『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ』とは、テレビアニメ『ポケットモンスター』の劇場版第6作である。2003年7月19日公開。
概要
2002年より放送を開始した新シリーズ『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』の、初の映画作品。キャッチコピーは「千年に一度の彗星の夜、君の願いはかなう。」
本作より、前売り券に「幻のポケモン」がゲットできる引換券をセットにして販売する商法(俗に「ポケモン商法」)を始めており、最終的に前売り券の売上数148万枚、興行収入は前作『水の都の護神 ラティアスとラティオス』を大幅に上回る45.6億円を記録した(昨年度は映画公開時に『スター・ウォーズ エピソード2』や『猫の恩返し』といったメガヒット作と公開時期が被ってしまったのも大きいと思われるのだが)。今やお馴染みの、声優の山寺宏一氏によるナレーションの映画予告や、ロケット団の3人による前売り券の宣伝も本作が最初。
また、本作より海外ではスクリーンでの上映がなくなり、ビデオ及びテレビ放送のみとなっている。
2022年にはアニメ25周年を記念した「夏の思い出、ゲットだぜ!25周年ポケモン映画祭」において、本作が投票で選ばれた上位3作品に選ばれ、全国の映画館にて8月19日から期間限定の再上映が行われた。
あらすじ
千年に一度、7日間だけあらわれるという千年彗星の夜。ホウエン地方を旅するサトシたち一行は<移動遊園地、ポケモンパーク>でマジシャンの「バトラー」と出会う。不思議なことに、マサトだけにバトラーが持っている「眠り繭(ねむりまゆ)」の中の声が聞こえてきた。そしてある日、「眠り繭」の中から「ジラーチ」が目覚める。ジラーチは、千年に一度だけ目をさまして人間の願いを叶えてくれるといわれる伝説のポケモンだった。思わぬ出会いに喜ぶサトシたちだが、バトラーにはジラーチの持つ秘められた能力を利用して成し遂げようとする、恐ろしい野望があった…。
ゲストキャラクター
ポケモン
- ジラーチ
- CV:鈴木富子
- 1000年に1度、7日間だけ目覚めると言われる幻のポケモン。故郷はファウンス。テレパシーのようなもので人間と会話ができ、一人称は「僕」。 腹にある「真実の目」には千年彗星の強大な力が眠っていると言われ、バトラーにその力を狙われることになる。他にも強力なサイコパワーを持っており、劇中ではマサトの願いを叶えて大量のお菓子を近くのお店からテレポートさせていた。
- マサトとは大の友達になり、ジラーチが眠りにつく最後の時まで一緒に過ごした。ラストの2人の別れのシーンは正に感涙モノであり、しばしば名シーンとして上げられることが多い。
- メタ・グラードン
- CV:小西克幸
- バトラーがグラードンの牙の欠片から装置で生み出した、グラードンに似て非なる巨大な怪物。スライム状の触手を伸ばして周りのエネルギーを吸収する能力を持ち、大地から吸い取り森を枯らすだけでなく、ファウンスに棲む多数のポケモンやハルカ、タケシ、ダイアンなどをも取り込んだ。自身のエネルギー源であるジラーチを追い求め暴れ回る。
人間
- バトラー
- CV:山寺宏一、野島健児(少年時代)
- ポケモン遊園地の人気マジシャン。
- かつては悪の組織「マグマ団」の研究員であったが、グラードン復活の研究に失敗しマグマ団を追放されていた。強大なジラーチの力を利用してグラードンを復活させ、自身を追い出したマグマ団への復讐を計画しファウンスで装置の研究を続ける。しかし、結果誕生したのはバトラーの追い求めた結果とは程遠い怪物「メタ・グラードン」であり、計画は失敗に終わった。
- 手持ちポケモンはグラエナ、ボーマンダ、キルリア、サマヨール。
- ダイアン
- CV:牧瀬里穂、吉原ナツキ(少女時代)
- バトラーのマジックの相方かつ、恋人。彼女もまたマグマ団の一員であったが、ただバトラーのことが心配で付いて来ただけであり、バトラーの計画には加担こそしていたものの本人は罪悪感を感じていた。バトラーとは幼馴染の仲でもあり、バトラーには昔の純粋に手品が好きだった頃のように戻って欲しいと思っており、サトシたちに協力する。
- ボギー
- CV:パパイヤ鈴木
- ポケモン遊園地に出店していた、ヒッピーのような風貌のアクセサリー売りの店主。ハルカに千年彗星のアクセサリー「ウィッシュメーカー」を売っていた。
主題歌
- エンディングテーマ『小さきもの』
- 作詞:三浦徳子、作曲・編曲:山移高寛、歌:林明日香
- 海外版では『Make a wish』というタイトルで英語に翻訳された上で使用された。
- なお、本作ではオープニングテーマは流れない。
『おどるポケモン秘密基地』
劇場短編第6作。同時上映の短編は本作をもって一旦終了し、次の作品は劇場版15周年を迎えた『キュレムVS聖剣士ケルディオ』と同時上映された『メロエッタのキラキラリサイタル』までお預けとなった。
冒頭で一瞬だけながらも、ロケット団が登場する唯一の短編作品である(当然顔は映らないが、サカキだけはニャースの妄想だからか映っていた)。
ナレーターは山田花子氏が担当。吉本の芸人のため、ナレーションも関西弁である。
あらすじ
ニャースが留守番をまかされたロケット団のひみつ基地。ここには何やら怪しげな仕掛けが盛りだくさん!ニャースはポケモンを自由に操れる「モンスターダンシングボール」を使い、ボスに気に入られようと大ハッスル!森で遊んでいたピカチュウたちは偶然このひみつ基地を発見し、とらわれのささやきポケモンゴニョニョを助け出そうとします。ところがひょんな事から「モンスターダンシングボール」が動き出し、ダンス、ダンスの大騒動に!さらに騒音好きのドゴームやルンパッパも加わってもう大変!!ニャース入魂のひみつ基地、一体どうなっちゃうの!?
主題歌
- オープニングテーマ『ポルカ・オ・ドルカ』
- 作詞:戸田昭吾、作曲・編曲:たなかひろかず、歌:ニャース(犬山イヌコ)・ノルソル合唱団、コーラス:江崎とし子
- 劇中ではさまざまなアレンジが流れ、それに合わせてポケモンたちが「おどる」という演出になっている。振り付けはパパイヤ鈴木氏が担当。なお、元々はテレビアニメ版の2代目エンディングである。とっくにおどってるかぁ〜!?
- エンディングテーマ『冒険のはじまりだ!!』
- 作詞:吉川兆二、作曲・編曲:たなかひろかず、歌:KAORI(ハルカ)
- ハーモニカの演奏をバックに、ハルカ役のKAORI(現:鈴木カオリ)氏が歌ったエンディング。ハルカのテーマソングと言うと『私、負けない! 〜ハルカのテーマ〜』がよく挙げられるが、こちらも隠れた名曲である。
余談
- ジラーチの声を担当した鈴木富子氏は本作の上映直前の7月7日に急性心不全で急逝し、本作のジラーチ役が遺作となったが、奇しくもそのジラーチは七夕(7月7日)をモチーフにしたポケモンである…。無論これは単なる偶然の産物であろうが、ネット上では「ジラーチの呪い」として実しやかに囁かれてしまっている。
- バトラーとダイアンの2人は次々作『ミュウと波導の勇者ルカリオ』にもチョイ役で出演しており、さらにはゲーム『ダイヤモンド・パール』『プラチナ』の229ばんどうろにエリートトレーナーとして登場する。勝利後のセリフもそれぞれ「いだいな ショーを たのしんで くれたかい?」「バトラーと わたしは おさななじみ なの」と映画を連想させるものになっており、バトラーの手持ちもサマヨール、ボーマンダと映画と同じものになっている。
- 終盤ではメタ・グラードンの暴走を止めるために、ファウンスに棲む野生のフライゴンがサトシ達に協力を申し出て背中に乗せて華麗に飛び回り、ピンチを救う大活躍を見せている。更には同期で何かと比較されてしまいがちなボーマンダとの熱い共闘シーンも見られ、このシーンでフライゴンの事が好きになった視聴者も多いであろう。劇場公開時のポスターやソフト版のパッケージにおいても大きく姿が描かれており、映画サントラでも登場時のBGMが「フライゴン登場」と名付けられるなど、そのプッシュぶりが窺える。
関連動画
関連商品
関連項目
2002年 | 2003年 | 2004年 |
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水の都の護神 ラティアスとラティオス | 七夜の願い星 ジラーチ | 裂空の訪問者 デオキシス |
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