『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者 デオキシス』とは、テレビアニメ『ポケットモンスター』の劇場版第7作である。2004年7月17日公開。
概要
『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』の劇場版第2作の映画作品。本作よりしばらく同時上映作品がないため、映画本編の長さが20分ほど増加しており、その分ゲストキャラクターを増加させている。
本作の前売り券では幻のポケモンそのものではなく、幻のポケモンを入手するイベントを起こす「オーロラチケット」が配布された。そのため幻のポケモン「デオキシス」の配布対象は同年に発売された『ファイアレッド・リーフグリーン』のみとなったが、それでも前売り券の売上枚数は前作を上回る160万枚を達成し、興行収入は43.8億円を記録した。
あらすじ
突然、遠い宇宙からやってきた隕石が、大氷原に激突した。氷原に住むポケモンの調査に来ていた科学者、「ロンド博士」の観測隊と息子「トオイ」は落下の激しい爆風に巻き込まれてしまう。周囲をおおう水蒸気の中には幻のポケモン「デオキシス」の影が……。そこへてんくうポケモン「レックウザ」が姿を現し激しいバトルを繰り広げる!バトルに巻き込まれる、ロンド博士とトオイ。
それから4年後。ハイテク都市、<ラルースシティ>へやってきたサトシとピカチュウたちは、この街のバトルタワーで行われるポケモンバトルに挑戦しようとしていた。そこで偶然知り合った少年、それがトオイだった。トオイは4年前の経験のせいですっかりポケモンが苦手になっていた。そんなトオイの心を開こうとするサトシとピカチュウたち。しかしそこへ突然現れる、幻のポケモンデオキシス。その目的とは?
ゲストキャラクター
ポケモン
- デオキシス
- CV:千葉進歩
- 4年前に隕石と共に宇宙から飛来してきた謎のポケモン。沢山の自らの分身を生み出したり、状況に合わせて3つのフォルムに姿を変えることができる。劇中では別の個体で2体登場しており、胸の水晶体の色で判別が可能。
- 水晶体が紫色の個体は、飛来してきた際にレックウザに襲撃されて倒されたもので、その後自己再生を繰り返して復活し、仲間を探し求めてラルースシティに現れた。仲間を探知するのに人間やポケモンから発する電磁波がまひ状態になるので邪魔になるため、次々と襲って一つの場所にまとめていった。
- 水晶体が緑色の個体は、地球に飛来した際には目覚めず、そのまま回収されてロンド博士の研究所で復活に向けて研究がなされていた。光で意思を伝えることができ、トオイとコミュニケーションを取っていた。
- レックウザ
- CV:小西克幸
- オゾン層に生息している伝説のポケモン。
- 4年前、デオキシスが飛来したきた際に、自身の縄張りに入ってきたと理由でデオキシスに襲いかかり、撃退した。その後デオキシス(紫)が復活した際にも天空から降りてきてデオキシスを再び倒そうとした。一度倒したのにも関わらず、4年後に今度は自身の縄張りに入ってもないのにわざわざ追っかけてきてまた倒そうとする様は最早ストーカーの領域だとか言ってはいけない。
- ラルースシティで2体して暴れ回ったあげくに街の防衛システムの暴走に巻き込まれてしまうが、デオキシスに助けられたことで最終的には和解して去っていった。
- ゴンベ→カビゴン
- CV:山本圭子
- ゲームでは第4世代のポケモンだが、先行登場を果たした新ポケモンで、本作が初公開となった。後にテレビアニメ版でハルカの手持ちとなるものとは別個体。
- ラルースシティに住み着いている野生のポケモンで、劇中ではゴミ箱にペットボトルを蹴飛ばして入れようとしたり、マサトたちに拾ったサンドイッチをおすそ分けしようとするなど自由気ままに過ごしており、終盤ではなんとカビゴンに進化して結果的にピンチを救った。ちなみに映画で進化した初のポケモンである。
- プラスル&マイナン
- CV:川瀬晶子(プラスル)、比嘉久美子(マイナン)
- 同じくラルースシティに住んでいる野生のポケモン。とても仲が良く、いつも2匹で行動している。
- トオイに助けられてからは彼によく懐いており、最終的に2匹ともトオイのポケモンになった。
人間
- トオイ
- CV:日高のり子
- ラルースシティで暮らす水色髪の内気な少年で、実質本作においてのもう1人の主人公。
- 過去のトラウマが原因でポケモンに触ることができなくなり、サトシと初めて出会った時もピカチュウに対してとても怯えていた。しかしサトシたちの協力もあって、徐々にポケモンを触れるようになっていった。
- ロンド博士
- CV:山寺宏一
- トオイの父親のポケモン研究者。4年前に南極で隕石とともに現れた謎のポケモン「デオキシス」にトオイと共に遭遇し、以降ラルースシティでデオキシスについて研究を行っている。
- ユウコ
- CV:上原多香子
- ロンド博士の助手の女性研究員。とても面倒見が良く、仕事熱心で優秀な人物。
- 中の人は元SPEEDのメンバーである。
- ヒトミ
- CV:ベッキー
- 常にノートパソコンを持ち歩いている、三角眼鏡をかけた女性。ロンド博士と同じくデオキシスについて調査しており、ポケモンバトルもデータ重視の機密な戦法を得意とするインテリ系の人物。手持ちポケモンはメタグロスで、リュウ、ショウタ、オードリー、キャサリンと共にバトルタワーに参加していた。
- リュウ
- CV:野島健児
- サウスシティ出身の茶髪のトレーナー。少々キザで嫌味ったらしいが、根は妹思いの優しい少年。
- 手持ちポケモンはバシャーモ。
- ショウタ
- CV:肥後誠(現:肥後マコト)
- 同じくサウスシティ出身の小太りなトレーナー。ハルカに一目惚れしたが、てんで相手にされていない。劇中ではリュウとタッグバトルで出場し、サトシ・トオイコンビを圧倒した。
- 手持ちポケモンはカメックス。体型と手持ちが被るが決してアニメのダンシングデブではない。ピカチュウと同じ声優のライバルでもない。
- キャサリン&オードリー
- CV:山本麻里安(キャサリン)、水樹奈々(オードリー)
- リュウの双子の妹。ピンクの服を着ているのがキャサリン、オレンジの服なのがオードリー。兄のリュウをとても尊敬している。
- 手持ちポケモンは1匹ずつで、それぞれアメタマ、アメモース。
- グルー
- CV:ジョン・カビラ
- バトルタワーの実況アナ。中の人も、スポーツ中継の実況などでお馴染みの人物である。
- KABA.ちゃん
- CV:KABA.ちゃん
- 当時人気であったオネエ系タレントのKABA.ちゃん本人。冒頭のモブに紛れて登場し、ほんの少しだけだがセリフもある。ちなみにフィルムコミック版でもちゃんとセリフが書かれている。
- 余談だが、KABA.ちゃんは同時期に『ポケモン言えるかな?2004』を歌っている。
主題歌
- エンディングテーマ『L・O・V・E・L・Y 〜夢見るLOVELY BOY〜』
- 作詞・歌:Tommy february6、作曲・編曲:MALIBU-CONVERTIBLE
- ゆったりポップで、明るい雰囲気のエンディング。なお本作もオープニングテーマは流れない。
- ちなみに、エンディングでは続けてピカチュウ&プラスル&マイナンが加わったタイプ(ピカチュウといっしょ★ヴァージョンだよ!)も流れる。スタッフロールはこのバージョンの項目だけ全てひらがな・カタカナで書かれており、作詞・歌の「Tommy february6」が「トミー フェブラリー おねえさん☆」、作曲・編曲の「MALIBU-CONVERTIBLE」が「マリブ コンバーチブル おにいさん★」となっているのが特徴。
- 他にも、劇中でも「サトシ、トオイ 友情のはじまり」という名前でアレンジされてBGMとして使用されている。
余談
- 本作の舞台となったハイテク未来都市・ラルースシティは、カナダのバンクーバーがモチーフになったという。なお、テレビアニメ版に登場するハルカのコンテストライバル、シュウの出身地であることが後に判明している。
- ヒトミは前作『七夜の願い星 ジラーチ』のバトラーとダイアンと同じく、ゲーム『ダイヤモンド・パール』『プラチナ』の224ばんどうろでエリートトレーナーとして登場している。手持ちポケモンも映画と同じくメタグロス1体である。さらには次々作『ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ』の冒頭にもゲスト出演している。
- 本作でポケモン映画初出演となったベッキーは『ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ』まで3作連続ゲスト出演を果たしており、他にも『おはスタ』のポケモンコーナーで芸能界デビューを果たしていたり、短編『ピカチュウたんけんたい』のエンディングテーマ『そらとぶポケモンキッズ』を歌ったり(当時15歳)、『ポケモン☆サンデー』に秘書としてレギュラー出演していた(2004年-2006年)など、ポケモンとの縁が非常に深い人物である。
関連動画
関連項目
2003年 | 2004年 | 2005年 |
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七夜の願い星 ジラーチ | 裂空の訪問者 デオキシス | ミュウと波導の勇者 ルカリオ |
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