判子とは、シンボルを刻印した印である。印章ともいう。
概要
木、金属、貴金属、象牙などを加工し、その一面にシンボルを彫り込み、その面に墨などをつけ、紙などにシンボルを刻印する事を目的とした道具。
国、自治体、会社、個人などの権威の「しるし」として使われてきた歴史がある。その歴史は古いが、現在では世界的に見ても日本くらいでしか使われていない。「はんこ文化」の記事も参照。
判子の利点
判子の利点はまず何より同じ図柄を量産できることだろう。それでいて、偽造防止も兼ねている。判子にはそれを作った職人の癖による細かい差異が生じており、それを別人が再現するのは難しかったのである。
中国での判子
古代中国から判子は国のシンボルとして扱われてきた。王や皇帝が引き継ぐものとしても扱われ、「玉璽」は王が持つものとして王位継承のシンボルともされた。「玉璽」は王位、皇帝位を引き継いだ証とされ、『三国志演義』など中国の歴史小説などを読めば、これらの判子がどれだけ重要視されていたかが理解できるだろう。
また、中国の歴代王朝は周辺の国家に対して格付けに応じた印綬を下賜した。その中の一つが日本に伝わっている「漢委奴国王」に与えられた「金印」である。
判子の分類
現代日本では、判子にも分類が存在している。ここでは使用目的別に分ける。
- 認印 - 普段の生活の中で使われる一般的な判子。会社での捺印や宅配便の捺印などに使われる。
- 銀行印 - 銀行で顧客の判子として登録されたもの。個人を識別する物のため、破損しやすいなどの理由で三文判は忌避される傾向にある
- 実印 - 自治体で個人の判子として登録されたもの。印鑑登録をする事で認められる。銀行印よりもさらに重要視されることが多く、偽造防止のために職人によるオーダーメイド品が好まれる。
判子の材料
概要部の冒頭に書いたが、判子に使われる素材は多岐にわたる。それぞれの素材によって判子の値段は大きく異なる。
- 樹脂 - 主に三文判などで使われる大量生産品用の材料。何より安価であるが、破損しやすい。近年では合成樹脂が主流。
- 植物由来 - 柘や黒檀が主流。黒檀は高級品だが、最近は柘も枯渇気味である。
- 動物由来 - 牛の角や、象牙などを加工して作られる。象牙に関しては2020年現在国際取引が禁止されているが、禁止される前の在庫など合法的な象牙を少量ずつ供給している。
- 鉱物由来 - 金・銀・チタンなどを材料として用いることがある。金・銀の判子は普段使いには向かないだろう。チタンはその強度が注目されつつある。
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