創造論とは、非常にざっくり言うと、「神様が地球や生命を作った」「生命を作れるような何かしらの神がいる」という思想である。対義語は進化論であるとされることもあるが、進化論と創造論が融合したような思想もあって必ずしもそうとは言えない。
インテリジェント・デザイン(ID論)は創造論の一派である。
概要
実は創造論も一枚岩ではなく、様々な考え、立場があるのだが、共通して言えることは「神は実在して、生命も地球も神が作ったものである。」という考え方のこと。
英語で生き物という意味のcreatureが神にcreateされた物というニュアンスを含むように、伝統的に、キリスト教やイスラム教などのアブラハムの宗教圏では「生物も大地も海も神(YHVH)が作ったもの」と考えられてきた。例えば
初めに神は天と地を創造された。(略)神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(略)神は大空を作って、大空を天と名付けられた。神はまた言われた、「水は生き物の群れで満ち、鳥は地の上、天のおおぞらを飛べ」。神は海の大いなる獣と、水に群がるすべての動く生き物とを、種類にしたがって創造し、また翼のあるすべての鳥を、種類にしたがって創造された。神は見て、良しとされた。(略)神はまた言われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。 ー旧約聖書ー
・・・というように、聖書には明確に生物や大地、人間は黄色い四文字ハゲYHVHが作ったと書かれている。このことから創造論は信じられてきた。最初、ダーウィンが進化論を唱えた時に、聖書の教えに反するからとバッシングを受けたことは有名であろう。
また、「地球に生命が誕生するような確率は限りなく0に近い。サルに時計の部品を与えて偶然時計が出来上がるくらいの確率だ!それに地球の環境は生命に都合よく出来すぎている!これは神様が作ったに違いない。」とか、「進化論にも説明できないことがある。例えば、キリンの首が長くなる途中の生物の化石は見つかっていない。それに、不利な性質を持つ生物も完全には淘汰されていないし、長期間進化してない生物が残っているのはおかしい」とか、「聖書に誤りがあるわけがない」などの理由により、現在でも主にキリスト教やイスラム教の信者から支持されている。
特にアメリカ合衆国では現在でも支持者がおり、「進化論を学校で教えるべきではない」とか「進化論なんか授業で教えるならその授業は欠席させて教会で創造論教えるわ」みたいなことを主張する人がいる。ちなみに、このような創造論を批判する人たちが作ったのが冗談宗教「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」である。アメリカ合衆国は、世界トップクラスの経済力、科学力、軍事力を持つ西側諸国の盟主でありながら、中世みたいな思想の人も結構いるという摩訶不思議な国なのである。
少数ではあるが、「創造者はYHVHではなく、ヒンドゥー教の神だ(乃至は我々が知ることのできない大いなる存在サムシンググレートだ)」というアブラハムの宗教によらない創造論もある。ちなみに、日本神話では生命がどのようにできたかは言及されていない。
なお、創造論も一枚岩ではなく
- 「聖書に書いてあることは全部本当よ!進化論なんかでたらめ!」という進化論を否定するような考え
- 「肉体の進化論は認めるが、魂は神が作った」
- 「最初の原始的な生命を神が作って、進化という方法を使って様々な生命、最終的には人間を作った」
- 「創造論が正しいけど、仮に進化論を信じていても主イエス・キリストの原罪の贖いを信じるならば問題なし!」
- 「聖書に書いてあることは全て正しい。正しいが、比喩的な表現が含まれていて全て文字通り解釈しなきゃならないわけではない。イエス様も『ファリサイ人のイースト菌に気をつけなさい』とか比喩表現を多用したよね?例えば創世記も神は7日で世界を作ったとあるけど、神にとっては5億年も1日みたいなもんなんだよ。つまり、35億年かけて世界や人間を創造したと解釈することも可能なのだ」
- 「少なくとも最初の生命は神が作ったんじゃない?」
なお、新井白石は「黄色い四文字ハゲが生命を作ったとか言うけど、黄色い四文字ハゲは誰が作ったんだよ?そもそも最初っから善人しか生まれないように作っておけば良さそうなものなのに、悪人が生まれてきてしまうみたいなバグを放置してるし無能だよね?こんな宗教はカルトに決まっているから禁教は当たり前だよな?」と主張している。
その他
- アメリカの映画などにロボットやAIが登場する場合、「すっごい賢いAIを作ったよ!あれ?AIが『あたしが人類支配したほうがいい世界になる』とか言い出して人類を攻撃し始めたよやばい!」とか「美人な女性型ロボットを開発して販売していたらバグでとんでもない殺人ロボットになってしまったよやばい!」みたいな感じに、どちらかといえば悪役、敵として登場することが多い。これは、「生命を作ることができるのは神だけであるのに、生命のようなもの、AIやロボットを作ることは神の領域に踏み込もうとする行為であり、神に対する冒涜、挑戦である」という創造論的な思想が根底にあるからだと言われている。逆に言うと、ロボットやAIの開発はキリスト教の影響が薄いアジアに有利なのかもしれない。
- その他、どこまで遺伝子操作などに踏み込んでいいのか、クローン技術を発展させていいのか、という問題も同じように創造論的な思想が根底にあると言われている。その意味では、ある種の科学の暴走への抑止力としての意義は創造論に認められるという意見もある。
関連動画
関連リンク
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関連項目
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