凍み豆腐とは、凍らせて作るスポンジ状の豆腐の事である。別名、凍り豆腐、高野豆腐とも言う。食品の正式規格では「凍り豆腐」と登録されており、関西以西では「高野豆腐」、東北以北では「凍み豆腐」と呼ばれる事が多い。
概要
元々は、当然ながら豆腐の加工品。
大豆を基に、消化効率を高めた優れた食品である豆腐だが、「保存性に劣る」「重量があり、かさばる」といった欠点も出てきた。
それがたまたま、とあるうっかりやさんが真冬に豆腐を長期間放置するという失態をしてしまったところ、夜→凍ってカチカチ、昼→溶けて水が外に出る(かつ寒いので菌が繁殖しにくい)を繰り返し、最後にはカサカサの豆腐になってしまった。
冗談のようだが、これが原初の凍り豆腐だったと言われる。
なお、現在は製法がオートメーション化されており、元来の製法よりやや煮崩れしやすくなっているが、その分短時間で柔らかくなるようになっていて、調理のしやすさから流通しているモノのほとんどはこちらのものである。
特性として、元の豆腐とは違い保存性が非常に高く、冷蔵庫に入れておけば密閉せずとも半年程度は余裕で持つ。
その一方で水分の吸収性も極めて高く、ぬるま湯以上の温度の水分に浸すと、数分で柔らかくなる。
この「水分を吸収する」事が最大の特色で、味付け汁に浸せば、その味が凍り豆腐全体に行きわたり、本来の豆腐では行いにくい、「内部からの味付け」が可能となっている。
そのため、味噌汁、スープ、お浸し、煮物などで、存分な活躍の場を与えられる事になる。
栄養価は、元の豆腐に準じているが、乾燥の過程で生じた種々のミネラル分が含有されており、また湯戻しした後でも、豆腐よりは水分が少ないため、100gあたりのたんぱく質や鉄分は多めに摂取する事が出来る。
総じて、比較的低カロリーの割に栄養価は軒並み高く、健康を維持するに優れた食品であると言える。
なお、しばしば凍り豆腐をプッシュするあまり、「豆腐に比べ、たんぱく質は8倍以上、カルシウムは6倍以上」などといった表現も見られるが、待て、それは孔明の罠だ。
それらの多くは、いわゆる「湯戻しする前の凍り豆腐」の栄養価を鵜呑みにしており、水分10%以下のカチカチな状態の栄養価である。あのカチカチ、カッサカサの凍り豆腐を口にして大丈夫か? 大丈夫じゃない、問題だ。
本来の食べるべき状態(湯戻しした状態)では、豆腐と比べてたんぱく質1.3倍、カルシウム1.1倍、鉄分1.4倍程度である。ま、それでも十分に優れた栄養価であるのは間違いないが。
ちなみに東北の凍み豆腐は伊達政宗が考案したとされる逸話がある。とはいえ、前述の通り寒い土地で豆腐をほったらかしておけば自然とできるものなので、世界各地のうっかりさんが個別に偶然作ってしまった食材なのであろう。
ニコニコ動画的余談
MF2死ぬ気で全種族殿堂チャレンジ かしこ犬編Part3にて、シラセが冷気弾にてオルドーフをKOした際に
冷奴や凍み豆腐といった野次が飛ばされた。
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