初代遊戯王とは、漫画『遊☆戯☆王』を原作として東映アニメーションによって作られたアニメの主な通称。
ちなみにこのアニメの正式なタイトルは原作と同じ『遊☆戯☆王』である。
後のカードゲームを主体としたものと違い、漫画初期の内容を描くことを中心とする。
なお、この表記は遊戯王DMなどと区別するための呼称に過ぎないが、遊戯王DMのことを初代遊戯王と呼んで、この作品を製作会社にちなんで東映版と呼ぶこともある。
概要
高橋和希の漫画『遊☆戯☆王』を原作とする1998年4月~10月にテレビ朝日系で放映された最初のアニメである。遊戯王1stとも呼ばれる。海外では放映されていないためか、シーズン0と呼ばれることが多い。
脚本は井上敏樹・小林靖子など、後に平成仮面ライダーシリーズの屋台骨を支える人材が揃っている。
遊戯王はテレビ東京の遊戯王DMがよく知られているが、それよりも先にテレビ朝日でも1998年から半年ほど放映されていた。前半は一話完結が多いものの後半になるとストーリー性が強くなっていく。シャーディー戦、海馬およびゲーム四天王戦、DEATH-T、バクラ戦、という順に展開する。
東映の手によりテレビアニメ化がされたのだが、ゴールデンタイムということでゲーム等の過激さがかなり制限されていた(人が死ぬシーンが闇遊戯の力で悪夢を見るというシーンに変更など)。しかしその時間帯に放送出来る限りにはホラーテイストになっている。
また、裏番組に「ウルトラマンガイア」や「YAT安心!宇宙旅行」といった人気番組があり、それほど人気が出ないままにアニメは千年パズルの謎などの伏線回収の前に打ち切りになってしまった。
後に遊戯王DMが登場したこともあってか、この作品は当時VHSで一応商品化されはしたが、DVD化は一切されていない。公式配信もされていないので、このアニメを見ることはほとんど不可能である。ただし当時の公式サイトはまだ現存している。主に製作関係の大人の事情と言われているため、このあたりが商品展開にややこしい状態となっている。
社長の頭髪が緑色であり、ニコニコではキャベツと呼ばれ親しまれて(?)いる。
番組終了後、東映アニメフェアの一環として映画化された。キャストは同じだが、海馬の髪の色が原作と同じく茶色になり、さらにデザインが原作寄りになるなど、雰囲気的には遊戯王DMにかなり近くなっている。
緑川版の茶髪社長が聞けるのは映画版だけ!
遊戯王DMとの違い
初代アニメ版は、漫画の初期と同様に、いろんなゲームで遊戯がゲーム勝負(闇のゲーム)を仕掛けて、遊戯やその周囲の人などに仇なす悪人をぶちのめす(※番宣のキャッチフレーズです)というコンセプトになっている。
「デュエルモンスターズ」も一応登場しはするが、ルールやカードデザインなどは異なるうえ、この作中では、ほとんどゲームの題材として選ばれていない。
今作の闇遊戯は通称魔王様と称されるなど、豆腐メンタルとして愛されている遊戯王DMの闇遊戯とは対照的に、カリスマ感溢れる冷静沈着なヒーローとして描かれている。
決め台詞は「さあ、ゲームの時間だ」「闇の扉が開かれた」など。
また、今作の闇遊戯は人を救うために表遊戯が「変身する」という扱いである。さらに、あくまでダークヒーローという方向性のため、人を救っているはずなのに闇遊戯の表情はほとんど悪人面である。
いわゆるレイプ目のようになっているシーンが多いうえ、そうでなくても口元は不敵な感じでニヤついており、自信に満ち溢れた存在となっている。
原作や遊戯王DMと決定的に違うのは、アニメ独自の要素として、原作1巻で少し登場した脇役・野坂ミホをレギュラー化したことであろう。
ミホは後の遊戯王DMでは登場しない(名前だけGXで登場)キャラであるうえ、原作とは性格設定なども違うので、ほとんど初代遊戯王のオリジナルキャラクターと言っても過言ではない。
この起用が功を奏したかは各々の判断に任せるとして、ファンから一定の人気を獲得するには至っている。
さらに原作・遊戯王DMでは存在感がないと噂の本田ヒロトは、「1年生で生徒会長選挙に立候補したが落選し、美化委員に落ちこぼれたキャラ」という真面目な性格に変更されており、彼も原作とはほとんど別人である。
しかし、その空回り具合な活躍のおかげで、割りと美味しいところでウケをとったりなど、他の遊戯王作品(原作含め)よりキャラが立っていると評価を受けることも…。
海馬瀬人はキャラこそそれほど変わらないが、髪の毛が緑という(東映アニメーションにはありがちな色変更)を受けた。また、モクバも原作の当初と同じく意地悪な性格として描かれている。
豪華声優陣
本作品の特徴として、現在の視点から見れば声優陣が豪華なことがあげられる。
(例)
武藤遊戯 緒方恵美(新世紀エヴァンゲリオンの碇シンジなど)
城之内克也 森川智之(宇宙の騎士テッカマンブレードのDボゥイなど)
本田ヒロト 置鮎龍太郎(新機動戦記ガンダムWのトレーズ・クシュリナーダなど)
真崎杏子 かかずゆみ(ドラえもんの源静香(2005年4月~)など)
野坂ミホ 野上ゆかな(現在のゆかな、テイルズオブジアビスのティア・グランツなど)
武藤双六 青野武(ドラゴンボールのピッコロ大魔王、神様など)
海馬瀬人 緑川光(新機動戦記ガンダムWのヒイロ・ユイなど)
海馬モクバ 三輪勝恵(パーマンの須羽ミツ夫/パーマン1号など)
シャーディー 塩沢兼人(クレヨンしんちゃんのぶりぶりざえもんなど)
獏良了 柏倉つとむ(現在のカシワクラツトム、ちびまる子ちゃんのはまじなど)
鯨田、ゾーグ 飯塚昭三(機動戦士ガンダムのリュウ・ホセイ、TVアニメ北斗の拳のハート様など)
リドリー・シェルダン 大塚周夫(ゲゲゲの鬼太郎の初代ねずみ男など)
ちなみに後半に記述されている出演者はほとんどがゲスト出演である。
関連動画
お絵カキコ
関連項目
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