副業詐欺とは、特殊詐欺の一種である。
概要
新型コロナウイルスによるパンデミック以降に急増したとされる詐欺。
Stay Home推奨の影響で在宅時間が増加したこと、コロナ禍前の平成29年(2017年)ごろより厚生労働省より働き方改革の一環で、副業・兼業の推奨、解禁が促されたことなどから、本業とは別に何かしらの手段で別の収入源を得ようとする者が増加したこともあり、目立つようになってきたとされる。
手法としては、副業紹介サイトなどで「簡単に稼げる手段がある」「1ヶ月で○万円(おおよそ30万円前後)、確実に儲かる」などと称して、その仕事内容自体はサイト上では明かさず、直接ユーザーがコンタクトを取ってきた時点から詐欺が始まる。別のルートでは、マッチングアプリで大金を稼いでいる事を自慢し、その手法を聞き出そうとする者に対しての引き合わせる、デート商法で男女の関係になると見せかけて誘導する、副業紹介の仲介人が実は詐欺師との共犯者といったものもある。
また、近年ではSNSを通じた手法も増えつつあり、スタンプを送るだけで○万円プレゼント、リツイートでギフト券を差し上げます、などといった誘い文句には要注意。この他に、外部のゲームサイトでゲームの途中からもうけ話に…といったパターンもある。
メール、LINEなどで数回文字通信で簡単な自己紹介、業務の方向性などを話した後、電話による面談に移行すれば詐欺師の本領発揮となり、言葉巧みに自身を信用させると、稼ぐためのノウハウを授けると嘯いて、多額のコンサルティング料金(情報代)を請求するが、その手法が法に触れるものであったり、転売などの利益が出にくい手法である、そもそもサイトの利用規約で禁止されている行為などであって、最初に支払った金額を上回る額を稼ぎ出すことはほぼ不可能であり、気付いたときには何十万もの借金を負ってしまっていることすらある。
この他に資格を取らせようとするものもあり、この教材を揃えなければ合格できない、この資格を持っていれば優先的に仕事を紹介する、といったものもある。
また、マニュアル代など、初期費用が発生するものは、最初に少額から支払わせ、その後サポート料金などと称して徐々に金額を上げていくという手法もある。これは「フット・イン・ザ・ドア」という心理テクニックのひとつで、支払いやすい金額からスタートさせて、徐々に要求する金額を上げていくことで拒絶されにくくなる手法である。
さらに最近ではこれに投資系の詐欺も加わり、クレジットカードの残り枠を確認させた上での借金投資を勧めたり、カード会社の分割払い方式を利用して支払うように迫ってくることもある。
いずれの場合も、詐欺師はマネーロンダリングを真の目的としている場合が殆どである。
対策
まず、「確実に」であったり、「○日以内で」「必ず儲かる」といった広告、勧誘は金融商品や情報商材であっても、『断定的判断の提供』という行為にあたり法律違反にあたる。(金融商品取引法38条、商品取引所法214条1号、海外商品市場における先物取引の受諾等に関する法律(通称「海先法」)10条1・2号、消費者契約法第4条など)
つまり、確定していない未来に対して、確実であるかのように断定し、それを信じさせた上で交わした契約は全て無効になるということ。土地や株などは常に値動きが変動していて不安定であるほか、転売事業なども買う人が居なければ成立し得ないビジネスなので、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項について、絶対ということは有り得ないためである。
「必ずラクして稼げますから」「絶対誰でもできる」「安全に儲けられる」といった甘い誘い文句、美味い話は100%詐欺であると言うことを頭に叩き込んでおけばまず騙されることはない。
そして、先に金を支払わせるような場合は間違いなく詐欺である。
このような事態を防ぐためには、まず相手先の業者のホームページやSNS、口コミなどを調べる、きちんと実在する会社であるかどうかチェックする、住所、連絡先、アクセス方法などがきちんと書かれているかを事前に調査する、などである。
また、大金を支払うというような時には、これに限らず一旦一呼吸置き、「第三者へ相談したい」と相手方に伝えてすぐに決めないようにするということも大切である。
自分の人生に関わる大きな決断は決して一人で決めてしまってはいけない。
詐欺師は大抵、電話などで「今すぐに決めた方がいいですよ」「早くに始めればもっと稼げますよ」といった文句で誘ってくるほか、手の込んだものでは事前にすぐに決めることが大切などということを解説した動画を紹介していたりすることすらある。
そして、詐欺師は自分のテリトリーに誘いやすい電話に誘導することが殆どである。
だが、電話口のみで言われるがままの契約というのは、ほとんどが詐欺かそれに類する勧誘である。
電話だけで契約書を交わすようなことは、副業詐欺に限らず絶対避けるべきで、必ず相手の素性を調査した上で、信頼できる誰かに相談するようにしよう。
それまで周りの人に相談しても何も変わらなかったではないか、と言ったことを言われることもあるかもしれないが、それまで何年もの時を共に過ごしてきた人物より、知り合って間もない人間を信じろと言う方が逆に無理のある話なので、そのような戯言に付き合う必要はない。
もし、契約してしまったら、おかしいと感じた時点でクーリングオフを行う事が推奨されるが、応じないことも多いため、消費者庁の消費生活センターに相談する(消費者ホットライン188というものもある)、金銭的な問題が発生すれば警察に相談する(警察相談専用電話#9110というものもある)、クレジットカードで決済してしまった場合は、事前に説明されたものと異なるものが手元に届いた場合、抗弁書で支払いを停止できる可能性があるので、カード会社に支払いを停止して貰えないか相談するなどと言うことも大切である。
但し、全額が戻ってくる可能性は限りなく低いので、とにかくすぐに契約しないことが大切である。
世の中に楽をして大金を稼ぐ手段など存在しない!
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