公道レースとは、普段は一般車が通る道路を封鎖して行う、モータースポーツの一つである。
決して、許可を得ずに勝手に走り回っている訳ではない。
概要
サーキットとは違い公道は滑りやすく、路面の状態も悪いことが多い。さらに安全のためのランオフエリアも確保しにくく、ブラインドコーナーも多いことから、一瞬のミスがクラッシュに繋がる。その為、ドライバー/ライダーの死亡事故が起こることも少なくない。おまけに重要な交通機関である公道を長時間閉鎖するのだから、周辺住民のみならず地域経済にも影響があり、それに対する地域の理解と協力が欠かせない。
しかし、サーキットやスピードウェイといった恒久的な施設の建設・運営費がバカにならないことを考えると、年に一度、一週間程度の間だけのイベントを仮設的な施設で開催できる魅力は主催者の立場としては大きい。さらに観客も郊外にあることが多い常設サーキットよりも市街地で行われる公道レースの方が会場へのアクセスが極めて容易になる。このこともあって、海外では二輪・四輪とも盛んにレースが行われている。だが、上記の理由により、日本での実現は難しいのが現状である。
なお、動画では「頭がおかしい」「馬鹿だこいつら」等のコメントが良く見られるが、レースを好きな者はこれらのコメントにいちいち目くじらを立てる必要はない。その短い一言だけで本当に「頭がおかしい、死にたいのか」と批判しているのか、「頭がおかしいが勇敢だ」と褒めているのかは見分けるのは難しい。どうせなら、「褒め言葉」と受け取って流すのがベターだろう。
また、「こういう行為に巻き込まれて被害を受けるのは御免被りたい」と嫌悪している人々がいるのも事実なので、あまり調子に乗ってこれら公道レースの動画を「スリリングで楽しい」という視点だけで紹介するのも避けたいものである。
代表的な公道レース
モナコGP
公道レースの最高峰であり、世界三大レースの一つ。ここで勝つことはF1ドライバーにとって他のレースの3勝分の価値があると言われ、逆にたとえワールドチャンピオンを獲得しても、ここで勝利経験がなければドライバーとしての評価を差し引いて見られてしまう場合があるほどだ。
耐久レースの最高峰であり、世界三大レースの一つ。また、「偉大なる草レース」とも称される。厳密には完全な公道レースではなく、常設サーキットのブガッティ・サーキットの一部と、24時間専用の常設区間、そしてコースの大半を占める公道から成っている。
チャンピオンシップのシリーズ戦として行われるレースだが、その大半が市街地を使った公道レースである。上記の開催費用を抑える・観客が見に来やすいといった面もさることながら、マシンが電気自動車であるがゆえに騒音・排気ガスなどの環境負荷が極めて低いことをアピールする目的が大変大きい。
イギリスの離島で行われる伝統のバイクレース。ある意味で、最も古典的かつ原始的なモータースポーツの姿を今に伝えるイベントだろう。市街地では家の軒先を数十センチの余裕しか無い状況でかすめて走り、それ以外でもひとつミスれば崖に激突するか、谷へ転落するような危険が山盛りなのだ。さらに、そんなコースのすぐ脇で観客は身を乗り出してライダー達を応援する。まさに「頭がおかしい」と褒めるしかないイベントである。
峠道などを封鎖した上で、一定の区間の走破タイムを競う。使われるマシンは種々雑多で、ラリーカーに始まり、プロトタイプレースカーや果てはフォーミュラカーまで走る。漫画の頭文字Dの絵ヅラで、マシンだけがフォーミュラカーになったような異様な光景が展開される。日本でも比較的知られているのが、アメリカはコロラド州で開かれる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」であり、モンスター田嶋こと田嶋伸博を初めとする日本人が挑戦している。他方、日本ではほとんど知られていないが、ヨーロッパでもドイツのBergCupがあり、テレビでの放映やビデオソフトの発売もある。
※WRCなどのラリーも広義では公道レースの一種といえるが、一般的にはレースとは別の競技としてカテゴライズされている。
関連動画
公道を封鎖しない無謀な運転は、時として悲惨な結果を招くことがある。
関連コミュニティ
関連項目
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