割引率とは、以下の意味を持つ言葉である。
本記事では1.と2.の両方について解説する。
1.の概要
定義その1 割引債
割引債を発行して市場に売却するとき、額面金額から割引料を引いた金額で売却する。このときの割引料を求めるために額面金額に掛ける率を割引率という。
定義その2 手形割引
金融業者が手形割引をするとき、額面金額から割引料を引いた金額を支払って手形を引き取る。このときの割引料を求めるため額面金額に掛ける率を割引率という。
性質
販売金額から割引率(%)を計算する
割引債の販売や手形割引において、額面金額と販売金額と残存年数が分かっているのなら割引率(%)を計算できる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使っている人が、B1のセルに販売金額、B2のセルに額面金額、B3のセルに残存年数を入れた場合、割引率(%)の数式は=100*((B2-B1)/B3)/B2となる。
DISC関数(ディスカウント関数)を使ってもよい。B1のセルに販売金額、B2のセルに額面金額、B3のセルに残存年数を入れた場合、エクセルなら=DISC(DATE(2001,1,1), DATE(2001+B3,1,1) ,B1*(100/B2),100,1)*100という数式になり、オープンオフィスなら=DISC(DATE(2001;1;1); DATE(2001+B3;1;1) ;B1*(100/B2);100;1)*100という数式になる。
B3のセルに残存日数を入れても同じように計算できる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使っている人が、B1のセルに販売金額、B2のセルに額面金額、B3のセルに残存日数を入れた場合、割引率(%)の数式は=100*((B2-B1)/(B3/365))/B2となる。
DISC関数(ディスカウント関数)を使ってもよい。B1のセルに販売金額、B2のセルに額面金額、B3のセルに残存日数を入れた場合、エクセルなら=DISC(DATE(2001,1,1), DATE(2001,1,1+B3) ,B1*(100/B2),100,1)*100という数式になり、オープンオフィスなら=DISC(DATE(2001;1;1); DATE(2001;1;1+B3) ;B1*(100/B2);100;1)*100という数式になる。
割引率(%)から販売金額を計算する
割引債の販売や手形割引において、額面金額と残存年数と割引率(%)が分かっているのなら販売金額を計算できる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使っている人が、B1のセルに額面金額、B2のセルに残存年数、B3のセルに割引率(%)を入れた場合、販売金額の数式は=B1-B1*0.01*B3*B2となり、割引料の数式は=B1*0.01*B3*B2となる。
PRICEDISC関数(プライスディスカウント関数)を使ってもよい。B1のセルに額面金額、B2のセルに残存年数、B3のセルに割引率(%)を入れた場合、エクセルなら販売金額の数式は=PRICEDISC(DATE(2001,1,1), DATE(2001+B2,1,1), B3*0.01,B1,0)となり、割引料の数式は=B1-PRICEDISC(DATE(2001,1,1), DATE(2001+B2,1,1), B3*0.01,B1,0)となる。オープンオフィスなら販売金額の数式は=PRICEDISC(DATE(2001;1;1); DATE(2001+B2;1;1); B3*0.01;B1;0)となり、割引料の数式は=B1-PRICEDISC(DATE(2001;1;1); DATE(2001+B2;1;1); B3*0.01;B1;0)となる。
B3のセルに残存日数を入れても同じように計算できる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使っている人が、B1のセルに額面金額、B2のセルに残存日数、B3のセルに割引率(%)を入れた場合、販売金額の数式は=B1-B1*0.01*(B3/365)*B2となり、割引料の数式は=B1*0.01*(B3/365)*B2となる。
PRICEDISC関数(プライスディスカウント関数)を使ってもよい。B1のセルに額面金額、B2のセルに残存日数、B3のセルに割引率(%)を入れた場合、エクセルなら販売金額の数式は=PRICEDISC(DATE(2001,1,1), DATE(2001,1,1+B2), B3*0.01,B1,0)となり、割引料の数式は=B1-PRICEDISC(DATE(2001,1,1), DATE(2001,1,1+B2), B3*0.01,B1,0)となる。オープンオフィスなら販売金額の数式は=PRICEDISC(DATE(2001;1;1); DATE(2001;1;1+B2); B3*0.01;B1;0)となり、割引料の数式は=B1-PRICEDISC(DATE(2001;1;1); DATE(2001;1;1+B2); B3*0.01;B1;0)となる。
2.の概要
現在価値とn年後将来価値から複利利回りを計算する
現在価値A円とn年後将来価値B円を等しくさせる複利利回り(%)はただ1つに決まる[1]。A円×(1+0.01×r)n= B円という等式が成り立ち、rを計算できる。
たとえば、現在価値90円と2年後将来価値100円を等しくさせる複利利回りは5.409%である。90円×(1+0.01×r)2=100円という等式が成り立ち、r=5.409と計算できる。
n年後将来価値と複利利回りから現在価値を計算する
複利利回りr%である場合、n年後将来価値B円と等しい現在価値A円はただ1つに決まる[2]。A円=B円÷(1+0.01×r)nと計算できる
たとえば、複利利回り5.409%である場合、2年後将来価値100円と等しい現在価値は90円である。90円=100円÷(1+0.01×5.409)2と計算できる。
定義
「複利利回りr%である場合、n年後将来価値B円と等しい現在価値A円はただ1つに決まる。A円=B円÷(1+0.01×r)nと計算できる」と解説する人たちの一部は、「複利利回りのrを割引率という」と定義する[3]。
関連項目
脚注
- *この表現は経済学の教科書に載っているような表現である。金融業界の人が割引債を売買するときに行う表現に変換すると「購入金額A円で額面金額B円で残存年数n年の割引債がある。この割引債の複利利回り(%)はただ1つに決まる」となる。
- *この表現も経済学の教科書に載っているような表現である。金融業界の人が割引債を売買するときに行う表現に変換すると「額面金額B円で複利利回りがr%で残存年数n年の割引債がある。この割引債の購入金額はただ1つに決まる」となる。
- *割引現在価値のWikipedia記事、現在価値のWikipedia記事、M&A総合研究所記事、EY新日本有限責任監査法人記事、東海東京証券記事など。
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