兵部京介とは、『週刊少年サンデー』で2005年から2021年まで連載された漫画『絶対可憐チルドレン』の登場人物であり、2013年1月より3月まで放送されたスピンオフアニメ『THE UNLIMITED 兵部京介』の主人公である。
概要
誕生日:4月15日(牡羊座) / 血液型:O型 / 身長:172cm / 体重:56kg / CV:遊佐浩二
『絶対可憐チルドレン』原作3巻『誘惑者(1)』で初出。史上最悪のエスパー犯罪者と呼ばれる人物で、エスパー犯罪組織『P.A.N.D.R.A(パンドラ)』のリーダー。3巻の時点で年齢80歳。老化遺伝子を超能力でコントロールすることで若さを保っており、外見は銀髪に学生服姿の青年である(ただし、薬物等の補助が必要。その薬も徐々に効かなくなっている描写がある)。
エスパー犯罪者収容施設の地下500mの場所に、新型の超能力対抗装置(ECM)と24時間の監視体制付きで収容されていた。しかし、彼にはとある理由でいかなるECMも効果がないため、拘束中も密かに外部に出向いてパンドラの設立を進めたり、その過程で庇護下に入った子供達を自分の監獄に連れてきたりしていた。
上官だった普通人(ノーマル)を信じ、彼らのために戦ったにも関わらず最終的に裏切られ、仲間をすべて失う経験をしている。そのためノーマルに対する根深い不信感と憎しみを抱いており、いずれ起きるノーマルとエスパーの最終戦争に備えてエスパーの女王となる明石薫ら超度7の少女達を導いている。
本編主人公である皆本光一とは当初から対立関係にあるが、原作15巻では自身の命すべてを出し切って皆本を若返らせ、エスパーとして生まれ変わらせようとするなど、連載が進むに連れて単純な敵味方という関係性ではなくなりつつある(この行動の意図は薫の死の未来を改変するためであるが)。
新たに出現した、パンドラと「ザ・チルドレン」らが属する『B.A.B.E.L.(バベル)』双方にとって敵となる犯罪組織『黒い幽霊(ブラック・ファントム)』との戦いでは手を組むこともしばしばあり、今後彼と彼が率いるパンドラがどうなって行くのかは未知数である。
チルドレン(主に薫)に対する発言・行動からよくロリコン扱いされる兵部だが、彼のチルドレンへの想いは孫を見守るような家族愛であり高超度エスパーとしての同族愛である。真木・紅葉・葉・澪をはじめとするパンドラのエスパーたちにも家族として接している。薫への愛情がひときわ強いのは、エスパーの導き手となる存在への執着と、薫・皆本にかつての自身と上司を重ねているからである。皆本への敵愾心が強いのもこれが一因となっている。
過去
1937年、7歳の時に父親を亡くし、父親の友人であった蕾見男爵家に引き取られた。父親は日本人だが母親は大陸の人間のようである。ちなみに彼の超能力は母親から受け継いだもので、父親はノーマルのようだ。詳しいことは明らかにされていないが、彼の母親となった女性は何らかの悲劇的な結末をたどったようであり、兵部の父親は彼が能力を発揮することを否定していた。
蕾見男爵に引き取られた後、義理の姉となった蕾見不二子に巻き込まれる形で、後のバベルの前身である帝国陸軍超能特務部隊の一員となった。戦時中は日本のエスパー兵士として戦い、戦場で数多くの戦闘機を撃墜している。この時撃墜した敵の一人がコメリカ合衆国のJ.D.グリシャム大佐であり、彼はこの時の負傷が原因で超能力に目覚めている。
日本が広島への原子爆弾攻撃を受けた直後に、彼は上官である早乙女大尉に長崎の原爆投下の阻止を願い出るが、未来視の能力を持つイルカの・伊八號の脳を解析し、戦後の兵部がエスパーを率いて世界を滅ぼすことを知った早乙女はこれを却下。次の戦争の火種となりうる兵部の銃殺を試みたが、胸に2発、額に至近距離から1発の銃弾を撃ち込まれても死ななかった兵部は、逆に早乙女を超能力で殺害する。この時受けた傷により彼の能力は大きく変化し、念波周波数を操作することによりあらゆるECMと能力測定を無効化できるようになった。
戦後もバベルと対立しており、発足直後のバベルの職員を20名以上殺害している。しかし、薫の生まれる瞬間を見学するために病院に向かった際に、成り行きから5件のお産に連続で付き合わされ、疲弊したところを当時12歳の賢木修二に見つかり、彼の通報で駆けつけた蕾見不二子によって捕縛された。
THE UNLIMITED -兵部京介-
「無限を宿した復讐のカリスマ」「眩い銀髪を靡かせた漆黒の堕天使」
主人公。パンドラのボスとして海外で活動している。時間軸は小学生編が終了した直後であると作者である椎名高志のブログにおいて明らかになった[1]。
第1話においては軍事政権国家のエスパー刑務所デッドロックに潜入し、そこに囚われていたユウギリという名の少女を救出。また、その時おまけとして合衆国の日系人エスパーであるアンディ・ヒノミヤを勧誘し、パンドラのメンバーに加えた。アンディの正体にも気づいているようであり、今後の展開が楽しみである。
能力
前述したとおり、念周波数を自由自在にコントロールすることが可能なため、どんなECMを持ってしても完全に彼の能力を押さえつけることはできない。銃撃の影響で初期から持っていた念動力だけでなく、精神感応、瞬間移動、催眠、生体コントロールといった様々な能力を高超度で保有している。
また「THE UNLIMITED」においては、制服に付いているピンバッジを逆さまにすることでアンリミテッド・モードへと移行する能力が追加されている。全力を出すと死が近づく兵部は普段能力のリミッターをかけており、完全解放された状態がこのモードである。これらは原作においてはない要素だが、椎名高志は「第二ボタンあたりがこっそりその仕事してるんですよ。そういうことに今決めた。」と述べている[2]。
〈以下ネタバレ〉
日本の敗戦とともに、不要になった兵部ら帝国陸軍超能特務部隊は早乙女の命令によって殺害された。この時兵部の目の前で死んだ仲間の念を精神感応で受信した彼は、死んだ者達の能力を自らの中に取り込んだ。それが兵部の複合能力の正体である。
関連動画
関連項目
外部リンク
脚注
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