加藤初単語

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加藤初（かとう はじめ）とは、元プロ野球選手のことである。故人。

概要

1949年12月20日生まれ。静岡県富士市出身。

高校は吉原商業高等学校に進学し、卒業後は亜細亜大学に進学。ただ、4ヶ月足らずで中退、大昭和製紙に入社する。

1971年の都市対抗野球大会で優勝候補の熊谷組相手に完封勝利し優勝に大きく貢献、この活躍から様々なチームから接触があった。ただ、チームにはこの年ドラフト指名が確実視されていた安田猛がおり、「エース格の選手が二人同時に抜けるのは厳しい」と会社側が表明。結局ドラフト指名されなかった。ただ、加藤はプロ入りを熱望しており、会社に辞表を提出したが不受理となったため、喧嘩別れのような形で退社した。

その後、巨人、西鉄から誘いがあったが、「本来ならドラフト1位で指名していた」と西鉄側から説明され、『強いチーム相手に投げたい』という思いと『黒い霧事件で戦力が大幅に低下した西鉄なら早い時期から出番がもらえる』という考えから西鉄ライオンズに入団することを決めた。

加藤の思惑通り初年度から出番を与えられた。1972年、同じく若手の東尾修とともに先発ローテの柱を任され、最下位に低迷するチームにありながら17勝16敗、防御率3.95の成績を残し、ほぼ満票で新人王に選出された。

その後もBクラスに沈むチームの中で東尾とともに投手陣を支え1975年までに45勝を挙げた。

1976年、伊原春樹とともにトレードで読売ジャイアンツへ移籍。移籍初年度には先発・リリーフ双方で起用され、4月の広島東洋カープ戦ではノーヒットノーランを達成するなど大車輪の活躍で、15勝4敗8セーブ、勝率.789で優勝に貢献。最高勝率のタイトルを獲得した。

しかし、これ以降、病や故障に悩まされることとなる。優勝旅行前の健康診断で肋膜炎を患っていることが判明。10月に入院し、治癒するまでに半年以上を要した。

1977年シーズンの後半より現場に復帰。ただ本調子には戻っておらず、1980年まで二桁勝利なしと苦しむ。

1981年、堀内恒夫から教わったスライダーを習得し、投球の幅が広がったことにより復活。12勝6敗、防御率2.91と好成績を残す。

だが、1983年、シーズン途中に今度は血行障害を発症し手術。

それでも1984年には8勝をマーク、1986年には投球フォームを改造し14勝を挙げてみせた。

1987年には臀部とかかとを痛め苦しむも、特殊な足底板を夫人に作ってもらい痛みを軽減することに成功。登板数こそ少ないものの7勝1敗と大きく勝ち越し、加藤が投げれば負けないというジンクスにもなった。日本シリーズでも勝利投手となり、37歳10ヶ月での日本シリーズ勝利投手は2021年にオリックス・バファローズの比嘉幹貴が更新するまで最年長勝利であった。

翌年1988年からは登板数を減らし、1990年、現役を引退。

引退後、解説者としての活動を経て巨人、西武でコーチを務めた。

2002年LGツインズでコーチを務め、以降は韓国、台湾で投手コーチを務めた。

2011年、SKワイバーンズのコーチを務めたいたものの体調不良によりこの年限りで退団。

その後、検査の結果、大腸がんが発覚。余命宣告をされ、入退院を繰り返し治療に専念するも癌は4箇所に転移、加えてパーキンソン病も併発していた。

2016年12月11日、直腸がんのため死去。享年66歳。

人物・エピソード

豪快な投球フォームから荒々しくも力のある直球、フォークやスライダーを武器に長らく活躍した右腕。クイックはそれほど速くなかったが、代わりに牽制を得意としていた。

どんな状況でも表情を変えず投げ続け、そのポーカーフェイスっぷりは「鉄仮面」とも呼ばれた。

口数の少ない寡黙な人物ではあったが、プライベートではひょうきんな面も見せていたという。

通算成績

投手成績

通算:19年	登板	完投	完封	勝利	敗戦	セーブ	ホールド	勝率	投球回	与四球	奪三振	失点	自責点	防御率	WHIP
NPB	490	112	58	10	113	22	---	.555	2250.0	950	1500	970	874	3.50	1.31

主な獲得タイトル・記録

• 新人王 （1972年）
• 最高勝率：1回（1976年）
• ノーヒットノーラン：1976年4月18日、対広島東洋カープ戦

関連動画

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関連項目

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• 読売ジャイアンツ
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