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処方せんとは、医師などが薬剤師に対して作成する「投与が必要な医薬品や分量などを記した指示書」である。
概要
全て漢字で書くと「処方箋」。よく「処方せん」と表記されるのは「箋」が2010年まで常用漢字でなかったため。
患者に対して投与が必要な薬剤の薬名や分量、用法、用量が記されており、薬剤師はこれを基に調剤を行う。内容に疑問や疑わしいところがある場合、直接の面会か電話による疑義照会などを行う義務がある。
薬剤師は処方箋を交付した医師、歯科医師、獣医師の同意を得なければ内容を変更してはならないが、用法用量以外の事項は「調剤学上の当然の措置」として変更することが認められている。具体的には粉薬のカサ増し(賦形剤添加)や、安定化剤、保存剤、溶解補助剤の添加、pH調節による等張化など患者が服用しやすくする、吸収性を上げる措置などが主なもの。「調剤学上の当然の措置」ではないが、苦い薬をカプセル剤に切り替えたり甘くしたりといった措置も行なってよい。
薬物名の表記は商品名が用いられることが多いが、診療報酬改定により2012年4月から「一般名」での処方に点数加算がされる(余計にお金がもらえる)ようになったため、院外処方箋は一般名処方に移行し始めている。これは国が後発医薬品の使用を促進して医療費を抑える方針の一環である。
内用薬は1日量(例:3錠 1日3回=つまり1回1錠 毎食後)、内服液剤、注射薬、外用薬は投与総量(例:2瓶 1日4回 両目に点眼など)、頓服薬は1回量(例:1錠 腰痛時頓服 10回分など)を記載する。
1日3回などと分かりやすく書いていれば良いほうだが「分3」「3×」など独自の表記をする医療機関も多く、表記については統一されていないのが現状である。読み間違いによる事故のリスクを考慮し、今後は内用薬の記載を1回量(少ないので1日量と読み違えてもリスクが低い)に切り替えようと国は進めているが、システム変更に伴う費用の問題などから、1回量の併記を義務化した現状でも2016年の中間報告によれば併記の実施は14.5%に留まっている。
薬局開設者は調剤済みとなった処方せんを、その日から3年間保存しなければならない。
記載事項
処方箋は「普通処方箋」「保険処方箋」「麻薬処方箋」に大きく分けられるが、すべての処方箋は
を記す必要がある。保険処方箋の場合は「被保険者証の記号・番号」「保険者の名称」、麻薬処方箋の場合は「患者住所(院内処方の場合は不要)」「処方する医師・歯科医師・獣医師の麻薬施用者免許番号」が更に必要となる。
以下に処方箋記載の一例を示す。
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関連項目
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