血の暴走」を起こし、その場にいたマチュアとバイスを殺してしまう。
『'97』ではエディット専用キャラとして出場。三種の神器チーム以外(例外あり)だと中ボスに暴走初号機庵(正式には「ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ」とやたら長ったらしい名前となる)が出現し、その後に前座ボス(オロチチーム)、ラスボスが現れる。
『'96』『'97』では草薙京、八神庵、神楽ちづるの3人でチームを組んでラスボスを倒すと真エンディングを見る事ができる(『'96』はNEOGEOロム版を除く家庭用移植版のみで可能)。
ネスツ編
『'99』では草薙京と共に隠しキャラとして出場。ハイデルンでさえ探せなかったネスツの基地を探し出す。「そこまで京を殺したいか!」と言われることが多いこの描写だが、『'99』庵EDによればネスツは京だけでなく庵の力も狙っており、ネスツ側からの接触もあったと思われる。敵の方から手掛かりを奪えるだけ、探しやすかったという事情は十分あるだろう。
『2000』では草薙京の彼女ユキ(この時が初対面)をネスツの戦闘員から守る。プレイヤーは意外と優しい庵より初対面という設定に驚いたと思われる。
『2001』ではヴァネッサ、セス、ラモンと組んで出場(決して余り者チームとは言ってはいけない)。何があったのか、だるそうな声をしている。八神チームエンディングでは、チームメイトのヴァネッサ、セス、ラモンにネスツ絡みの重要参考人という名目でリンチ、拘束されかけるが…その後どうなったのかは不明(逆にリンチにしてそう)。
アッシュ編
『2003』では京と神楽ちづると組んでの出場(デフォルトでの三種の神器チーム結成はこれが初)。ちづるがアッシュ・クリムゾンに能力を奪われたにもかかわらず、特に変わったことはないといった様子だが、内心アッシュのしたことは気に入らなかったようではある。
『XI』では京と矢吹真吾と共に出場。血の暴走を起こした隙に、アッシュに八尺瓊勾玉(炎の能力の源)を奪われてしまう。
『XII』はストーリーのない作品ではあるものの、上記の通り能力を奪われた設定を引き継いでいるため、切り裂き攻撃主体でがんばっている(XⅢでも言及されているが「炎をが使えないことを抜きして」こちらが本来の八尺瓊流古武術の戦闘スタイルなのでは?とも)。
『XIII』では能力の事情は『XII』と同じだが、死んだはずのマチュア、バイスとチームを組む。彼女たちはなぜ復活したのか…?
エンディングでは庵が勾玉の能力を取り戻すと同時に別れを告げて消えてしまった。庵が手に掛けた2人は勾玉の力でオロチとは別に封印されており、アッシュに能力を奪われた際に封印が解け、能力が戻った際にまた封印されたと見るのが妥当か。
また、660年の時を経て勾玉は血の契約と一体化し分離させることはできなくなっており(アッシュが紫炎を使えたのはこのため)、勾玉を放棄することで短命を始めとするオロチの呪縛から逃れられる可能性も示唆されたが、庵は意に介さず、その宿命ごとその身に受け入れた。
新シリーズ
『XIV』では無事炎の力を取り戻した状態で登場。チームメンバーはいつもの二人である(なぜまた彼女達が復活したのかを聞くのはもはや野暮というものだろうか)。相変わらず京の命を狙う事に固執しているがタン・フー・ルーとの掛け合いで「ホントは現状を楽しみたいから京を殺す気がない」と指摘されている。当の本人はそれに対して「くだらん」と流したが…。
エンディングではラスボスから分離したオロチの残滓を京と鏡の力を取り戻した神楽ちづると共に完全に消滅させた。オロチ絡みの案件では協力体制を取るようになったのだろうか。
最新作XVでは前作のラスボスの影響で死亡したはずの七枷社を始めとしたオロチ四天王が復活したことで再びオロチの再覚醒を懸念した神楽ちづるに説得される形で(2003以来18年ぶり2度目の)三種の神器チームを結成する。
『SNKヒロインズ』においてまさかのミスX名義でDLCキャラとして登場(しかも女装版、女体化版(CV:堀井千砂)の2タイプ揃っているという無駄に豪華な仕様)しファンを困惑させた。
性能
飛び道具の「闇払い」、対空技の「鬼焼き」、突進技の「琴月・陰」とオーソドックスな技構成でバランスが取れている。『'96』以降は性能が近かった京が闇払いを失ったことで、庵の方が主人公タイプの技構成になっている。
動きが素早く、強力なジャンプ通常技やめくり専用技の「百合折り」を持ち、ジャンプで相手にまとわりついて何か一発刺さったら発生の早い打撃技の「葵花」に繋ぐ戦法がシンプルかつ強力。攻めが継続しやすい一方で、攻撃力はあまり高くない。座高が低くジャンプ攻撃をかわしやすいのも利点だが、自身もジャンプ攻撃が中心のため同キャラ戦が苦手という皮肉な面もある。
シリーズを通してダイヤグラムでは常に上位に位置しており、連続技もある程度簡単なので、格ゲーに慣れてない初心者から超上級者まで幅広く使われている。アッシュに能力を奪われた設定であるXIIとXIIIを除けば、八稚女以外の超必殺技が入れ替わる程度で基本的な技の構成は殆ど変わらない。
- 初登場の『'95』では葵花2段目を使った永久連続技を持ち、かつバグの恩恵を受けるため非常に凶悪なキャラの一角に。
- 恐らくシリーズを通して庵が最も高い性能を持つと思われる『'96』では、「屑風>ダッシュC>屑風」という永久連続技が猛威を振るっていた。それ以外にも弱鬼焼きが異常な性能を誇っており、プレイヤーキャラでは多分最強。
- 『'97』でも性能の高さは変わらずであり、暴走庵は加えて異常な機動力を持つ。ラスボスのCPUのアルゴリズムが弱いため、下手をするとこっちの方が倒すのに苦労する。さらに隠しコマンドで暴走庵、暴走レオナ、オロチチームが使えた為、ゲーセンでは毎日のように暴走庵が叫んでいた。
- 『'98』では弱体化されたものの、どのキャラとも比較的に安定して戦えるため、強キャラの一角になっている。
- ネスツ編では弱体化されたものの、『2000』のアナザー庵(ストライカー専用キャラ)が高い崩し性能で猛威を振るった。
- 『2003』では全体的に弱体化されているが、最強候補のデュオロンに比較的相性が良いため使われることがあった。
- 『XI』ではキャラ出現時にコマンド投げが確定する仕様から屑風が猛威を振るったが、屑風自体は弱体化している上にローカルどころか公式大会で禁止ルールがある場合もあり、やや地味な位置。
- 『XII』および『XIII』では前述のようにストーリー上の理由(炎を出す能力を奪われた)により技が大幅に入れ替えられ、一転して接近戦主体に。だが技のバランスは良好で、草薙京と並んで最強クラスに返り咲きした。『XIII』家庭用以降はXI以前の性能に近い「炎を取り戻した庵」(通称「炎庵」)が追加されたため、プレイヤーの間では「爪庵」と読んで区別される。
- 『XIV』では炎の力を取り戻したので戦闘スタイルもXI以前とほぼ同じ状態に戻っているが禁千弐百拾八式・八咫烏など爪庵時に使用した技も一部引き継がれている。
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関連項目
- THE KING OF FIGHTERS
- エス・エヌ・ケイ / SNK
- 草薙京(因縁)
- 格闘ゲームのキャラクター一覧
- THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!
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