「出撃!マシンロボレスキュー」とは、2003年1月8日から2004年1月3日まで放送されたテレビシリーズによるロボットアニメである。全53話。
概要
マシンロボをテーマにしたアニメ作品は『マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ』以来15年ぶりで、この作品が今のところ、マシンロボのアニメ作品としては現時点で最後の作品である。
主人公たちマシンロボレスキューに所属する子供は何かしらの才能を秘めた子供たちで、彼らは「特殊才能育成法」により特別に労働が許されているという設定がある。他のマシンロボシリーズとは異なり、マシンロボには勇者シリーズのような超AIによる人格が搭載されているという設定。
ただし本作はバトルもあるものの本筋は災害を通じた命の尊さなどに趣を置いたものであり、そういう意味での子供向けアニメとしてはサンライズ作品の中では珍しいと言える。
キャラクターは2Dだがロボは3Dで表現されている当時主流になりつつあったポリゴンロボットアニメのひとつだが、本作の数年前に海外のみで放送した『ダイノゾーン』のテレビアニメシリーズや『クラッシュギア』シリーズなど、サンライズのCGプロデューサーとして十分実績のある今西隆志が参加している事もあって、他社では『ウェブダイバー』等失敗している作品もある中で当時の国内製作としてはよく動き、重量感のある3DCGのアクションシーンには定評があった。
製作背景
本作は2003年当時、視聴率も関連商品の売上も上々だったと言われており、実際事実上の最終回である51話の後にスペシャル前後編が2話追加されるなど、直接の続編やテーマを継承したシリーズ化に繋がっても問題ない人気を博していたが、結局続編等は製作されなかった。
その理由として有力視されているのが前年から始まった『機動戦士ガンダムSEED』のヒットであると言われている。この作品では、低年齢向けの低価格ガンプラがヒットしたり、同年のガンダムエースの月刊化を決定付けるなど、以降のバンダイがガンダムシリーズの重視に舵を切る事を優先した為、続編が実現しなかったという説もある。
サンライズ・バンダイは男児向け低年齢路線としては本作の数年前から『GEAR戦士電童』『激闘!クラッシュギアTURBO』等をヒットさせていた。本作もその流れを組む作品であったが、『ガンダムSEED』が本作と同じ視聴層にもヒットした事や、クラッシュギアシリーズの2作目で本作と同じ1月に放送を開始した『クラッシュギアNitro』が前作より不振に終わった事もあって、本作の後番組は低年齢向けかつ海外展開も視野に入れた3DCG作品『SDガンダムフォース』が放送される事になった。
ただし、玩具は同様システムが使用された『ムゲンバイン』として続いて行き、独立したシリーズとなっていった。
あらすじ
今より先となる未来。才能ある子供たちは「特殊才能育成法」が成立したことで特別に大人とともに労働することが許されている。そんな子供たちの中から、厳しい選抜試験によって12人の子供たちが災害救助機関マシンロボレスキューに選ばれる。本編は大空太陽が入隊式初日に遅刻するところから始まる・・・。
主な登場人物
マシンロボレスキュー
特殊な才能を持つ子供たちと子供たちを支え、導く教官ら大人スタッフ、そして災害救助を目的に製作されたマシンロボにより構成されたチーム。3つ(終盤から4つ)のチームに別れている。空の災害、消防、遭難救助、大気圏外事故に対応するのがレッドウイングス。都市犯罪、高速道路事故、防災キャンペーンを主にするブルーサイレンス。砂崩れ、道路陥没、除雪作業を中心に、洞窟内の捜索、不発弾処理、海難事故対応を行うのがイエローギアーズ。以上がメインチームである。終盤には前述チームのサポートに回るコマンダーチームが追加された。
MRR隊員
レッドウイングス |
大空太陽(おおぞら たいよう)主人公でレッドウィングス所属。4年前に飛行機事故により両親を亡くし、奇跡的に生き延びる。以後、災害察知・サバイバル能力に長けるサバイバルナチュラルという才能に開花。当初は自身の才能に支えられている節があり、勉強もからっきしの上に不器用。過去ゆえに救える命は何が何でも救いたいという思いが強く、食べ残しもしない。この想いが後に同僚や上官に伝達することになる。ジェットロボとシャトルロボのマスター。 エリアス炎(エリアス ほのお)レッドウィングス所属。エースと呼ばれる少年で、口癖も「エースにまかせな!」である。トータルナチュラルという才能を持っている。まぁ、簡単に言えば努力の天才である。ゆえに災害に対する知識が豊富で才能任せで先行しがちな太陽らをカバーする。ちなみに何度も針を刺されてしまうほど血管が細いので注射が苦手。ファイヤーロボのマスターでもある。 遥鈴(はるか りん)レッドウィングス所属。神戸市出身で両親は中華街で中華料理店を営むやかましい賑やかな一家。感情が高ぶると関西弁が出る様子。格闘技とITの達人で、料理も得意。十数年前の大震災で祖母を亡くし、その体験を聞かされ続けられてきたことがきっかけでマシンロボレスキューに志願したとのこと。普段はバックアップ要因だが、時には出場命令も出す。 北沢海(きたざわ かい)レッドウィングス所属。のんびりしすぎて出遅れがち、しかも一番目立たない上にメインエピソードがないという不遇キャラ。その裏でデータ収集を行っており、裏事情まで何気に把握していたりする。 |
ジェットロボ / ハイパージェットロボジェットチームリーダー。ロボたちのまとめ役・・・だが、命令無視をよくやるため月末は始末書がギガ単位の容量で送られてはファイアーロボを苦しめる。当初はマスターである太陽の言う事を聞かなかったが、行動を共にすることでやっと言うことを聞くように。スカイロボと合体することでハイパージェットロボにレスキュー合体する。 スカイロボジェットロボをサポートしたり、ハイパージェットロボの合体要因として出場するサポートロボットたち。 ファイヤーロボ / ハイパーファイヤーロボファイヤーチームリーダー。クールに己の美学に基づいてレスキューする。当然、消火活動がメイン。ゆえに炎に負けるのはプライドが許さない。罰当番のサボりも見逃しません。エイダーロボと合体してハイパーファイヤーロボにレスキュー合体する。 エイダーロボファイヤーチームの女性型サポートロボたち。人型はナースなので、ロボフェチ+ナース属性もちにはたまらない造詣である・・・はず。一時期はデザスターに寝取られた奪われた。 シャトルロボ / ハイパーシャトルロボ宇宙仕様になったジェットロボ。当然、宇宙災害用なので地球上ではあまり活躍しない。 スペースロボウイングライナー / ウイングライナーロボ五両編成型MRトランスポーター。レッドウィングスはこれに乗って出場する。海上も走れる。マシンロボでできない作業を行う場合はロボ形態になれる。が、合体工程はバルブ型ハンドルという拷問仕様(しかも必要人数は二名)。 |
ブルーサイレンズ |
愛川誠(あいかわ まこと)ブルーサイレンズ所属。代々警察官を輩出してきた家庭に育った少年で、規律を重んじる真面目人間。柔道や剣道などの武術の天才・ファイトナチュラルでもある。堅物ゆえに恋愛に関してはすさまじく奥手で、意中の相手に手を握られたら沸騰する。さすがに警察官志望だけあってポリスロボのマスターとなる。 アリス・ベッカムブルーサイレンズ所属。ロンドン出身の元子役。スクリーン以外の活躍の場を求め、少女スパイ映画の主役を演じた後に試験を受けて、入隊。さすがに元女優だけあってアドリブに強く、持ち前の演技力で救助対象者を救った経験を持っている。普段はロボマスター代理兼バックアップ。 歌田進&歌田強(うただ すすむ)(うただ つよし)ブルーサイレンズ所属。双子。双子ならではの意思疎通能力が高く、プロレスラーである父親譲りの体力とメカニック技術で隊を支える。二人そろってジャイロロボのマスターとなる。 |
ポリスロボ / ハイパーポリスロボポリスチームリーダーロボ。人間側のリーダー並みに堅物で、ロボマスターに「冷静な判断力」と「決断する勇気」を求める。バイクロボと合体してハイパーポリスロボになる。 バイクロボポリスチームサポートロボ。狭い道筋にも対応可能な細さが自慢。 ジャイロロボ / ハイパージャイロロボジャイロチームリーダーロボ。アメリカに研修に行っていたが、まったくもって冷静に任務に取り組めない問題児だった。そんな性格ゆえにロボマスター兄弟に説教されたことも。ヘリコプターロボと合体してハイパージャイロロボにレスキュー合体する。 ヘリコプターロボ機動力と推進力を優先された飛行型サポートロボ。救助では常に二機一組で行動する。 サイレンギャリー / サイレンギャリーロボブルーサイレンズが搭乗するMRトランスポーター。水上でも沈まない構造になっているので、犯罪者が会場に逃げても無駄。こちらもロボ形態になれるが、やっぱりバルブをまわさないと変形しない。 |
イエローギアーズ |
速水大地(はやみ だいち)イエローギアーズ所属。父は重工業会社社長、母は有名女優というセレブ生まれ。が、「特別扱いされてしまうのでは」という不安から、バレるまでは周囲に隠していた。非常に気が弱く緊張しやすい性格で、訓練時に腹痛になってしまうことが多かった(後に克服)。実は目視のみで正確に寸法や角度を把握できる空間認識能力を有しており、この能力で多くの命を救った。ドリルロボのマスターになったのはいいが、他のイエローギアーズの面子はすさまじく濃かった・・・。 水前寺小百合(すいぜんじ さゆり)ディープなイエロギアーズ隊員・その1。名家のご令嬢で礼儀正しく丁寧な口調で話すおっとりさんで眼鏡っ娘。が、その空気で(主にイエローギアーズメンバーに対して)強烈な訓練を課すなど、実は(ある意味)作中最強。そんな彼女だが人の心を癒すセラピーナチュラルという才能を持っている。ロボマスター代理兼バックアップ要員なのが救い・・・なのか? 美波ケン(みなみ ケン)ディープなイエロギアーズ隊員・その2。トルコ、イスタンブル出身のハーフ。美少女のような外見で、女言葉を織り交ぜて話すこともあるが、彼を怒らせたりドリルを持たせてはいけない。突然、鉄拳制裁も厭わない漢に変貌するからだ(実際、敵だったころのジェイに鉄拳制裁を加えた実績がある)。どうやらお笑いに興味があるようで、ショウとは漫才コンビとしても活動。将来はある意味、すごい存在になっている(どうなったかは後日談エピソードを見てね!)。 芦川ショウ(あしかわ ショウ)ディープなイエロギアーズ隊員・その3。港町出身で「笑いは世界を救う」が彼のモットー。漫才ではボケ役だが肝心のネタは・・・お察しください。歳の離れた姉を海難事故で亡くしたことがきっかけで入隊した。その姉から笑顔の大切さを教わったことが、彼のモットーと信条へとつながっている。実は水泳が得意でサブマリンロボのロボマスターとなる。 |
ドリルロボ / ハイパードリルロボドリルチームリーダーロボ。性格を一言で現すなら江戸っ子親父。瓦礫撤去などで活躍できるほどのパワーを持っている。だが、カナヅチなので水辺の作業には要注意。どーざーロボと合体してハイパードリルロボにレスキュー合体する。 ドーザーロボドリルチームサポートロボ。威勢はいいがヘタレ。リアクション芸人向けの性格である。 サブマリンロボ / ハイパーサブマリンロボサブマリンチームリーダーロボ。海難事故担当。広い心を持つさわやかな海の男・・・なのだが、当初は格納庫を嫌っていた。アクアロボと合体してハイパーサブマリンロボにレスキュー合体する。 アクアロボギアダンプ / ギアダンプロボイエローギアーズ専用MRトランスポーター。海上にも出れるが、間違ってもここでドリルロボを出撃させてはいけない。ロボ形態にもなれるが、一番工程が面倒なのがこいつ。くわしくはググれ。 |
コマンダーチーム |
ジェイ当初は敵として登場。実は火星探査船マルスで生まれた世界初のスペースノイドで、その生き残りであった。出生を知り、改心した後はコマンダーチーム(あるいはステルスチーム)へ所属することに。太陽と同じくサバイバルナチュラルだが、誠や鈴と互角の格闘能力も持ち合わせている。デザスターに育てられた過去から世間一般にものすごく疎い。ゆえにとんだトラブルに発展することも・・・。ちなみに好物はおっきいおにぎり(どっかのアイドルと気が合うかもしれない)。名前の由来はジュニアから。 |
Vステルスロボ / ハイパーVステルスロボ後述のステルスロボが救助用に改造された姿。。メガブースター、パワーウイングを同時装着することでハイパーVステルスロボにレスキュー合体できる。マシンロボレスキューに所属してからというものの、ジェイに過保護になってきている。 マシンコマンダーマシンコマンダーロボ長官の承認とK-BOYを使用した3人のロボマスターの心がひとつにならないとこの姿にならないクソ面倒、仲良しさん専用のマシンロボ。マシンモードでは相互会話や自力飛行は不可能だが、平時は説教要員。機体はレッドコマンダー、ブルーコマンダー、イエローコマンダーに分離可能。 マシンコマンダーロボV |
MRRスタッフ
ブラッド尾藤(ブラッド びとう)ステルスロボを開発したスタッフの1人でマシンロボレスキュー司令官。隊員達を見守る。 宮島武蔵(みやじま むさし)レッドウイングス専任教官。ちょいとスパルタ気味の熱血漢で、佐々木をライバル視している。実は元特殊救助部隊「レスキューレッド」隊員。そして、よく佐々木に苦情電話を押し付けられる。 佐々木幸四郎(ささき こうしろう)ブルーサイレンズ専任教官で小隊長。警察庁特殊警察からの出向してきた隊員で、クール。なのに現実対応に弱い。 マリー尾藤(マリー びとう)MRR秘書兼イエローギアーズ教官。ブラッド尾藤の娘で人事にも関わっている様子。隊員たちからはお姉さんのように慕われているが、普段は大雑把でがさつ。ドリルロボから「姉ちゃん」呼ばわりされたり、濃い面子ばかり集まるイエローギアーズが悩みの種。 |
その他登場人物
ボン太陽がつれてきたセントバーナード。なぜか人語を解し、話すことができる。太陽意外にこのことは知られていないので、こっそり「天の声」として他の隊員たちにアドバイスすることも。実は作中でもナレーションという名の天の声を勤めることもある。 大井川善次郎(おおいがわ ぜんじろう)大井川さとこ(おおいがわ さとこ)善次郎の妻で寮母。彼女の料理は隊員らに好評である。こちらは太陽とジェイの母親代わり。 水道橋通(すいどうばし とおる)マシンロボを開発した人物の孫であり、隊のマシンロボは彼によって製作された。事故により下半身不随となっている。 水島純(みずしま じゅん)第1話からちょくちょく登場する少年。なぜか災害に巻き込まれやすい体質で、何度もマシンロボレスキューに救助されている。ゆえに一部では「ハザードナチュラル」と呼ばれているとかいないとか。監督お気に入りの人物で、小さな視聴者代表とのことだが、それにしては酷い目に遭いすぎである。 早乙女亜希(さおとめ あき)物語上では特殊才能育成法が適用されてから初めての少女医師。普段はドジっ娘だが腕と治療の手際よさはさすがに天才児らしく一流。誠は彼女に惚れ、なんとか初デートにこぎつけたが・・・。 |
デザスター
レスキュー活動を妨害し、マシンロボを手に入れようと狙う謎の組織。各種災害を引き起こすその理由は終盤で明らかになる。主力はガラゴロで、中盤ではBL(ブラック)マシンロボが投入される。ジェイについてはコマンダーチームの項目を参照。
ハザード大佐物語中盤から登場した変態デザスター最高幹部。ジェイがデザスターを離反してからは、彼が指揮を執る。BLマシンロボも彼が設計した。なお、大佐の箇所を間違えられるのはお約束。そして、敵でありながらボケ役や顔芸もこなすため、時々大きなお友達の腹筋を破壊しにかかる一面も。実はアンドロイドでした。 ステルスロボ / ハイパーステルスロボデザスターについているマシンロボ。ステルス機能とジャミング機能を兼ね備えており、戦闘狂であった。姿を現したのは5話だが、実はステルスで2話の時点で登場している。実はマシンロボ試作機だったが、封印されていたところをデザスターに回収され、今の姿となった。 タンクロボこちらもマシンロボ試作機だったが、デザスターに回収されてステルスロボのサポートロボとなった。地上制圧型戦闘用に製作されているため、戦闘力は高い。が、39話で全滅。 ガラゴロ(CV:矢部雅史) Fジェイの養育用マメゴロで、「ジェイを立派に育てること」を喜びとするオカン。さすがに彼を育て上げただけあって、格闘能力は高い。結果的には悲しい別れとなったが、その欠片はVステルスロボの中で生き続けている。 BLマシンロボ正式名称はブラックマシンロボ。おいそこ、ベーコンレタスはともかく、濃厚な方を連想したなら少し、頭冷やそうか・・・。ハザード大佐によって開発された悪のマシンロボで、姿形こそ似ているが性格や性能はまったく似ていない。開発されたのはファイヤー、ドリル、ポリスの3ユニット。 Dr.カイザーブラッド尾藤の友人だった男。かつては人工重力装置の権威だったが・・・。 カイザーG(CV:中田和宏) |
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関連項目
外部リンク
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