概要
主にニコニコ動画とその周辺のネット上で使われる、現代のサブカルチャーにおけるネットスラング。
【絵を描く人=絵師】から派生して【動画を作る人=動画師】という単語が生まれた。
この言葉が使われる場合、ボカロで曲を作る「ボカロP」、歌ってみたの「歌い手」、イラスト作者の「絵師」などと並ぶ、「合同作品の動画担当者」という意味合いが強く、一人でイラストや音源などを製作している場合には動画師とは呼ばれることは少ない。
動画師の主な役割は、絵師の描いた絵を元に、動画を組み立てたり、自身でパーティクルなどのCGを用いて表現を行う。
また、ボカロ曲のPVの場合は、歌詞をアニメーションのように動かして伝える"キネティック・タイポグラフィ"と呼ばれる表現技法が用いられることも多い。これを担うのも動画師の重要な役割である。
特にVOCALOIDのミュージックPVシーンにおいて、動画師の果たしてきた役割は大きい。
楽曲の表現を行う重要な役割を果たしており、ボカロPや絵師などの陰に隠れがちな存在であるが、彼ら・彼女らのクリエイティブな活動にもっと光があてられるべきである。
ソフトウェア
無償のソフトではWindowsの場合は無償の"AviUtl"というソフトや、同じく無償のNiVE2(NicoVisualEffects2)などのソフトウェアが有名である。
特にAviUtlは利用者の多さや拡張性の高さから人気が高い。
Macの場合はJavieと呼ばれる無償ソフトウェアがある。これはWindows及びMac OS Xに対応している。
いずれも、そのソフトウェアだけではAVIという形式の非常に容量の大きい動画を書き出してしまうので、別途にnicoenc(ニコエンコ)や、つんでれんこ、などのエンコーダーと呼ばれるソフトウェアで、その動画ファイルをmp4などの、高画質・小容量の形式に圧縮変換する必要がある。
この、エンコーダーや動画コーデック(動画の保存形式)の部分でかなり専門的な知識が必要になるため、(ある形式の動画が読み込めない、などのエラーが起こる)、フリーソフトでは動画の読み込みや書き出し時にエラーが起こる場合もあり、敷居が高くなる。
一方、有償ソフトウェアではAdobeのAfter EffectやMotionと呼ばれるソフトウェアが有名である。Adobe After Effectから影響を受けたソフトウェアは上記のNiVEやJavieなどがある。
その他にも、フラッシュでアニメーションを作成したい場合はAdobe Flashなどがある。
一般のムービーを作るソフトと、これらの専門の動画制作ソフトの違いは、パーティクルや炎などのCG表現を加えられたり、フレーム単位で動画を編集できることや、変数指定による値の変化で動画効果の表現を行えることなどが挙げられる。視点の操作を行ったり、動画の中に動画を組み込むこともできる。
つまり、より細かく動画表現が行えるということである。
AdobeのソフトウェアはCC(クリエイティブ・クラウド)と呼ばれる月額課金性を導入している。学割も存在する。
Adobeは、2013年以前はAdobe Creative Suite(アドビ・クリエイティブ・スイート)と呼ばれるパッケージ商品としての販売であったが、近年はクラウドによる課金性に移行している。
動画師は以上に挙げたソフトウェアを用いて、動画作りを行う。 個人の特性に応じて、イラストや歌詞などの表現を行う。動画に実写素材を用いる場合もある。
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