判決文とは、裁判の判決を記した文章である。判決書ともいう。民事訴訟の場合は判決原本とも。
概要
裁判において、裁判所が最終的な判決を下した際に、その判決について記された文である。
その裁判の種類によって判決文のスタイルに違いがあるという。刑事訴訟では「主文」の後にその判決「理由」が記されるスタイルが基本のようだ。一方、民事訴訟では「主文」の後に「事実及び理由」が記されるスタイルが基本とされる。さらにこの「事実及び理由」内で、さらに「請求(原告が被告に求めている物事)」「事案の概要」「前提となる事実(原告と被告で争いのない事実)」「争点(原告と被告それぞれの主張)」「裁判所の判断」「結論」などが記される。
法律用語を用いたかたい文章で記されているために慣れていない者には読みにくいと言われる。ちゃんと読み込まずに斜め読みすると「原告と被告それぞれの主張」が書いてあるだけの箇所を「判決文にこう書いてあったからこれが裁判所の判断だ」と誤解してしまう事もありうる。しかし注意深く読めば「法律の専門家でないと全く意味が読み取れない」ような判決文は少ない。
判例として後の裁判の参考となるような裁判については、裁判所の公式サイト内「裁判例検索」のページにて検索して閲覧できる。
ただしこの裁判所のサイトに掲載されている判例は数が少ない。法律家向けの民間の有料判例データベースにはさらに多くの判決文が掲載されている。ただしこちらも全ての判例を網羅しているわけではなく、注目される・重要な判決に限定される。このような民間データベースを閲覧するには有料の契約が必要だが、図書館がこのようなデータベースと契約していることがあるため、それを利用すれば自己負担なく閲覧も可能である。
世間からの注目が集まった事件について「報道で漏れ聞こえる情報からすると不当にも思える判決」が出てSNSなどで裁判官の判断への不満の声が高まった際には、「裁判官を批判する前に判決文を読み、報道が本当に事件や裁判について公平に伝えているのか確認するべきではないか」とたしなめる投稿がなされて一定の支持を集めることもある。
ニコニコ大百科と判決文
このニコニコ大百科の内容が判決文に引用されてしまう事もある。例えば以下のように。
「マーくん」の語の意味に関して、ウィキペディアの「マーくん」の項には、「1.プロ野球・千葉ロッテマリーンズのマスコット。」、「2.プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの投手、田中将大の愛称。」と(甲12)、ニコニコ大百科の「マーくん」の項に、「本記事では、日本のプロ野球球団である『千葉ロッテマリーンズ』のマスコットについて解説。」とした上で、「曖昧さ回避」として、「『千葉ロッテマリーンズ』のマスコット。本項で記述。」、「『ヘタリア』の登場キャラクターであるデンマークの愛称。→マー君」、「兵庫県出身のプロ野球選手『田中将大』の愛称『マー君』の表記揺れ」(甲11)とそれぞれ記載されており、「マーくん」の語は、それらのとおり多義的に理解される語として認識されていることが認められる。[1]
こんな誰でも編集できるサイトが法の下の裁きの参考にされるとかちょっと怖いねえ。
でも裁判官の判断の参考にしてもらえているのはうれしいね。
……んっ? このニコニコ大百科の「マーくん」の記事には、この判決文にある
「『ヘタリア』の登場キャラクターであるデンマークの愛称。→マー君」
なんて記述はないぞ?
過去のリビジョンにあったのかもしれないと思って「マーくん」の記事の編集履歴で全リビジョンを確認しても、どのリビジョンにもない。
……嫌な予感がする。この
「『ヘタリア』の登場キャラクターであるデンマークの愛称。→マー君」
という文章でググってみよう。
ウチじゃなくてピクシブ百科事典じゃねえか!
このように、裁判官も人の子なので間違うときは間違うのである。
関連項目
判決文の引用または要約を含むニコニコ大百科の記事
- アシュクロフト対表現の自由連合裁判
- アンチドーピング(MotoGP)
- 飯塚事件
- 川崎市日本人差別条例
- 個室ビデオ
- 今月はね!一日からね!飛ばしていきますよ!
- 桜井誠
- 思想・良心の自由
- ジャニー喜多川
- 主文後回し
- 信教の自由
- 租税義務説
- 竹田恒泰
- 立花孝志
- 豊田商事事件
- 囚われの聴衆
- 731部隊
- ニコニコ動画のコメント特許
- 日本国憲法第23条
- 日本人のための芸術祭 あいちトリカエナハーレ2019 「表現の自由展」
- 判決文
- 反社会的カルト集団
- 表現の自由
- 夫婦別姓
- ヘイトスピーチ
- ワンセグ
脚注
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