円卓の生徒とは、PC・Xbox360・PSP用の3Dダンジョン探索型RPGである。
開発・発売元はエクスペリエンス。
なお本項では、リメイク移植作「蒼き翼のシュバリエ」についても述べる。
概要
2010年4月13日発売。3Dダンジョン探索型RPGである。主人公はかつて魔王に敗れ、100年後に転生した勇者となって、個性的な仲間と共に、天翔ける城塞ロンドエールで世界を冒険する。「円卓の生徒」の名前が示す通り、仲間たちは原則として主人公の生徒という形になる(中にはどう見ても主人公より年上の「生徒」もいる)。
エクスペリエンスがチームムラマサと呼ばれていた頃から得意とする、「学園ウィザードリィ」タイプゲームの系列上にある作品とも言える。キャラクターロストが存在しない(キャラクターが固定であるという理由もあるが)、ほぼ制限無しでオートマッピングされたマップを見ることが出来る、ソウルランクを上げることで経験値に固定ボーナスが付くなど、ウィザードリィシリーズに比べると初心者にも配慮した構造となっている。
かつての光の勇者たちが魔王に挑んで敗れ、訪れた闇の世界の中で勇者が転生するというオープニングは、エクスペリエンスの設立経緯を鑑みると非常に意味深。
2011年2月10日、Xbox360版が発売。エクスペリエンスのコンシューマ復帰作となった。
また2012年10月4日にはPSP版の「円卓の生徒 The Eternal Legend」が発売、エクスペリエンスの携帯機初作品となった。
蒼き翼のシュバリエ
2019年7月に、「蒼き翼のシュバリエ」と改題したリメイク移植作が発売となった(ダウンロード版7月11日、パッケージ版は7月25日発売)。主な変更点は以下の通り。
- キャラクターデザイナーが村上聡美からチーコに変更になった(村上版キャラクターイラストも使用できる)。
- 円卓の制服がなくなり、代わりにエンブレムが配布される形になった等、一部作中設定が微調整された。これに伴いセリフも変更になったものがある。
- キャラクターメイキングの仕様が大幅に変更になった。具体的には「魂の元型」という形でキャラクター設定とは別に種族タイプを選択できるようになった(「ジェネレーションエクス」のキャラクターメイキングと同様の仕様)他、固定だったメインクラスを自由に変更できるようになった。これに伴い、各キャラクターのアバターは戦士型のビジュアルと魔術士型のビジュアル(と村上版キャラクターイラスト)が用意され、いつでも切り替えができるようになっている。またサブクラスの選択回数制限もなくなり、開放後であれば何度でも自由に変更できるようになった。
- 各クラスが一定以上のレベルに達すると、追加でステータスボーナスポイントが付与されるようになった。
- 「円卓」ではサブクラスを設定すると経験値をメインクラスとサブクラスで折半するため成長が鈍化するデメリットがあったが、「蒼シュバ」では折半しない仕様になった。
主な登場人物
円卓の生徒たちと、比較的序盤に登場するキャラクターについて簡単に解説する。キャラクターデザインは「円卓」は村上聡海、「蒼シュバ」は前出の通りチーコ。CVはPSP版(Eternal Legend)のもの。また、通常版と「Eternal Legend」で設定が違うキャラクターや、「蒼シュバ」で名前が変更されたキャラクターが一部居る(具体的には、エルサのように通称とは別に本名が設定されていたキャラクターは、通称がそのまま本名に変更された)ため、その場合は併記している。
主人公
本作の主人公であり、「円卓」の教師。ヒューマン、年齢不詳(10~30台)。性別・名前は自由に選択することが出来る(苗字は「ランドライト」で固定)。容姿・性別による性能の差はない。作中でのクラスはヴァリアント。
その正体はかつて魔王に挑んだ勇者エクス・ランドライト。魔暦101年、謎の呼び声に呼ばれて転生し、再び世に降り立つ。もっとも、転生は心身に多大な負荷を及ぼすこともあり、エクス・ランドライトとしての記憶はほぼ全て失っている。新しい自分を見つけることが目下の目標だとか。
作中ではプレイヤーの写し身でもある関係もあり、基本的に彼/彼女自身の台詞は登場せず、必要に応じて選択肢を選ぶことでその代用としている(この選択肢の選択によって、ソウルゲージが上下することがある)。このためCVの設定もない。
なお、男女どちらを選択しても物語の流れは変わらない。性別が前提にある発言が少々変化する程度である。「円卓」では性別設定には「中性」もあるが、これを選んだ場合は男性前提で話が進む。
サウル・ハイフィールド
主人公が最初に出会い、「生徒」に迎えることになるファイターの少年。ヒューマン、16歳(PSP版では17歳)。魂の元型の初期設定は「調停者の魂」、アバター初期設定は戦士型。CV:西原翔吾。
フューミの村でミグミィ族達と共に暮らしている。ロロンの幼なじみでもあり、彼女が行方不明になったことで焦って村を飛び出してしまう。その出自から強くなることに強い憧れがあるが、冒険が進むに従って思い悩むようになる。
エルサリア・アーレンティール / エルサ・アーレンティール
エルフ族のウィザードの少女。102歳。魂の元型の初期設定は「賢者の魂」、アバター初期設定は魔術士型。CV:沢城みゆき。
エルフの都アーレンティールの出身。族長の指示により、転生が予見された勇者エクス(=主人公)の円卓に加わるべく馳せ参じる。真面目で使命感の強い性格であるが、その一方でなぜ自分が騎士の円卓に加わり、神器クランナリンを継承するという大役を仰せつかったのかについては疑問に思っている。
例に漏れず本作においてもエルフは長命な種族であり、彼女も人間に換算すればまだ10代である。
ロロン
動物のような容姿を持ったミグミィ族のヒーラーの娘。17歳。魂の元型の初期設定は「小人の魂」、アバター初期設定は魔術士型。CV:趙秋奈。
ゴブリン達に誘拐された所を主人公達に助けられる。容姿に似合わず、どこか蓮っ葉な所がある。また、見た目は幼児であるが、ミグミィ族はもともと小柄な種族であり、彼女もこれで成人である。首からセントバーナード犬が付けるような小樽を下げているが、当人いわく中身は「百薬の長」。なお、円卓の制服は着用していない。
ルミーナ・クライス・グロムバルグ / ルーミ・クライス・グロムバルグ
ヒューマン、16歳、女性。作中のクラスはパラディン、魂の元型の初期設定は「調停者の魂」、アバター初期設定は戦士型。CV:喜多村英梨。
魔王に滅ぼされた国家グロムバルグの王家の血を引く王女。人類最後の砦と言われたエセルガルド砦陥落の際にアーレンティールに落ち延び、再起の時を図っていた。エルサとは幼なじみで、普段は表情の固い彼女もエルサの前では打ち解けた姿を見せる。
バーゴレグ・ドリンギル・フィンブルタール / バーゴ・フィンブルタール
ドワーフ族のファイターの男性。67歳(当人曰く「ドワーフは長命のためヒューマン換算で20台」)。魂の元型の初期設定は「豪傑の魂」、アバター初期設定は戦士型。CV:チャオ・ササキ。
魔王の侵攻によって滅びたドワーフの国バルハールの住人。とある事情にて主人公達に同行することになり、後に正式に円卓の生徒となる。酒と肉を好む豪気な男であるが、その胸に宿す強い信念は本物。円卓の制服は着用していない。
ポポログ
ミグミィ族のレンジャーの男性。19歳。魂の元型の初期設定は「小人の魂」、アバター初期設定は戦士型。CV:成田佳恵。
作中何度かNPCとして主人公達の前に現れ、後にある事件を切っ掛けに円卓の生徒として加わることになる。飄々として掴みどころのない性格をしており、協調よりも孤独を好む。一人旅をしていた目的が後に明かされる。女好きで、作中では「おっぱいに罪はない」という迷言を残している。だが、何故か同族の異性には興味がないらしい。
ミンツ・フェアグリン
エルフ族のアルケミストの男性。141歳。魂の元型の初期設定は「賢者の魂」、アバター初期設定は魔術士型。CV:平辻朔耶。
アーレンティールの族長ヴィンドールの補佐をしている男性。頭脳明晰、長身痩躯の美青年であるが、智に働き過ぎであるが故か他人には冷酷とも見られる言動を取ることがある。ある理由により、エルサとルーミを守るために円卓の生徒に加わった。円卓の制服は着用していない。何故か一部の女性用装備を装備することが出来る。
チュップ
フェアリーの女王の命により人間界へとやって来たフェアリー族の少女。年齢不詳。作中のクラスはドルイド。魂の元型の初期設定は「妖精の魂」、アバター初期設定は魔術士型。CV:中上育実。
言葉の扱いに長け、魔物や死者とすら会話することが出来る。作中ではその能力を活かし、魔物を「魅了」して一時的に味方にしてしまうことが可能。フェアリー族は基本的に人間界に現れることが無いため、この世界でもかなり珍しい存在である。さすがにサイズが無いためか、円卓の制服は着用していない。
マイコ・セーリュー / マイ・セーリュー
通称マイ。猫のような耳と尻尾を持ったネイ族のサムライの女性。23歳。魂の元型の初期設定は「達人の魂」、アバター初期設定は戦士型。CV:田村マミ。
チームムラマサ作品のお約束である「侍ネコ娘」。
己が死に場所を求め、生命を賭けるに相応しい戦いを探して、異国よりはるばるアルダの地へと流れ着いたサムライ。ある事件を切っ掛けに円卓の生徒に加わることになる。妖艶な美女であるがその心の闇は深く、時折アブない発言を行う。一方で興奮したり気が緩んだりすると、所謂ネコ言葉を話すこともある(同一世界観である「デモンゲイズ」に登場するネイ族達もネコ言葉を話すため、種族的な特徴であると思われる)。
マァリン
転生した直後の主人公の前に現れた、メイド服のような服を着た少女。年齢不詳。直接の言及はないが、種族は「セラフ」。CV:広橋涼。
基本的に非戦闘員であり、旅には原則としてロンドエールから通信で割り込む形で同行している。基本的にいつも無表情であるが、イベントによっては怪しい微笑を浮かべたり赤面したりする姿も見ることができる。作中のあるイベントの影響で、ファンコミュニティでは「抱き枕」とあだ名されることも多い。
ある条件を満たすことで「生徒」の一人として使用できるようになる。その際のクラスは主人公と同じヴァリアント、魂の元型は専用のものとなる。他の生徒と異なり戦士型・魔術士型のアバターを選ぶことはできない(村上版イラストは使用可能)。
エクス・ランドライト
主人公のかつての姿である勇者。ヒューマン、年齢不詳。作中では目深にフードをかぶった姿で描かれており、素顔は不明。
魔王オル・オーマに挑んだが敗れ、魂のみとなって100年もの間世界を彷徨っていた。
ピロス
エクス・ランドライトの仲間である円卓の騎士の一人。ヒューマン、当時25歳。作中では確認出来ないが、クラスはパラディン。CV:花方涼真。
円卓の騎士達の中でも最強と謳われた戦士であり、エクスの無二の親友でもあった男。魔王オル・オーマに挑んだが、敗れて死亡した。
エラステ
エクス・ランドライトの仲間である円卓の騎士の一人。エルフ、当時139歳。クラスはウィザード。
魔王の波動を防ぐ神器クランナリンを所持している。エクス、ピロスと共に魔王に挑み、敗れて死亡した。
オル・オーマ
あらゆる存在を傅かせる邪悪な波動を操る。波動を受けた者は自意識に逆らって味方の攻撃を始め、最後には魂まで侵食されて闇の眷属に成り果てる。影響を強く受けた者は同様に波動を扱うことが出来るようになることがあり、作中ではオル・オーマ自身も含めて、波動を扱う者との戦闘ではターン数表示が点滅して警告される。
波動を破るためには神器クランナリンか、何者にも屈しない強い絆の力が必要。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- エクスペリエンス - 公式サイト(エクスペリエンス本体、PC版、Xbox360版、PSP版、蒼シュバ)
- チームムラマサ - チームラ
- 剣の街の異邦人 - デモンゲイズ - デモンゲイズ2 (同じ制作元による同世界観作品)
- ウィザードリィエクス - Wizardry XTH (かつてのコンシューマ作)
- ジェネレーションエクス (エクスペリエンス設立後の処女作)
- ゲームのタイトル一覧
- 1
- 0pt