副露(フーロ)とは、麻雀用語のひとつで、他家が打牌した牌を奪って面子を作ることである。副露することを「鳴く」「喰う」などという。
概要
原則として、麻雀でアガるためには14枚の牌を使って、4組の完成面子と1組の雀頭を作る必要がある。自力で拾ってきた牌だけでこの形を目指すのはなかなか大変なことだが、他家が「これイラネ」と捨てた牌をもらうことで面子をその場で完成させ、アガリに近づくことができる。これが副露である。
このように、他家の捨てた牌を利用して面子を作るので手の完成を早くすることができる副露だが、それ以外にも他家の立直直後に副露することで一発を防ぐことができる(いわゆる一発消し)というメリットもある。
しかし、もちろんメリットだけでなくデメリットもある。
- 副露で作った面子は他家に晒さなくてはいけないため、狙いを読まれやすくなる。
- 副露で作った面子は打牌したり、あとから変更したりできない。つまり打牌の選択肢が狭くなるということであり、防御にまわった場合は放銃する危険性も高まる。
- 副露すると役の飜数が下がったり、役が消滅したりする。立直もできなくなる。無闇に副露を乱発すると、アガリに近づくどころか役がなくなってアガれなくなってしまうこともある。
こうしたメリット・デメリットを踏まえた上で、適切なタイミングで副露を行うことは、麻雀の戦略上重要である。
副露の種類
副露には、チー(吃)、ポン(碰)、カン(槓)の3種類がある。このうちカンに関しては、一般的に大明槓のみを副露と見なす。
チー
自分の手牌にある搭子が、上家の打牌を組み入れることで順子になる場合、「チー」と宣言して上家の打牌を取得することができる。チーしたあとは、完成した順子を公開する必要がある。
たとえば、という搭子が手牌にある場合、かを新たに加えれば順子が完成する状態である。もしここで、上家がこのどちらかを打牌すれば、チーを宣言して打牌を取得し、順子をその場で完成させることが可能だ。
チーで完成させた順子を晒す際は、 のように、上家から取得した牌を左側に置き、横向きにした状態にする。
一般的なルールの下では、チーは対面・下家からの打牌に対して行うことはできない。また、三人麻雀ではチーができない。
確率的に順子は刻子よりも自力で完成させやすく、また順子系の役は副露すると飜数が下がったり消滅したりすることが多いので、チーの使いどころには十分注意する必要がある。
ポン
自分の手牌の中に対子があるときに、他家が同じ牌を打牌すれば、「ポン」と宣言してその打牌を取得し、刻子を完成させることができる。チーとは異なり、対面・下家からの打牌に対して行うことも可能。
たとえば、という対子が手牌にあるときに、他家がを打牌すれば、ポンを宣言することで打牌を取得することができる。
ポンを行った後はチーの場合と同じく完成した刻子を公開する必要があるが、どのプレイヤーの打牌を取得したかによって晒し方が変わってくる。
上家からの打牌をポンした場合: のように左側の牌を横向きにして晒す。
対面からの打牌をポンした場合: のように中央の牌を横向きにして晒す。
下家からの打牌をポンした場合: のように右側の牌を横向きにして晒す。
カン
カンには3つの方法があるが、そのうち一般的に副露と見なされるのは大明槓のみであることが多い。
役の消滅と喰い下がり
前述の通り、副露を一回でも使用すると、役によっては飜数が下がったり、消滅して狙えなくなったりする。
副露を使用すると消滅してしまう役のことを「門前役(めんぜんやく)」という。代表的な門前役には以下のようなものがある。
副露を使用すると飜数が下がってしまう役のことを「喰い下がり役」という。代表的な喰い下がり役には以下のようなものがある。
なお、役の消滅や喰い下がりは、その役の成立に関係のない面子を副露した場合も発生してしまうので注意が必要である。
このような手を例に挙げる。門前で一盃口の形が確定している一向聴の状態だ。ここで、上家からが打牌されたとしよう。
これをチーすると、一盃口の形を構成する面子を副露したわけではないのに、一盃口が消滅してしまう。こうなると、アガるために他の役の成立を目指さなければならなくなってしまう。
関連コミュニティ
関連項目
- 2
- 0pt