概要
「群馬県の県庁所在地はドコ?」「え?高崎市でしょ?」
などと答えられてしまうのが珍しくないほど、日本の47都道府県庁所在地の中では存在感が薄い都市と言われている。三重県の津市や滋賀県の大津市、それに山口県の山口市などといい勝負かも知れない。
元々群馬県庁は高崎市内に置かれており、初代群馬県令(現在の県知事)の楫取素彦(2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』のヒロインの夫)が「後で返すから」と高崎市民を欺いて群馬県庁を強引に前橋市に移転させた歴史上の事実がある。そのため、そんな高崎市との関係はあまり良くないと言われている。
明治時代は生糸の生産地として栄えたという。日本初の私鉄である日本鉄道が当初、東京の上野からここ前橋までを結ぶ鉄道を敷設したのは、群馬県のここで生み出された生糸を鉄道を通じて海外へ輸出し、外貨を稼ぐ狙いが強かったためと言われるほどである。
当初前橋市内は通らず、高崎駅から直接北上する計画だった上越線を前橋市内経由(分岐駅として新前橋駅開業)に変更させることには成功したが、上越新幹線の誘致には失敗した。
2015年2月19日放送の「スーパーニュース」(フジテレビ系)で、「群馬・前橋駅では、若い女性がいない」と揶揄される「事件」があった。
上毛かるたでは、
鉄道唱歌第四集では、
と詠われ、70年代までは間違いなく県下一の大都会であった。しかし、市街地にあった長崎屋・丸井・前三百貨店が相次いで撤退し、その一方で前橋駅前にイトーヨーカドーが開店することが決定したことで中心市街地商店街は商工会や前橋市と激しく対立し、市街地の空洞化が更に進む事態となった。
商店のみならず映画館の閉館も相次ぎ、2006年に前橋テアトル西友が閉館すると、ついに群馬県は日本で唯一の県庁所在地に映画館のない県になってしまった(翌年にけやきウォーク前橋が開店し、シネコンも開業したためこの不名誉な記録は一年ほどで終わったが)。
中心市街地壊滅の原因の一つとなったイトーヨーカドーも2010年に撤退するが、この跡地も前橋の汚辱と呼ぶしかない無様な変遷を辿る。エキータ前橋として営業再開するもわずかな期間で廃墟と化し、2020年になってようやくアクエル前橋としてリニューアルオープンした。
なお、47都道府県の中で最も海から離れている県庁所在地でもある。
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関連項目
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