内閣官房とは、日本政府を構成する行政機関のひとつ、内閣の補助機関であり、内閣総理大臣を直接に補佐および支援する政府組織である。英語表記:Cabinet Secretariat(直訳で内閣事務局)。
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概要
内閣官房は、日本政府の中枢にあって重要政策の企画立案・総合調整を担う内閣直属の行政組織である。
古くは内閣制度創設と同時に内閣書記官室として設置され、主に閣内の庶務や文書管理などを行っていたが、行政規模が拡大するにつれて政府全体の司令塔・省庁間の調整役としての役割が大きくなっていった。
たびたび総理府や内閣府など首相主管の行政組織との統合が検討されるが、なるべく直接の所管行政分野を持たずにコンパクトな組織を維持したい内閣官房側の抵抗から実現されていない。
長は内閣官房長官(旧称:内閣書記官長)。戦前は内務省出身者が官僚組織のトップとして就くことの多いポストだったが、のちに首相に近しい人物が「総理の女房役」「内閣の大番頭」として就く政治任用のポストになり、最終的に国務大臣をもってあてる大臣職になった。
組織
以下、内閣官房の業務ごとに実働の組織を記す。内閣官房長官はすべての業務を統轄する。
内閣総理大臣の補佐・支援
総理大臣に直属する首相補佐官、首相秘書官、内閣特別顧問、内閣官房参与が担う。
首相補佐官(5名)は首相に近しい国会議員が就き、首相への助言のほか、安全保障および時の内閣の重要政策の企画・立案を担う。政務担当の首相秘書官(1名)は首相の個人的な秘書が就き、首相の日程管理や面会相手の選別を行う。事務担当の首相秘書官(6名)は各省庁から出向してきた官僚(財務・外務・防衛・警察・経産など)が就き、官邸と各省庁の連絡役になる。内閣特別顧問と内閣官房参与は大学教授や企業経営者などの民間有識者が就くのが一般的で、各々の専門的知見から首相へ助言する。
国会との連絡・調整
衆参両院からそれぞれ任用された政務担当の内閣官房副長官(2名)が担う。
政府内の連絡・調整
大臣間の調整は内閣官房長官が、実務方の調整は官僚から任用された事務担当の内閣官房副長官(1名)が次官連絡会議や合同情報会議を通して行う。
安全保障・危機管理
国家安全保障局長および国家安全保障局は閣僚による国家安全保障会議の事務を行う。
内閣危機管理監はテロや災害などの有事における緊急対応の指揮を担う。
どちらも内閣官房副長官に準ずる副大臣級の地位である。
重要政策の企画・立案
官僚出身の内閣官房副長官補(内政担当、外政担当、安全保障・危機管理担当の計3名、次官級)が担う。
内閣府本府ビル内にはそれぞれの副長官補室(通称:補室)と呼ばれる部屋が置かれ、各省庁から出向してきたスタッフ(内閣審議官・内閣参事官・内閣事務官・内閣技官)が配属される。彼らは首相秘書官を通して官邸の指示を受け、省庁横断的な重要政策を推進する実働部隊になる。
内政担当は財務官僚、外政担当は外務官僚、安危担当は警察官僚か防衛官僚が就くのが一般的である。
政府広報
内閣広報官および内閣広報室が担う。首相官邸のWEBサイトや首相官邸の公式SNSアカウントはここが管理している。内閣官房長官は平日各2回の定例記者会見で政府のスポークスマンとしてマスメディアに対応する。
情報の収集・分析
内閣情報官および内閣情報調査室が担う。警察小説で「内調」や「CIRO」と呼ばれているのはここのことである。警察庁からの出向者が多い。
閣内の庶務・文書公印の管理
内閣総務官および内閣総務官室が担う。首相官邸の管理・修繕も行う。
その他
上記の他に、人事政策は内閣人事局(局長は内閣官房副長官が兼務)が、サイバーセキュリティは内閣サイバーセキュリティセンター(センター長は安全保障・危機管理担当の内閣官房副長官補が兼務)が担当している。
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関連項目
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